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先駆者に聞く! 「ロングセラー」の秘訣は? 豊島屋・久保田陽彦社長

タウンニュース

「伝統は革新の連続」と話す久保田社長=21日・豊島屋本店前にて

2003年創刊から、足掛け23年で1000号に到達したタウンニュース鎌倉版。次への第一歩を踏み出すこの機に、鳩サブレーで知られる(株)豊島屋(としまや)の4代目・久保田陽彦社長(65)にインタビューした。鳩サブレーは明治30(1897)年頃に誕生し、130年近く続く超ロングセラー商品。長きにわたって愛される秘訣とは?先駆者に聞いた。

--単刀直入に伺います。鳩サブレーのロングヒットの理由を聞かせてください。

嘘をつかない、正直な商売をするってことじゃないでしょうか。いろいろなお菓子を見てきて最近思うのは、「売れるためのお菓子」を作っているところがあるなと。我々の本業は「おいしいお菓子」を作ること。まだまだおいしくできると思っています。そのために何ができるのかと。

--この1000号記念特別号に登場いただいたバレリーナ上野水香さんは、子どもの頃から鳩サブレーが大好きだったそうです。上野さん曰く、「おいしさの秘密はバターでは?」と。

バターだけじゃありませんよ(笑)。詳しくは言えませんが、うちはおいしいバターではなく、鳩サブレーに合うバターを探し続けています。もっと合うバターが絶対あるはず。「ワリ」と呼んでいるレシピ、材料は当初から変わっていませんが、どこのバターや小麦粉を使うかは、明治、大正、昭和、平成、令和とその時々で見極めてきました。伝統っていうのは、革新の連続だと思っています。

--一方、守り続けているものはありますか?

社員には常々、気持ちを込めようと言っています。1枚の鳩サブレーと、お母さんが子どものために焼いた1枚のクッキー。どちらがおいしいかと言うと、お母さんが作った方がはるかにおいしいと思うんです。100%以上の気持ちが入ってますから。10枚でも敵わないけど、100枚ならいい勝負ができる。1000枚だと負ける気がしません、プロとアマの差がありますから(笑)。我々もお母さんに負けないように気持ちを込めようって。今の鳩サブレーを「完成品」だとは思っていません。

--今後の思いは?

鎌倉という街にやっぱり御恩があるので、返していきたい。自分のところだけでなく、街と一緒に成長していけたらいいですね。

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