【格安イヤホン探訪】ダイソーのワイヤレスイヤホン（1000円）4製品を聞き比べてみた
2024年を振り返ると、私（佐藤）は数多くのイヤホンの音を聞く1年だったといえる。格安の有線イヤホンを40本以上聞き比べて、メーカーや製品の特徴を知ることができた。しかしながら、世間的な需要は有線よりも無線の方が高い。
そこで2025年は格安無線イヤホンの音に耳を傾けて行きたいと考えている。その手始めに「ダイソー」の税別1000円イヤホン4種の音を聞き比べてみることにした。
<!--more-->・1000円のワイヤレスが増えてる
100均ショップの無線イヤホンは、実はずいぶん前から気になっていた。とくにダイソーは同一価格の税別1000円の製品が日増しに増えていくので、音の違いをたしかめたかったのである。
有線がひと段落ついたところで4つの製品を購入して、それぞれ聞き比べてみることにした。そんなに違いはないんじゃないの？ それとも……。
・TWS003
まずひとつめが「TWS003」。USB Type-C充電で、連続再生時間約7.5時間（ケース使用時約22.5時間）。再生周波数帯域20～2万ヘルツ。箱に刻まれた売り文句は「リズム際立つ迫力重低音」である。
ケースとイヤホン本体、それにイヤーピース1組が付属している。
イヤホンの形状は一般的なタイプで、本体はやや細長。イヤーピースのサイズは記載がないが、おそらくMサイズで耳穴にピッタリとフィットする。
・DAISO_TWS_G273_4
続いてスケルトンタイプの「DAISO_TWS_G273_4」。USB Type-C充電で、連続再生時間は約5時間（ケース使用時約15時間）。再生周波数帯域は20～2万ヘルツ。
おしゃれな売り文句の記載はない。ちなみにこのモデルは以前、黒しかなかったが最近になって白も販売されるようになった。
ケースと本体のみで、そのほかの付属品はない。
形状はイヤーポッズタイプでイヤーピースはついていない。装着感は悪くないのだが、私はイヤーピースがあった方が耳に馴染むので、やや固い着け心地に若干抵抗がある。
・DG036-01
お次が「DG036-01」。USB Type-C充電で、連続再生時間は約8時間（ケース使用時約24時間）。再生周波数帯域は20～2万ヘルツ。箱に記載の売り文句は「臨場感ある迫力サウンド」である。
ケースと本体、それにイヤーピースが3サイズ付属している。
本体は耳穴に対して斜めに差し込む形状をしており、着け心地はしっくり来る。今回の4製品の中でもっとも磁石の力が強く、ケースを開けて逆さまにしても落ちないほど強力だった。
・BTTWSL1
最後に「BTTWSL1」。今どき珍しいmiro USB Type-b充電で、連続再生時間6時間。再生周波数帯域は20～2万ヘルツ。箱に記された売り文句は「美しい音が流れる6時間」である。
ケースと本体、それから充電ケーブルがついている。miro USBケーブルはすでにあまり見かけなくなってきているので、ケーブル付属じゃなかったら充電すらできないな。
形状はごく一般的なタイプで、着け心地はまずまず。
・聞き比べ
今回の検証材料は、日本を代表するハードロックバング「人間椅子」の楽曲「針の山」である。無線イヤホンの聞き比べは初めてなので、まず基準的な意味でアンカーの「Soundcore Liberty Air 2 Pro」で聞いてみよう。
このイヤホンは1万2980円（購入時）の製品なので、1000円イヤホンとは比べ物にならないが、まずこれで聞いて聞こえ方の基準を設けておきたかった。
で、この曲は人間椅子の初期の代表曲のひとつ。ライブの最後を飾る定番中の定番だ。「Budgie」のカバー曲であるものの、おどろおどろしい日本語詞と疾走感のあるリフが見事に調和しており、カバーを超えたカバーといっても良いくらいだ。
Soundcore Liberty Air 2 Proはダイナミックな曲の展開を漏れなく再現しており、脳裏にバンドメンバーの姿さえも想起される。有線イヤホンには劣るが、音の迫力はかなりのもの。さすが1万円越えの製品だけある。
1000円の1つめのTWS003で聞くと、音に霞（かすみ）がかかっているみたいだ。聞き始めの音量が低いから、霞んでいるのかと思ったが、音量を上げてもやっぱりかすんでいる。霞がデカくなった……。
次にDAISO_TWS_G273_4で聞くと、スタイリッシュな見た目に反して、音の切れは弱い。中音が潰れたように聞こえている。高音の抜けは先のTWS003よりも良いんだけど、いまいちスッキリしないかな。イヤーピースがないので、音を大きくすると音漏れしそう。
DG036は先の2製品とはまた違って、中音が強いタイプ。まるでラジオで音楽を聞いているみたいだ。味があるけど、カセットテープの音を聞いているような気持ちになる。
BTTWLS1は4種のなかで1番バランスが良いかも。低音がこもり気味で、音量は小さ目。それでも1番まともかもしれないな。
4製品を聞き比べた結果、BTTWLS1は「まあ買ってもいいかな」ってレベルで、それほど良い音に出会うことができなかった。これなら550円の有線イヤホンを買った方が、よほど音がいい。それをいったら、この検証自体に意味がなくなってしまうんだけどね……。
引き続き、格安無線イヤホンをリサーチして行きたいと思う。良い製品をご存知なら教えてください～！
参考リンク：ダイソー
執筆：佐藤英典
Photo：Rocketnews24