東京会議2025、世界が力を合わせることの大切さを伝えたい
ニュースキャスターの長野智子がパーソナリティを務める「長野智子アップデート」(文化放送・月曜日~金曜日15時30分~17時)、2月12日の放送に非営利シンクタンク・言論NPO代表の工藤泰志が出演。3月3日から開催、世界11ヶ国のシンクタンクの代表や有力者たちが集う「東京会議2025」を前に、これからの「国際協調のあり方」を語った。
長野智子「(東京会議2025は)3月3日から5日までということです。今年はどのようなテーマでしょうか?」
工藤泰志「もともと今年は第二次世界大戦が終わり、国連が創設されて80周年なんです。それで我々、国際協調のあり方を世界の人たちと考えようと思ったんですね。いまの状況、世界が分断して、かなり亀裂が入っているわけです。まさか80年前に戻るのか、と言われていた。今回はグテレス(国連事務総長)さんにも手紙を書いて、どうしても来てほしいと言ったら、時間が無理なのでビデオで出してくれ、と」
長野「ああ~、はい」
工藤「EUの方や、かなりいろんな人たちが来るんですよ。インドネシアの前の大統領とか。民主主義がかなり壊れている、ということを気にしているわけです。いろんな人を呼んだうえで、我々はこの危機に世界が力を合わせる、ということがどうすれば可能なのか、と。全部の会議を設定していたらトランプさんが出て、連日それを潰し始めている。いま議論を作り直す段階になっています」
長野「潰すって……」
工藤「彼がやっていることは、国際協調に価値はないんです。国際機関からも脱退する、国際協力を否定している。そうすると、アメリカ抜きの国際協調はあり得るのか、という本質的なテーマになっているんですね。この間、石破さんが行ってなんとか切り抜けたけど、やはり世界でもアメリカは一人勝ちなんです。軍も最高だし。いまアメリカに意見を言う人がいないんですよ。ただ我々はそれでも世界が力を合わせることは大切だ、と。この会議で世界にメッセージを出そう、ということで準備をしているんですが、けっこう大変です」
長野「アメリカの代表の方もいらっしゃる?」
工藤「います。アメリカの評議会から2人来るんですね。だから言いにくいと思います。彼たちも配慮しますが。シンクタンクの皆さんも世界が全然、違う軌道に向かって動こうとしているし、あとから見れば歴史の転換期になる、と思っている人もいるわけです。ただ、いまのトランプさんがやろうとしている自国第一主義、自分のことしか考えていないんですね。ほかの国は忠犬ハチ公になるしかない、という状況じゃないですか」
長野「うん……」
工藤「かなり対立を増やします。やはり日本や、ほか民主主義の国は、国際協調が壊れないよう努力するしかない。それをどうするか、と。非常に困難な段階にくると思います」
長野「国連のグテレス事務総長がビデオメッセージを、ということですけど、基調講演というかたちですか? 相当、長く話される?」
工藤「そう。15分ぐらいやってくれ、という話で」
長野「またグテレスさんが何をおっしゃるか、ですよね」