こんなに違う「記憶脳タイプ」。特徴を知って記憶力を強化しよう【脳内科医が解説】
「脳はいくつになっても成長します」と話すのは、脳内科医、医学博士の加藤俊徳先生。発達脳科学・MRI脳画像診断の専門家として、小児から超高齢者まで1万人以上を診断・治療してきました。加藤先生の書籍『衰えた脳を呼び覚ます すごい記憶力の鍛え方』(KADOKAWA)では、「記憶力」を脳科学的な視点で分析し、一人ひとりに合った「記憶法=記憶脳タイプ」を具体的な例とともに紹介しています。「最近、物忘れが多い」とお悩みの方も、自分の「記憶脳タイプ」を理解することで、どんどん物事を覚えられる可能性があるのです! 今回はこの本の中から「記憶脳タイプ」を理解するために知っておきたいことをご紹介します。
※本記事は加藤俊徳著の書籍「衰えた脳を呼び覚ます すごい記憶力の鍛え方」から一部抜粋・編集しました。
記憶脳タイプの特徴
さて、その3つの記憶脳タイプが実際にどんな役割を果たすのか、説明していきましょう。
(1)視覚系タイプ=目で見て記憶する
「視覚系タイプ」は、目で見た情報を記憶するのが得意な人です。本を読んで覚えられる人がこのタイプにあたります。この後に説明する聴覚系タイプ同様、目の前に見えているものをすべて記憶するのではなく、情報を選択する、つまり「見たいものを見る」という特性があり、その選択性をうまく利用することで記憶力の強化に繫がります。
(2)聴覚系タイプ=耳で聞いて暗記する
「聴覚系タイプ」は、耳で聞いた情報を記憶するのが得意な人です。授業を聞いたりラジオを聴いたりすることで直接記憶ができる、もしくは理解系脳番地を刺激し、記憶系脳番地を動かすのに長けています。耳で聞いた情報はすべて処理されるわけではなく、知っている情報などを優先して情報として取り込み、処理を行うため、「聞く」という意思を強く持つことが大切です。
(3)感覚・運動系タイプ=実際に触れる・動くなど、動作をつけて暗記
大半の人は視覚系脳番地か聴覚系脳番地どちらかが強いタイプに分かれるため、運動系脳番地が優勢なタイプはそれらと比較して「レア」なタイプだといえるでしょう。実際に触れて覚える、動作をつけて覚えるタイプもここに分類されます。