デイサービスで仕事が覚えられない!|覚えるためのコツやメモの活用方法を解説!
本日のお悩み:デイサービスで仕事を覚えることができず悩んでいます
2ヶ月前から初めてデイサービスの仕事に就きました。
2ヶ月経ち、利用者さんの名前は覚えることができましたが、新人研修等もなかったため業務に関しては手探りで覚えています。また、メモを上手く取ることができず、わからないまま放置したことを後悔しています。 仕事を覚えられない自分にも非があるとは思いますが、周囲からきつく注意されることが不安でなかなか周囲にもわからない業務を聞けていない状況です。
准看護師としての資格をとり、介護職にやりがいを持って働きたいと思っているのですが、デイサービスの仕事は向いていないのでしょうか。
また、困ったとき誰に相談をすればよいのか、仕事を覚えるために何をすればよいのかなども教えてください。
デイサービスの仕事を覚えるのは難しい!
解決策を考える前に、前提として「デイサービスの仕事を覚えることは難しい」というのを念頭に置いておいてください。
理由としては、以下の通りです。
1.毎日利用者さんが変わるから
2.レクリエーションをやる必要があるから
3.忙しく、1日のスケジュールを覚えるのが大変だから
などのように、デイサービスというサービス形態の特性から、覚えることが多い、難しいと感じる人も多い職業であることは明らかです。
ー1.毎日利用者さんが変わるから
デイサービスは毎日異なる利用者さんが、通所してきます。
入所型の施設であれば、そこにいる人の顔と名前、必要な介助などを覚えればよいのですが、デイサービスでは、その日に覚えても、翌日はまた別の利用者さんがいらっしゃるということの繰り返しであるため、覚える難易度は高いです。
さらに、毎日来る人が異なるため、送迎の順番などもその日ごとに変わります。
ー2.レクリエーションをやる必要があるから
初めてデイサービスで働くとなると、おそらくレクリエーションに携わるのも初めての経験であると思います。
利用者さんたちに気を配りつつ、慣れないレクリエーションのルールを介護技術とは別に習得したり、実践したりすることは負担に感じる方も多いでしょう。
ー3.忙しく、1日のスケジュールを覚えるのが大変だから
デイサービスは1日の中でやることが多く、また先述したように通所してくる利用者さんも、日によって異なるため、目の前のことで手一杯になっていたら1日が終わっていたという日も多くあると思います。
そうなると、日々ルーティン化して実施しなければならないことはどの業務なのか、今日やったことは何があったかなどを整理する余裕もなくなってしまい、業務や1日の流れを覚えることが難しいと感じる方も多いでしょう。
◆デイサービスの業務を覚えるための工夫と心持が大切!
ここまでの解説でデイサービスの業務を覚えることは難しいと伝わったのではないかと思います。
しかし、だからといって覚える必要がないというわけではありません。
ここからは、覚えるためにできる工夫や心持について専門家の先生に解説いただきます!
まだ2ヶ月!どんどん聞き直し、仕事を覚えていきましょう!
執筆者/専門家
後藤 晴紀
https://mynavi-kaigo.jp/media/users/9
初めてのデイサービスでのお仕事、覚えることも多く、慌ただしい毎日ですよね。
新人研修も開催できないということは、それだけ育成に係る人員が確保できない状況なのでしょう。
業界全体が抱えている悩みでもあり、課題であると認識しています。
だからこそ、ご自身で行動を起こしていくことが必要ですね!
デイサービスの業務を覚えるために意識したいこと
自分から行動を…と言われても、働き始めて2ヶ月の今、何から手をつければよいか迷われると思います。
ですので、デイサービスの仕事を覚えるために意識してほしいことを3つお伝えします。
1.失敗を成長に繋げましょう
2.課題を明確にしたうえで、聞きやすい先輩に声をかけましょう
3.業務を覚える優先順位を意識しましょう
◆1.失敗を成長に繋げましょう
働き始めたばかりの今、失敗したことは次に違う選択をするための成功体験と捉えていきましょう!
失敗という経験なくして、成長もありませんからね。行動すれば、失敗が出て当然です。一度失敗をすると、その業務に対する注意力も増すと思います。
成長に繋げていくためにも、ご自身の「わからないことがわからない」といった状態から、「できること、どうしてもできないこと、わからないこと」などを分類する意識を持っていただくことがよいかと思います。
◆2.課題を明確にしたうえで、聞きやすい先輩に声をかけましょう
周囲から注意されることに不安を抱かれているとのことでしたが、まずは年齢が近い先輩や、似たような業務を行っている先輩など声をかけやすい先輩にわからないことを素直に聞いてみるのはいかがでしょうか。
忙しい介護現場では、質問をするということすらためらってしまう新人職員さんの話もよく聞きます。
業務中に声をかけづらいということであれば、終業時や休憩時間などに声をかけてみるのもよいでしょう。
ただし、あくまで先輩の時間をもらって質問をしているため、相談内容はまとめておけるとスムーズでしょう。課題が明確になっていない状況での漠然とした相談や質問は、相談をされた側も答えに困ってしまうばかりか、的確なアドバイスがもらえない可能性があります。
◆3. 業務を覚える優先順位を意識しましょう
また、すべての業務をできる限り早く覚えることはもちろん可能であれば大切です。しかし、キャパオーバーをしてしまい基礎基本から抜け落ちてしまっては元も子もありません。
そのため、業務を覚える優先順位を意識するようにしましょう。
私が考える優先順位は以下の通りです。
1.利用者さんの顔と名前の一致
2.業務の流れ
3.利用者さん個々の特徴
4.食事・入浴・排泄などの介護技術
まずはこれらを同時進行で覚えていきます。
特に2と4については、指導してくださる職員さんによって、方法がバラバラだったり、前日とは違う「こと」や「動き」を教えられてしまい、戸惑ったり、叱責されたりするなど、精神的にも疲弊されてしまっている時期と思います。
そのような戸惑いを軽減するためにも、メモを活用し、方法に迷った際や、異なる内容を教わり疑問に思った際には質問ができるようにしておけるとよいでしょう。
介護現場で仕事を覚えるために使える「メモ」の活用方法!
◆メモ活用法1:ご利用者さんについて整理する
メモ帳の各ページに利用者さんのお名前を記載してください。
そのページごとに、利用者さんの特徴や好きな話題、注意点、車いす使用や薬の服用状況など、特記事項を記載していくと、頭の中で整理しやすくなるかと思います。また、分からないときも、メモを見るだけですぐに様々な情報を思い出せます。
利用者さんとお話しされた会話の内容も記載してみると、さらに記憶にとどまりやすくなりますので、試してみてくださいね。メモを紛失して利用者さんに見られてしまうリスクもあるのでPCなどで電子保管をするのが好ましいかと思います。
◆メモ活用法2:業務の流れを振り返る
曜日ごとの業務の流れをメモ帳に書き出してみるのも効果的かと思います。業務中は都度メモをとることが難しくても、1日の終わりに今日あったことを思い出しながら書き出してみると、1日の反省もまとめて行うことができます。
また翌週以降も、実際に業務に就いてみて、ご自身が気づかれたことや先輩に教えていただいた細かな配慮などをそちらに追記していき、確認ができると復習にも繋がるでしょう。
曜日ごとに利用者さんの座席表などを作り、そこにポイントを追記していくのもまとめやすいかもしれませんね!
◆メモ活用法3:介護技術の注意事項を振り返る
介護技術については、「入浴介助・食事介助・排泄介助」に分けてページを作成し、大分類として注意事項を記載してみてください。
たとえば、食事介助の場合、「足底がきちんと床についていること」「座席には深く座っていただくこと」「顎が引かれていること」「メニューの説明をして、覚醒状態を確認する」などです。
その注意事項が増えれば増えるほど、質問者さんの知識が増えていきます。
その次に、中分類として、一部介助の方、全介助の方の注意点を記載していかれるとよいかと思います。
一部介助の方であれば、「覚醒状態が良好な場合はスプーンを持っていただき、自力摂取を促してみる」とか、全介助の方であれば、「食事の食べる順番や一口の量をご利用者ごとに把握する」などです。排泄介助や入浴介助についても、同じように記載していくと良いかと思います。
最後に、なぜそのような注意点が必要なのかを自分なりに考え、その根拠が正しいのか間違っているのか、答え合わせを先輩方に聞いてみると、覚えるスピードもあがっていくと思います。
最後に:「なぜ?」という気持ちを大切に!
質問の方法が、「わからないから教えてほしいという」一方的な伝え方から、「自分はこう考えたが、その考えが正しいのか不安」というように、自分の考えも伝えたうえで相談や質問ができるようになると、教える側も答えやすく、明確に説明することができると思います。注意点の多くは、安全配慮を怠らないための事項が多いと思いますので、たくさん考え、たくさん疑問を持ってください。
その「なぜ?」が、ご質問者さんの力になっていきます。実践することができるようになるまでは大変であると思いますが、繰り返す中で、物事の根拠を考える習慣をつけ、ご自身の判断基準も磨いていきましょう!応援しています!
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