靴大手小売のチヨダもハンズフリーシューズが150万足の大ヒットで営業利益が4割増
「シュープラザ」「東京靴流通センター」「靴のチヨダ」などを展開する靴大手小売企業のチヨダは1月10日、2025年2月期の第3四半期決算(3月1日〜11月30日)を発表した。売上高は726億2000万円(前年同期比2.2%増)、営業利益は23億8200万円(同39.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は22億4300万円(同14.4%増)と増収増益だった。
テレワークが定着しつつある中、ビジネスシューズ需要が苦戦を強いられてきたが、主力の靴事業の営業利益は前年同期から約4割増となった。特に大きなトレンドになりつつあるハンズフリーシューズにおいて、代表的ブランド「スパットシューズ」が年間販売数150万足が狙えるほどの大ヒットとなり、好業績を牽引した。
ハンズフリーシューズはABCマートも2024年春に本格的に投入しており、今春には米国の「キジック(Kizik)」が日本に上陸するなど、ハンズフリー市場は今後さらに活発化しそうだ。チヨダも年始からイメージキャラクターの高橋みなみを起用し、「スパットシューズ」のテレビCMを放映しており、さらに売り上げを押し上げそうだ。
また、プライベートブランドも強化しており、「セダークレスト(CEDAR CREST)」は冬用ブーツでテレビCMを実施している。ベネッセコーポレーションが発行する生活情報誌「サンキュ!」との雑誌タイアップを始め、SNSや動画配信などのデジタルマーケティングを組み合わせた販促も客層の拡大に貢献した。11月末時点で店舗数は前年同期から5店舗減となる881店舗。靴事業の売上高は628億6100万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は31億8300万円(同41.1%増)だった。
一方、衣料品事業は苦戦が続いている。売上高は前年同期比16.6%減となる97億5800万円、営業利益は8億400万円の赤字(前年同期は5億5000万円の赤字)で、赤字幅が拡大した。11月末時点で店舗数は前年同期から15店舗減となる263店舗。
チヨダの2025年2月期通期の連結業績予想は、売上高は922億3700万円(前年比1.2%減)、営業利益は18億7600万円(同75.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は16億3100円(同11.9%減)としている。ただし、子会社だったマックハウスの株式を昨年、ジーエフホールディングスが出資するG Future Fundに3億円で売却しており、連結から外れている。そのため今後の業績予想については見直しを行なっているところだという。