夜の大阪湾で35cmキビレとカサゴ手中! アオイソメエサのヘチ(落とし込み)釣りにヒット
大阪湾は茅渟の海と言われるほどチヌの魚影が濃く、もはやどこでも釣れると言っても過言ではない。もちろん、日中はファミリーでごった返すようなお手軽な釣り場の足元にも大型のチヌやキビレがウヨウヨいる。そこで今回は足場の良い人気釣り場にて夜のヘチ釣りでチヌ、キビレを狙って釣行した模様をお届けする。
人気釣り場は夜に変貌する
今回の釣り場は日中はファミリーでごった返すような南大阪の波止。足場が良くサビキ釣りでアジやサバ、イワシ等がよく釣れる人気の釣り場だ。
こんな場所に大物なんているわけないと誰もが思うだろう。しかしこういった釣り場が夜のヘチ釣りで大物が釣れる好スポットに変貌する。なぜか。それにはいくつかの理由がある。
ヘチ釣りが好適な理由
そもそも魚は上から落ちてきた餌に反応する。この釣り場で多くの人が行なっているサビキ釣りなどは5~10号程の重いオモリを上から落としエサを撒いて魚を寄せるためアジやイワシなどの小型回遊魚には有効であるがチヌやシーバスなどの大物は警戒心が高く、逃げてしまうため口を使うことは少ない。
一方で大型魚の捕食習性を利用したヘチ釣りはガン玉を使いフワフワとエサを上から落としフォール中に魚がその餌を見つけ食わせる釣りである。警戒心を与えずに大型魚の口を使わせることができるということだ。
夜は警戒心弱まる
クロダイやキビレは夜行性と言われている。日中は警戒心が強く、釣るのは至難の業だが夜になると警戒心が弱まりエサを求めて果敢にアタックしてくる。
日中のヘチ釣りでは口を使わなかった魚たちもそこまでシビアにならずとも、夜になるとあっさり釣れてしまうのだ。
事前情報は微妙
当日は18時から22時の下げ止まりまでを狙って釣行した。夜のヘチ釣りでは上げ潮の方が釣果を上げやすいがこの日しか空いていなかったので強行。釣具屋でエサを買うついでに周辺のヘチ釣り情報を聞くと全く釣れていないとのこと。これは先が思いやられる……。
タックル情報
ロッド:アブガルシア ソルティースタイルカラーズ 664LS
リール:宇崎日進 インヴィクタクロダイ RND-BG 85
道糸:ナイロン2号
ハリス:チヌハリス1.5号
ハリ:チヌバリ2号
エサ:アオイソメ
エサはアオイソメ
夜にヘチ釣りをやっていない人がいないだけだと自分に言い聞かせ、釣りの支度を開始。エサはアオイソメを丸々1匹チョン掛けにする。貝やカニなどがヘチ釣りの一般的なエサだが、夜は魚へのアピール力が高いイソメが特エサとなる。
イソメをハリに刺す時、脳天にハリを刺すと死ぬのが早いので頭の先端から1cm程下にハリを刺すのがポイントだ。
序盤は当たりなし
18時の下げ始めから岸壁際にエサを落とし始めた。1度底まで落としたら回収し5歩ほど進みまた落とす、を繰り返し岸壁際をくまなくチェックしていく。20時半頃まで細かく探っていたがまるで反応がない。
まずい、これは1度もアタリを出せずボウズを食らうぞ……。
カサゴがヒット
波止の内側を探っていたがまるで反応が無かったので外側をチェックしていく。底付近でいきなりゴンッ!というアタリ。エサが長いので少し待ってから重みを感じながら合わせると乗った!チヌか!?ん?でも重いだけでそんなに引かない。上がってきたのは20cm程のカサゴだった。
狙いのチヌでは無かったがようやく魚の顔が見れたので凄く嬉しかった。カサゴやメバル、アコウなどの根魚類も夜ヘチの定番ゲストで、昼間は掛からないサイズも釣れる。
35cmキビレが登場!
やっと魚の捕食スイッチが入ったかもしれないと、ここから集中してエサを落としていく。歩きながら岸壁際を覗いていると船を岸壁に止める際、船体が岸に当たらないようにするゴムクッションを発見。
こういった障害物には貝や牡蠣などの付着物が付きやすく、そこからこぼれ落ちるエサを狙う大型魚が潜んでいることが多い。これはチャンスとゆっくりゴムクッションの際にエサを落とす。
すると中層でタイコリールの糸の出が止まり、いきなりドンっ!とエサが引ったくられた!こういった場合は既に掛かっていることが多いので瞬時に合わせを入れる。先程のカサゴよりも重量感がありグイグイと下に突っ込んでいくが、岸壁際にラインを擦られないよう岸壁から引き離して多少強引にやり取りする。
漆黒の海に現れたのは銀ピカのキビレ!遂に来たー!やっぱりいたんだと安心感に包まれた。慎重にタモ入れし無事捕獲。サイズも35cmとキビレにしては良型だった。その後は1度アタリがあったが食わせきれず。集中力も切れ、潮も引き切った22時に納竿した。
刺身とあら汁に舌鼓
ちなみに今回のキビレは刺身とあら汁にして食べたが臭みは無く、旨味と脂があってとても美味しかった。チヌを持ち帰る際は釣り場で締め、血抜きを行い、保冷した上で持ち帰るのがベストである。
ちなみに外海近くで釣れた大阪湾のチヌは上手く処理すればほぼ美味しく食べられる。大阪湾が汚い、臭そうだからといってリリースするのはかなり勿体ないと個人的には思う。
今後の展望
夕マズメの一切アタリがない状況には心が折れそうになったが、夜のドラマを待ちながら根気よく落とし続けた結果だったので喜びもひとしおだった。これだけ渋いのは潮なのか、年なのか時期なのか分からないが夜だと口を使わせることが出来ることが分かって良かった。
日中は厳しくとも良い魚に出会える可能性が高い夜のヘチ釣り。日中はファミリー向けの釣り場でも夜になれば良型のチヌやキビレと出会うことができる。今回は1枚だけだったがポイントによってはチヌ、キビレが一晩で数枚釣れる時もある。今度も引き続き夜ヘチポイント開拓を進めてチヌの楽園を見つけたいと思う。
釣行の注意点
釣行にあたってはいくつかの注意点がある。まず、混雑時の釣りは避けるべきだ。また、釣り禁止や立入禁止とされているエリアでの釣りは絶対に行ってはならない。
漁港内では係留ロープが入っている場所での釣りも控える必要がある。夜間は足元が見えにくくなるため、十分に注意したい。さらに、毒を持つ魚が釣れる可能性もあるので、取り扱いには細心の注意を払うこと。
安全のため、釣りを行う際にはライフジャケットを必ず着用するよう心がけたい。
<高橋凪/TSURINEWSライター>