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「副業OK」「副業で月○万円稼ぐ！」といったワードを目にすることが増えました。特に女性向けのメディアやSNSでは「好きなことを活かして」「家事の合間にできる」など魅力的に紹介されていることから、副業が気になっている方も多いのではないでしょうか。

けれど、いざ始めようとすると、「本当に稼げるの？」「本業に支障が出ない？」「続けられるのかな…」と、迷いや不安が出てきてあと一歩が踏み出せない。そんな声をキャリア相談でもよく耳にするそうです。

今回は、副業に挑戦したいけれど迷っている方に向けて、現実的な視点と、後悔しないための心構えについてお聞きしました。解説はキャリア・コンサルタントの林碧先生です。

キャリア・コンサルタント

林　碧（はやし　みどり）
株式会社キャリアイズ 代表取締役社長、国家資格キャリアコンサルタント・キャリアコンサルティング技能士2級、両立支援コーディネーター。 企業人事経験および個別相談対応経験を活かし就職・転職の相談からライフキャリアビジョン構築、育児・傷病など個別事情との両立まで、幅広い相談に対応。通算4000件以上の個別面談実績、年100件以上の研修登壇実績を保有。特に若年層のキャリア形成支援を得意とし、大学での登壇実績が豊富である他、企業向けの育成者研修や若手定着支援、人材コンサルティングも実施。日経Xwomanアンバサダー。小学生・保育園児の2児の母。

•副業での収入アップ、実はハードルが高い？
•自分に合った「副業の軸」を見つけよう
•収入特化型（短期的にお金を増やしたい）
•スキル育成型（キャリアにつなげたい）
•自己実現型（やりがいや満足感を重視）

•キャリアとつながる副業は、人生の選択肢を広げる
•副業で後悔しないために。意識しておきたい4つのこと
•1．心と体の健康を最優先に
•2．会社の就業規則を必ずチェック
•3．依頼元の信用性を見極める
•4．“目的”を見失わない

•やめることも「前進」のひとつ。あなたにとって意味のある副業を

副業での収入アップ、実はハードルが高い？

マイナビ転職の「正社員の賃金不満と副業など年収アップの意識調査」によると、副業を始めた理由の多くが「お小遣いや趣味に使える収入を増やしたい」「貯金を増やしたい」「将来の収入に不安がある」など、金銭的な理由でした。

ですが実際には、「副業年収1万円以下」が過半数。反対に「副業年収11万円以上」を得ている人は、全体の3割にも届いていません。理想とする副業月収の平均が10.5万円だったのに対し、実際の平均は5.7万円と、およそ半分という結果もあります。

つまり、副業で生活を支えるほどの収入を得るには、ある程度の戦略と時間、継続が必要なのです。

それでも、多くの方が副業を始めてよかったと感じているようです。なぜだと思いますか？　それは、収入以外にも大切なものが得られるからです。

自分に合った「副業の軸」を見つけよう副業にはさまざまな形があります。収入だけで選ぶと、思ったように続かないことも。だからこそ、「自分は何を得たいのか？」を考えて選ぶことが大切です。

たとえば以下のように、3つのタイプに分けて考えてみましょう。

収入特化型（短期的にお金を増やしたい）

配達や軽作業、短期バイトなどが該当します。生活費や急な出費の補填に向いていますが、長く続けるには体力的に、そして時間的にも制約があり、本業との調整や考慮が必要です。

スキル育成型（キャリアにつなげたい）

ライティングやデザイン、オンライン講師など、自分の強みを活かして収入を得るタイプです。本業のスキルアップや転職準備にも関連し、将来的な収入増にもつながりやすいです。

自己実現型（やりがいや満足感を重視）

ハンドメイド作品の販売や、SNSでの情報発信などが該当します。大きな収入にはつながりにくいですが、心の充実感や自分らしさを感じられる副業です。

実際にどんな副業をするか検討する場合は、「何のために副業をするのか？」という視点を持つことで、自分に合った選択ができるようになります。

キャリアとつながる副業は、人生の選択肢を広げる実際に副業を始めたことで、「本業にもいい影響があった」「将来の選択肢が増えた」という声も多く聞かれます。たとえば……●趣味だったイラストが仕事になった
●副業で学んだスキルが本業の評価につながった
●副業での人脈が転職先との出会いに
●少しずつ始めた活動が、セカンドキャリアへの第一歩に
副業は「今のお金のため」だけではなく、「将来の選択肢」を広げる投資にもなります。キャリアの延長線上で副業を捉えてみると、可能性がぐんと広がっていきます。

副業で後悔しないために。意識しておきたい4つのこと副業で後悔しない為に大切な視点をまとめておきます。ぜひ、取り組むにあたって確認しておいてくださいね。

1．心と体の健康を最優先に

企業内での勤務の場合は労働時間管理が成されており、働き過ぎないような配慮があります。一方で副業には労働時間の制限がないため、つい頑張りすぎてしまう人もいるのが現状。睡眠不足や疲労がたまり、本業や家庭に支障をきたす前に、「休む」勇気を持つことも大切です。

1日の労働時間が11時間を超える場合、7～8時間の人に比べてうつ病発症リスクは約2.4倍高くなるともいわれています。健康あっての仕事ですので無理は禁物。業務量の調整は意識しましょう。

ひとつ目安となるのは、過労死ラインといわれる企業の残業時間管理の基準。平均残業時間80時間、1ヶ月の残業時間100時間と規定されています。本業での残業時間も考慮し、何時間くらいまでなら問題無く働けるのかの1つの目安としてご活用くださいね。

2．会社の就業規則を必ずチェック

副業を認めていない会社もまだ多くあります。知らずに始めてしまい、トラブルになるケースも。住民税や確定申告がきっかけで発覚することもあるため、制度面の確認は忘れずに行いましょう。

特に注意したいのは「許可制」の場合。人事部に申請が必要なケースも多く、自己判断で始めるのはリスクが高いです。まずは就業規則を確認し、副業に関する条項をチェック。社内イントラや就業規則のコピー、総務担当者への問い合わせなどで確認を徹底しましょう。

黙って副業を始めるのではなく、ルールに則って進めることで、安心して活動ができます。

3．依頼元の信用性を見極める

最近では「闇バイト」など、怪しい案件も増えています。「即日現金」「高収入」「誰でも簡単」といった言葉は要注意。依頼元の情報が不明瞭な案件には、絶対に手を出さないようにしましょう。

まずは企業名や担当者の名前、所在地、連絡先の有無を確認。企業ホームページやSNSの活動履歴、口コミサイトなどで評判も調べましょう。違和感がある場合は、個人情報や履歴書を送る前に一旦立ち止まること。怪しいと感じたら、国民生活センターや厚労省の相談窓口に問い合わせるのも一つの手です。

安全性を見極める目を養うことが、副業を長く続けるための第一歩です。

4．“目的”を見失わない

なぜこの副業を選んだのか？ 　どんな自分になりたいのか？　を定期的に見直してみてください。方向性がズレてきたな…と思ったら、思い切って見直すことも大切です。

たとえば、「収入を増やしたい」「スキルアップしたい」「将来の独立に備えたい」など、目的は人それぞれ。月に一度自分に問いかける時間を作り、達成度を記録するのも効果的です。モチベーションが下がってきたときこそ、原点に立ち返るチャンス。目的とズレたタスクに追われて疲弊していないか、無理に受けすぎて生活に支障が出ていないか、自分を俯瞰することを習慣にしましょう。

やめることも「前進」のひとつ。あなたにとって意味のある副業を副業を始めたけれど、「思っていたより自分には合わなかった」「生活に無理が出てきた」と感じたら、やめる・切り替えるという選択も決して悪いことではありません。やめることは「失敗」ではなく、「経験の棚卸し」。次に進むための大事な一歩です。

副業は、取り組み方次第で収入だけでなく、人生そのものにプラスの影響を与えてくれる可能性があるもの。良い経験としていくためにも大切なのは、「どうやったら稼げるか？」ではなく、「自分にとって意味のある副業とは何か？」を考えることなのです。

迷いながらでも大丈夫です。自分のペースで、あなたらしい働き方を探していきましょう。私たちキャリアコンサルタントも、いつでもあなたを応援しています。

文：マイナビ転職編集部

【出典】
マイナビ転職「正社員の賃金不満と副業など年収アップの意識調査」( https://tenshoku.mynavi.jp/knowhow/careertrend/17/ )

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( https://tenshoku.mynavi.jp/ft/woman-job/?src=mtc )