2005年の再演以降一度も上演していない舞台『口笛』(作:宅間孝行)を大薮丘が初演出で上演
2024年7月23日(火)~28日(日)シアターアルファ東京にて、舞台『口笛』が上演されることが決定した。
東京セレソンDXが2002年に初演、2005年に再演した宅間孝行作品の中でも衝撃の問題作。“切ない夏の風鈴三部作”と銘打ち3作品連続上演した際のひとつで、宅間以外、再演したことがなく、一部のファンでは二度とと見れない宅間作品と言われている作品。
2005年の再演以降一度も上演していない『口笛』を、タクフェス・タクラボ出演者でお馴染みの大薮丘が初演出で上演する。
出演者は、演出の大薮も信頼をおく、久獅を主演に迎え、咲山類、岩田知樹、竹内茉音など、これまで大薮と共演歴のある役者陣が名を連ねる。また、過去タクフェス出演者である三戸なつめも参加する。
【あらすじ】
東京から遠く離れた嫁不足に悩む過疎の村で両親を亡くし弟と二人で自動車整備工場を切り盛りする男、赤城辰吉。元暴走族総長!そんな彼にお見合いの話が舞い込む。しかも先方の都合で明日の予定がつかず急遽、栞とその父八郎が赤城家を訪れる事に。辰吉を取り巻く面々は一同大慌て。
てんやわんやの中、栞を⽬の当たりにした一同は息を飲む。
「こんな美人は辰吉にはもったいねえ」だが八郎は辰吉の伯母清美に本音を洩らす。
「私はこの結婚には正直反対なんです」
しかしそんな父親の思いをよそに栞と辰吉の仲は急接近。しかも栞は何故だか辰吉に異様に積極的。
そんな中、衝撃的ニュースが舞い込む。「翔子が……翔子が帰ってきた!」10年前、辰吉と翔子は将来を約束しあった仲だったが、翔子は夢を追い高校卒業後、東京の専門学校へ行ったのだった。
二人の間で揺れる辰吉。栞は何故辰吉に積極的なのか、翔子が10年ぶりに帰ってきた訳は……。
原作者:宅間孝行 コメント
書くことを本意としないながらも、芝居の本を書き始めた当初、最後の最後にお客さんが席を立てなくなるような、表現に美しさと残酷さを伴うフランス映画のような作品が書けないか、との想いで書いたのが『口笛』です。
戯曲としては五本目くらい、初めて「書けた!」と思ったのがこの作品でした。
しかし。
ある意味美しきバッドエンドは思惑通りにお客様の心をえぐったんだと思います。
色々な意味で震えた方も多かったとも思います。と、同時に、あり得ないと憤る方も多くいた、と記憶してます。
それ以来、本当の意味でのバッドエンドは書かなくなりました。そして、この作品は、再演した2005年を最後に、上演しておりません。
これはかなりの問題作です。封印して来た自信作です。この作品は、人を選びます。
そんな作品を、もう一度観たいという方がいたようです。
そして、俺たちでやりたい、と手を挙げた人たちがいました。
とても嬉しかったとともに、不安もあります。
俺自身が、もうやらない、と決めたこの作品、どうぞ、覚悟を持ってご覧ください。
演出:大薮丘 コメント
自分がいつか挑戦してみたかった《演出》というお仕事。
このチャンスを頂けたことに本当に感謝、嬉しい気持ちでいっぱいです。
初ということなので不安もたくさんありますが、自分自身を信じて突き進みたいと思います。
宅間さんの脚本をお借りして、タクフェス・タクラボでお馴染みのスタッフさん、心強いキャストのみんなに力を貸してもらって素敵な作品をお届けすることをお約束します。
皆様、是非劇場にお越し頂けたら嬉しいかぎりです。
出演者コメント
■久獅/赤城辰吉役
久獅と申します。
この度、『口笛』の作品に関わる事が出来てとても光栄に思います。
いち観客として脚本の宅間さんの作品に、笑って泣いて、何度も心を揺さぶられた感覚を今でも覚えています。今回は自分達が観てくださる方々の心を揺さぶれたらと思います。
2年ぶりの舞台ですが、全員で素敵な作品に出来るよう精一杯やらせて頂きます。
■岩田知樹/舟村豊春役
台本を初めて読んだとき、最後の展開に心震えて感情を揺さぶられました。
丘の初演出に華を添えられるよう、精一杯演じさせていただきます!
よろしくお願いいたします!
■竹内茉音/早坂翔子役
私は宅間さんの作品に出演することは3作品目ですが、今までの役とは全然異なった役を演じさせていただきます。演出の大薮丘さんはじめ、共演した仲間もいるので、チームワークを大切にして、協力して取り組んでいきたいです。口笛の再演を待っていた皆さまに、恥じないよう取り組みます。期待して待っていてくださると嬉しいです。
■花澤桃花/岡安栞役
今回、栞役で出演させていただくことになりました。花澤桃花です。
栞という役を演じられること、嬉しく思います。役について、
作品についてたくさん考えて、良い作品作りができるよう頑張ります。
ぜひ劇場に足を運んでくださったらうれしいです。お待ちしております!
■咲山類/岡安八郎役
岡安八郎役の咲山類です。今回の役は今までに演じたことのない役どころで、自分にとって大きな挑戦でもありますが、カンパニーの皆さんとの創作を楽しみながら、お客様に素敵な作品をお届けできたらと思います。
■三戸なつめ/舟村シゲ子役
『口笛』に参加できてとても嬉しいです。
2005年以来の再演ということでドキドキもしていますが、皆さんに切ない夏をお届けできるよう精一杯努めます。
是非劇場までお越しください。