建設現場の墜落・転落災害を減らす!AI安全帯不使用者検知システムとは?
9月16日放送の「L is B presents 現場DX研究所」(文化放送 毎週月曜日20:00~20:30)は、株式会社奥村組、ICT統括センターイノベーション部DX推進課長の廣瀬年彦氏と、ICT統括センターシステム部システム課長の瀬賀東吾氏をゲストに迎え、奥村組が力を入れるAI安全帯不使用者検知システム「KAKERU」について詳しくお話いただいた。
松井佐祐里アナ(パーソナリティ)「まずは、企業プロフィールをご紹介致します。株式会社奥村組は、1907年に創業した大阪市阿倍野区に本社を構える総合建設会社です。“堅実経営”“誠実施工”を信条に、社会から必要とされ続ける企業として、社業の発展を通じ広く社会に貢献するという経営理念のもと、土木・建築両事業に投資開発事業等を加えた総合インフラストラクチャー企業として、全国で事業を展開しています。働き方改革にも注力しており、生産性向上や業務効率化を目指したさまざまな取り組みを進めています」
L is B代表・横井太輔氏(パーソナリティ)「今取り組んでいるお仕事をそれぞれ教えてください」
株式会社奥村組ICT統括センターシステム部システム課長・瀬賀東吾氏「主な業務は奥村組のシステム開発、運用維持管理になります。それに加えて様々なクラウドサービスの導入にも携わっています。奥村組の基幹システムを中心にそれを取り巻くたくさんの業務アプリケーションが稼働しているのですが、これらのシステムの安定稼働に努めています」
株式会社奥村組ICT統括センターイノベーション部DX推進課長・廣瀬年彦氏「私は現場のデジタル化とDX推進が主な業務になります。大きくは三つに分かれていて、一つはICTツールの企画検証実行。具体的に言うと新しいツールを探してきて比較をして現場で検証してよければ他の現場にも広げていきます。二つ目がIoT、AI、ロボットなど先進技術の開発利用促進というところで、システムベンダーさんと共同開発をしたり、その開発技術の利用促進などが該当します。三つ目は、事業の競争優位性に繋がるシステムの導入推進です。現場の日常業務、例えば安全管理や品質管理を全社で利用するようなシステムを導入する推進が主な業務になってます」
松井「今、力を入れている取り組みの1つである、AI安全帯不使用者検知システム “KAKERU”について教えてください」
廣瀬「“KAKERU”は高所作業における安全帯の使用状況をAIがリアルタイムで判定するというシステムになってます。特徴は、カメラ映像からAIが使用状況を判定するという点と、通知する機能を持っている点です。仮に安全帯のフックをかけてない人がいた場合は、現場にパトランプを設置するのですがそれで警告ができるというのと、あとはその現場の管理者にもメールで映像転送できるので、極端な話、監視業務を自動化できるのが強みになってます」
松井「安全帯をかけ忘れちゃうことって、あるんですか?」
廣瀬「建設業って墜落・転落災害が全産業の中で一番多いんですけど、毎年亡くなってる方の約4割も墜落転落災害で亡くなってるというのは、おそらく安全帯を使ってないというのが、おそらく原因かと思われます」
松井「利用された現場の方の声はいかがですか?」
廣瀬「一番は抑止力の評価が高いです。一般的なカメラは見るだけなんですけど、その映像が残るのでやはり作業員の意識というのは向上していると思います」
横井「今後、“KAKERU”に期待することは、どんなことですか?」
廣瀬「“KAKERU”に関しては当社だけではなく建設業全体の課題を解決できるサービスだと考えてます。皆さんに利用していただいて、仮に墜落・転落災害をなくすことができれば、安全性の向上だけではなく、建設業の魅力であったり、価値の向上、3Kと呼ばれるきつい・汚い・危険の危険の脱却に繋がると思ってます。そのためには利用者の声を聞きながら、サービスをより良いものへと拡張していきたいと思ってます」