ケガした競走馬はなぜ安楽死?「人間ができる一番の優しさ」カンニング竹山が語る
本日から、野村邦丸アナウンサーがお休みとなるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9〜13時) 4月28日の放送は、坂口愛美アナウンサーとお笑い芸人のカンニング竹山が登場。競走馬の安楽死をテーマにトークを繰り広げた。
坂口アナ「この時間は、各曜日のパートナーに最近の出来事ですとか今気になっていることなどを思う存分語っていただきますが、今日はどうしましょうか」
竹山「僕は非常に競馬が好きで、きのう、香港で大きなレースがあったんです。クイーンエリザベス2世カップというレースで、日本の馬が1位で勝ったのよ。それと同時に日本の『リバティアイランド』という女の子の馬で、桜花賞・オークス・秋華賞というのを取った牝馬三冠馬がゴール直前で怪我をしてしまい、そのまま亡くなったということがあったんです。
予後不良の診断で安楽死になったっていう。ジョッキーの川田さんもすごく大切にしていた馬で、川田さんが馬の顔に自分の顔をつけて泣いている写真がニュースに出ていますけど、多分ジョッキーはどういう怪我か分かるんですよね。
ということがあって、日本馬が優勝してすごく嬉しいんだけど、一方でこのリバティアイランドは「お嬢さん」って言われて人気もあって、いろんな思いを持った方が日本全国にいる女の子だったから、すごく悲しい思いをしてる方がいっぱいいます。
これについて競馬ファンだったら当たり前のように知ってることかもしれませんけど、競馬やらない人は結構「なんで安楽死を?」って思う人もいるんですね。安楽死ということは人間が手を加えて命を絶つ事だからね。なんで安楽死をさせなきゃいけないのか、愛美ちゃんは分かりますか?」
坂口「いや、私もなんでかなって思っていました」
竹山「って思いますよね。なんで殺さなきゃいけないの?って。実は馬にとって、人間ができることの一番の優しさが安楽死なんですよ。
なぜかというと、競走馬というのは、サラブレッドというのは足も細いよね。怪我の具合にもよるんだけどなかなか治りづらいんですよ。馬って4本の足で立ってなきゃいけないじゃない。怪我をすると立てなくなってくるよね。立てなくなってくると寝そべるよね。寝そべっちゃうと、正しくはないけど、こんなことだと思ってください。人間で言うと「床ずれ」ってあるじゃん。それを起こしちゃって。炎症みたいなのになるし、怪我したところも炎症を起こしたりして、いずれ苦しみながら亡くなることになるのよ。だから、この怪我は治るのが無理だってなった時は、その場で薬品を使って安楽死させちゃうのよ。これは非常に残念なんだけど、もう理解しないと、しょうがないことなんですよ。
今から40年前ぐらいかな『テンポイント』っていう国民的人気の馬がいたのよ。作家の寺山修司さんが詩を書いたり本を作ったりして、もう日本中がテンポイントファンって感じで。愛美ちゃん、『オグリキャップ』は分かるでしょう」
坂口「はい」
竹山「日本中が好きだったオグリキャップ。その前のオグリキャップみたいな馬がテンポイントなのよ。
まだ海外競馬が盛んでない頃、テンポイントがあまり強いから海外に行こうという時に、同じような怪我をしちゃって。でも、「テンポイントを殺さないでくれ」という世論が高まって、もちろん競馬関係者もそう。手紙とかそういうのもそうとう送られてきて。で、今までやったことないけど手術に賭けようって、ボルトを何本も入れて、でも立てないから馬を天井から吊って。それでもやっぱり炎症を起こして病気で亡くなっちゃったんですよね。
それ以来、医学はものすごく進化して、獣医学もめちゃくちゃ進化して、昔と比にならないぐらい進化してるんだけども、やっぱりこういう怪我になると、しょうがないっていうことになるんですよ。もちろん競馬関係者の人も、馬主さんも、調教師の人も、ジョッキーも、なんとかしたいってみんなすごい思ってると思うんだけど、こればっかりはね。理解しにくいんだけど、しょうがない」
坂口「しかも、診断が下ってから安楽死になるまで早いんですよね。ちょっと待ってというわけにはいかないんですよね」
竹山「待ったところで、でも答えはないから。僕も長年競馬が好きでずっと見てますけど、こういう事故がちょいちょいあります。いろいろ言う人もいるけど、誰が悪いわけでもないのよ。もうこれはしょうがないことだから。なかなか理解できないというか、僕もなかなか整理がつかなかったりしますけども、でも競走馬がそうなるっていうのは、競走馬のためにそういうの処置をとっていると言うことなんですよね」