人的資本経営に「恋愛支援」? トヨタ・三菱UFJが導入したマッチングアプリの狙い
Aill(東京都港区)は7月1日、同社が開発・提供するAI恋愛ナビゲーションアプリ「Aill goen(エール ゴエン)」が、トヨタ自動車(愛知県豊田市)および三菱UFJ銀行(東京都千代田区)に導入されたと発表した。AIを活用したマッチングアプリで社員のキャリア形成を支援し、企業成長の新たな基盤とする狙いがある。
独身社員を対象、価値観の共有で将来像を描く
「Aill goen」は、企業に所属する独身社員を対象としたAI恋愛ナビゲーションアプリ。雇用や福利厚生を重視する企業に勤める社員のみが利用できる仕組みだ。
AIが「共通の友人」のような立場で、社外での出会いから交際までを丁寧にサポートする。また、住まいや転勤、働き方の希望に応じたマッチングにより、ライフイベント後もキャリアの継続がしやすい点が特徴となっている。
現在、導入企業数は1400社を超え、日本生命保険相互会社、NTTグループ、JALグループなど大手企業も活用している。
独身社員支援を人的資本経営の一環に 社員のWell-beingを重視した導入判断
今回導入を決定した人事担当者は、次のようにコメントしている。
「社員のWell-being向上に向け、理想とするライフプランとキャリアプランの両立を支援すべく導入を決めました」「プライベートの充実が仕事にも好影響を与えることを期待しています」
同アプリ導入の背景には、仕事と私生活の両立支援が企業に求められる中、従来の制度では手が届きにくかった独身社員への新たな支援策としての期待がある。
価値観や将来像の共有が可能な異性との出会いを通じて、男女比の偏りや出会い機会の不足といった課題を解消。あわせて、人的資本経営やQOL(生活の質)向上に向けた取り組みを後押しする。
また、新しい土地でも長期的なキャリアが築けるという企業イメージの強化にもつながるとしている。
Aillは2016年に東京都で設立された企業で、AIを活用したコミュニケーション支援を通じ、企業の人的資本戦略および従業員のQOL(生活の質)向上を支援するサービスを提供している。2023年9月には、「Aill goen」を活用した福利厚生制度の共創を目的に、日本生命保険相互会社(大阪府大阪市)と業務提携を締結した。
今回の詳細は、同社の公式リリース(PR TIMES)で確認できる。