県高校総体前特集 サッカー男子(3) 信じた道を突き進む大分鶴崎 【大分県】
県高校総体まで1カ月を切った。新チームで最初の公式戦となった県高校新人大会を経て、4月に1年生が加わり、どのチームも熟成に余念がない。今企画では高円宮杯JFA U-18 OFAリーグ(1部)に参戦するチームを中心に現状と強化ポイントをチェックし、キャプテンに意気込みを聞いた。第3回は大分鶴崎。全国選手権出場の誇りを胸に、3年ぶりの頂点を目指す。
【昨年度の主な成績】
高円宮杯JFA U-18 OFAリーグ(1部) 2位
県高校新人大会 優勝
全国高校選手権県予選 優勝
県高校総体 ベスト8
昨冬の全国高校選手権に出場し、新チームでも県高校新人大会を制した大分鶴崎は、県高校総体で3年ぶりの優勝を目指している。現在は高円宮杯Uー18 OFAリーグ(1部)で好調な戦いを続け、着実に力を蓄えている。
OFAリーグは1試合90分だが、県総体では試合時間が35分ハーフに短縮されることを念頭に、首藤謙二監督は「先制点がカギを握る」と語る。短時間決戦の中、早い段階で試合を優位に進めるため、積極的な攻撃姿勢を貫く構えだ。チームには、最初から「ガンガン仕掛ける意識」が浸透している。
チームの強みは、3年生を中心とした勝利への執念である。全国大会を経験した選手たちは、「絶対に勝つ」というメンタリティーを下級生にも根付かせ、チーム全体に一体感を生み出している。昨年と比べサイドの推進力はやや劣るものの、中盤を起点に崩すパターンが増え、伝統のパスサッカーに厚みが増した。
中心を担うのはキャプテンの河野歩夢(3年)。高さと足下の技術を兼ね備え、ボールをキープするプレーで攻撃を活性化させる存在だ。さらに、両サイドバックの高野将大(同)、山本一晟(同)の存在も大きい。運動量と守備力に優れ、攻撃参加でもチームにアクセントを加える。トップには突破力のある山下紫凰(しおう・2年)を据え、決定力向上が勝敗を左右するポイントとなりそうだ。
課題は、チャンスで確実に仕留め切る力。好機をものにできるかがトーナメントを勝ち抜くカギとなる。首藤監督はPK戦も視野に入れた準備を進めるなど、細部への意識も高めている。積み上げてきたスタイルを信じ、先制点を奪い、3年ぶりの頂点を目指す。
伝統のパスサッカーに厚みが増した
主将が語る県総体のプラン
河野歩夢(3年)
司令塔 184cm、65kg、全所属チームは大分トリニータU―15
Q:県高校総体を終えてから、積み上げてきたものは何ですか?
あの時は新チームになったばかりで、ボールを保持できる時間帯も少なかった。でも今は、試合を通してしっかりポゼッションできるようになってきたし、ボール支配率もかなり高められていると思います。ボールを持っている中で、ちょっとしたミスから失点してしまうので、もっとワンプレーにこだわって、精度を上げないといけないです。
Q:県高校総体で勝ち上がるために必要なことは?
(相手が自陣で守備を固めることが想定され)中盤からのミドルシュートを増やしていこうとチームで共有しています。そこから相手が警戒してきたら、サイドを使う展開に切り替えていくイメージです。チャンスの数は多いので、あとはどれだけ決め切れるかだと思います。そこに尽きます。
Q:キャプテンとして、どんなプレーでチームに貢献したいですか?
アシストやゴール、数字で結果を出すことだと思っています。自分がしっかりチームを勝たせるプレーをする。大分県内で「誰が見ても一番うまい」と言われる選手になるのは当然。そのうえで、全国でも名前を知られる存在になりたいです。
(柚野真也)