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本場・長浜で10年修行! 富山で食べられる豚骨ラーメン【ラーメンたつや】麺やネギ、高菜まで福岡から取り寄せる本格派

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本場・長浜で10年修行! 富山で食べられる豚骨ラーメン【ラーメンたつや】麺やネギ、高菜まで福岡から取り寄せる本格派

白濁した豚骨スープに極細のストレート麺を合わせた福岡・長浜ラーメン。

競りなどで忙しく、食事に費やす時間もない魚市場の人たちに素早く提供できるよう、細麺でゆで時間を短縮したと言われ、麺がのびやすいため大盛りの代わりに「替え玉」が始まったのも長浜が発祥とされています。

 

富山では豚骨スープはあまり主流ではありませんが、それでも本格的な長浜ラーメンを食べられる店がいくつかあります。

今回は、本場で10年の修行を積んだという店主が作る長浜ラーメンの店を紹介します。

“富山にないラーメン”を目指し… 本場・長浜で10年修行

店の名前は「ラーメンたつや」。

 

富山市大沢野エリアの国道41号沿い、大沢野総合行政センターのすぐ近くに店を構えます。

黒い外壁には、シルバーで輝く「ラーメンたつや」の大きな文字が。

生成りの暖簾をくぐると、店内には小上がりとカウンター席があわせて約20席ほどあります。

 

「私、お客さんと話をするのが大好きなんです。ワンオペで目の届く範囲を考えるとこれが手一杯かなと

 

厨房を行き来しながら忙しく手を動かすのは、店主の石黒竜也さん。ひとりで店を切り盛りしていますが、慌ただしい中でも人懐っこい笑顔を見せてくれました。

高校卒業と同時にラーメンの道へ

店主の石黒さんは、富山市八尾町出身。

歴史ある曳山やおわらの伝統行事を受け継ぐ旧町に生まれ育ち、今も祭りをこよなく愛する石黒さんがどうしてラーメン店を始めたのかというと・・・

 

「とにかくラーメンが大好きで、中学生の頃、ラーメン屋になろうと思ったんです。どうせやるなら失敗してもいいから“富山にないラーメンを”と思って、高校生のとき、ひとりで福岡行って食べ歩きしてきました」(石黒さん)

 

自ら食べ歩きする中で「うまい!」と思ったラーメン店に直談判。高校卒業後、福岡・長浜で念願のラーメン店で修行を始めました。

その間もずっと、石黒さんは働きながら独自のラーメン作りの構想を練っていたと話します。

長浜での修行を終えたのは、約10年後。

故郷の八尾に近い大沢野エリアに店を構え、2025年で16年になります。

 

「長浜ラーメンといっても、スープの取り方はさまざま。働いていた店のいいとこ取りをしている、たつやオリジナルのスープです」(石黒さん)

麺や醤油、ネギも現地から調達 福岡の味

「たつや」で提供しているラーメンは、その食材のほとんどを福岡から取り寄せているんだそう。

 

「かえしに使う醤油は福岡のもので、甘いのが特徴」(石黒さん)

小皿に垂らして、醤油をなめさせてくれました。

確かに甘い。九州らしい甘い醤油です。

 

「この醤油じゃないと納得のいくスープにならないんです。具材がちょっと変わるだけでも違う味になりますからね(石黒さん)

徹底的に灰汁をとった“臭くない”豚骨スープ 

豚の頭骨でとったスープは、どろっとしたものではなく、少しとろみがある程度。

「大家さんに豚骨の臭いが漂うのは勘弁して、って言われて…。一発目のエキスはもったいないですが、捨ててます。灰汁とりもしっかりしてるんで、臭くないと思いますよ」(石黒さん)

 

レンゲにすくってみると白濁した豚骨がしっかりスープに溶け込んでいるのがわかりますが、飲んでみると意外にさらりとしています。

ほどよい脂のコクやまったりした濃厚さは、福岡糸島産の緑鮮やかなネギとの相性が抜群です。

麺の硬さも本場流 ナマ~ズンダレの6段階

麺もわざわざ福岡から取り寄せていますが、こだわりは食材だけではありません。

ゆで時間も長浜で学んだノウハウを活かし、ナマ・バリカタ・カタ・普通・ヤワ・ズンダレの6段階です。

 

「普通」のゆで時間は40秒。「バリカタ」だと、10秒。

せっかちな福岡の魚市場を相手に生まれたという短さもさることながら、極細麺の舌触りとのどごし、スープとの絡み具合は全国各地に大勢のファンがいる長浜のラーメンの誇りです。

ゆで時間「普通(40秒)」

チャーシューは豚骨スープに合うように、脂の少ないモモ肉。

しっかりと肉の食感があり、甘辛い味が満足感を誘います。

石黒さんが人一倍強いこだわりを見せるのが、長浜ラーメンには欠かせない辛子高菜です。

 

「福岡から漬物で取り寄せた高菜を塩出ししてから、たつや流に炒めて味付けしてます。辛めですけど、オススメです」(石黒さん)

 

店主が胸を張るのも納得の、口の中に強烈なインパクトを残す味わい。

スープの中に少し入れただけでまったく違う味わいになるので、量を調節しながら何通りもの味変を楽しめます。

 

しばらくすると辛さにもだんだん慣れてきます。ラーメンのトッピングとしてはもちろん、ビールのおつまみやごはんと一緒に…なんてのもオススメです。

「ラーメンは庶民の食べ物」 家族で楽しんでもらうために

「私が福岡で働いていたころは、子供たちが500円玉を握りしめてラーメン屋にやってきてたんですよ。ラーメンは庶民の食べ物。物価高騰しとるけど、値段もなるべくおさえていきたいと思って思ってます」(石黒さん)

 

ラーメンが大好きで、中学生の時にラーメン屋を志した石黒さん。家族で楽しんでもらえるラーメンや雰囲気づくりに余念がありません。

毎年10月頃はら福岡から取り寄せた具材も盛り込んだ「おでん」がスタートします。

 

「おでんでもつまみながら会話も楽しんでもらえたらいいなって。昼はあまり話もできないので、たつやの魅力は40%ぐらい。夜はお客さんと話しも楽しみながらやってて、たつや100%ですよ」(石黒さん)

福岡の話、ラーメンの話、八尾の祭りの話……。

石黒さんとの楽しい会話も存分に味わうなら、夜がオススメです。


【ラーメンたつや】
住所 富山県富山市高内387-4
営業時間 11:30~15:00(禁煙) 18:00~23:00 日・祝は11:30~22:00
定休日 木曜

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