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スキルアップで戦略的に年収を上げる方法とは? スキルを伸ばすための4つのステップも解説

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「スキルアップしているはずなのに、なかなか年収が上がらない……」このような疑問は、多くの方が抱えているのではないでしょうか。

確かに、スキルアップは年収アップの鍵となります。しかし、その効果が表れるまでには地道な積み重ねが必要で、闇雲にスキルを積み上げるだけでは十分ではありません。

まず、そもそもどのようなスキルを学べば良いのか。そして、習得したスキルをどのように年収アップにつなげればいいのかを理解する必要があり、更に年収アップを実現するためには、戦略的なアプローチが不可欠です。

本記事では、スキルアップを年収アップにつなげる方法と、効果的にスキルを伸ばすステップなどを解説します。

自身のキャリアゴールを明確にし、現在の市場ニーズを理解したうえで、どのようなスキルを習得すべきか。そして、獲得したスキルをどのように生かし、高い評価を得ていくか。

これらの要点を押さえることで、戦略的に学び、着実に年収を上げられるキャリア構築が可能になるでしょう。

<INDEX>
スキルアップは2つのタイプに分けられる
スキルアップを年収アップにつなげる2つの方法
スキルアップが着実に進む4つのステップ
スキルアップの前提となる「適職」の視点
まとめ

スキルアップは2つのタイプに分けられる

スキルアップとは、現在の仕事での能力を高めるために、新しいスキルを学んだり既存のスキルを磨いたりすることです。
スキルアップには大きく分けて「アップスキリング」と「リスキリング」の2つがあります。

アップスキリングとリスキリングの違い

アップスキリングとは、現在の仕事に関連する新しいスキルを学んだり、既存のスキルを向上させたりするプロセスです。例えば、法人営業担当者が、営業管理ツールの使用方法に精通したり、より高度な交渉スキルやプレゼンテーションスキルを習得したりすることがこれにあたります。一方、リスキリングは、異なる仕事やキャリアパスのために新しいスキルを学ぶことを指します。例えば、法人営業の経験がある方がBtoBマーケティンの担当者になるために、デジタルマーケティングの戦略立案、コンテンツマーケティング、マーケティングオートメーションツールの活用法、そしてデータ分析スキルなどを学ぶ場合がこれにあたります。

スキルアップが生み出す3つのメリット

業務の生産性向上
効率的な作業方法や最新のツールの活用法習得により、同じ時間でより多くの成果を出せるようになります。
例えば、マーケティング担当者がデータ分析ツールの使用スキルを向上させれば、従来1週間かかっていた市場調査レポートの作成が2日で完成させることも可能になるかもしれません。これにより、戦略立案のための時間をより多く確保でき、質の高い提案ができるようになるでしょう。

売上増加への貢献
新しいスキルを活用することで新たな付加価値を生み出し、結果として売上への貢献ができるようになります。
例えば、営業担当者がデジタルマーケティングの知識を学習することで、顧客のオンライン戦略に関する具体的な提案ができる期待が高まります。その結果、年間の新規契約獲得数が増加し、部署の売上目標達成に大きく貢献する可能性があります。

コスト削減への貢献
効率的な業務遂行や問題解決能力の向上により、会社のコスト削減に貢献できます。
例えば、製造部門のエンジニアが生産プロセス最適化のスキルを習得することで、生産ラインの非効率の要因を特定し、改善できるかもしれません。これにより、年間の製造コスト削減が期待できます。

スキルアップを年収アップにつなげる2つの方法

スキルアップが年収アップにつながるケースは、主に2つのパターンがあります。人事評価での高評価の獲得と、より良い条件で転職することです。それぞれについて詳しく見ていきましょう。

人事評価での高評価の獲得方法

スキルアップが仕事のパフォーマンス向上や業績アップにつながった場合、人事評価でより良い評価を受ける可能性が高くなります。
結果的に、評価が賃金で還元される企業の場合、昇給やボーナスの増額、更には、管理職に昇進するチャンスも広がるでしょう。
スキルアップを生かして人事評価で高評価を得るために、以下のポイントは押さえておきましょう。


•評価項目と各項目の重み付けを確認する
•評価基準を詳細に把握する
•自社の給与レンジと求められる役割を把握する

人事評価制度の中で分からない部分がある場合は、人事部門や上司に直接確認しましょう。どのようなスキルアップが評価につながるかをより正確に理解することが、スキルアップの第一歩といえます。また、自分の目標だけでなく、評価者である部門の目標達成に貢献する目標を設定する視点も重要です。


•部門の目標を数字も含めて理解する
•自分の目標が部門の目標達成にどのように貢献するかを明確にする
•上司と定期的にコミュニケーションを取り、目標の整合性を確認する

より良い条件で転職する方法

スキルアップによる昇給や昇進のみならず、転職によって自身のスキルを評価してもらうことで年収アップにつながるケースがあります。

例として、法人営業職として働くBさんのケースで考えてみましょう。

Bさんは、通常の営業業務に加えてデータ分析の基本的な手法を学び、顧客データの分析スキルを磨きました。具体的には、過去の取引データを整理し、顧客の購買パターンを視覚化することで、より深い顧客理解を得ることができるようになりました。

その結果、受注率の高い顧客セグメントを導き出し、そこに新規商談獲得の施策を集中させることで、チーム全体の成約率を15%上げるという成果を出しました。さらに、受注できなかった案件のデータを詳細に分析し、受注できなかったパターンを特定。この分析結果をもとに営業アプローチの改善策を立案・実行し、特に大型案件での受注率を20%上げることに貢献したのです。

このように、ニーズの高いスキルの獲得、それに伴う実績は、転職市場において高く評価されます。実際に転職活動を行った場合には、データを活用した営業戦略を展開したい企業から、現在の年収よりも高い条件でオファーを受けられるかもしれません。

スキルアップが自身や事業の成果に貢献しており、応募企業のニーズにマッチしていれば、職務経歴書でアピールできる要素が充実してきます。例に挙げたようなデータ分析を活用した具体的な数値目標の達成率や、新しい営業戦略プロジェクトでの成功事例、データ分析のスキルを活用して課題解決に取り組んだ経験など、転職市場で評価される実績を積み重ねていきましょう。

これらの実績は、転職時の交渉力、ひいてはより良い条件での転職につながる可能性を高めてくれます。

スキルアップが着実に進む4つのステップ

効果的にスキルアップを進めるためには、計画的なアプローチが必要です。以下の4つのステップを踏むことで、着実にスキルアップを実現し、年収アップにつなげることができます。

スキルアップの目的と目標を明確にする

キャリアプランと目標設定は、効果的なスキルアップの基盤となります。短期・中期・長期の目標を設定することで、一貫性のあるスキルアップ戦略を立てることができます。

具体的な目標設定例 (マーケティング職の場合)


•短期目標(1年後) 「デジタルマーケティングの基礎を理解し、業務設計をひと通りできるようにする。」
•中期目標(3年後) 「マネジメントを学び、デジタルマーケティングチームのリーダーになる」
•長期目標(5年後) 「リーダーとして一定の成果を残し、マーケティング部門の部長として全社的な戦略立案に携わる」

これらの目標は、SMART(具体的、測定可能、達成可能、関連性のある、期限のある)のフレームワークに従って設定すると効果的です。

現状の自分が持つ経験や知識・技術を把握する

自己評価とスキルの棚卸しは、現在地を把握し、今後の方向性を定めるために重要です。それには、ポータブルスキルとテクニカルスキルを区別して評価することが有効です。

ポータブルスキルとは
ポータブルスキルは、職種や業界を問わず広く活用できる汎用的な基礎能力を指します。具体的には、コミュニケーション能力、リーダーシップ、問題解決能力などが該当します。

ポータブルスキルの客観的な評価には、厚生労働省が提供する「ポータブルスキル見える化ツール(職業能力診断ツール)」が便利です。このツールを活用すれば、自身のポータブルスキルを可視化し、キャリア開発に生かすことができます。

テクニカルスキルとは
テクニカルスキルは、特定の職種や業種・業界で求められる専門的な能力を指します。例えば、財務分析、専門性の高い知識、ツールの操作能力などが挙げられます。これらのスキルは、職務遂行上の専門性や効率性を高めるうえで不可欠です。

テクニカルスキルを客観的に把握し、効果的に表現する方法として、STAR(Situation Task Action Result)というフレームワークがあります。

STARフレームを用いて過去の経験を構造化して振り返ることで、自身のテクニカルスキルをより具体的かつ客観的に評価し表現できます。

STARフレームワークは、4つの要素で構成されます。


•Situation(状況):直面した具体的な状況や課題を説明します。
•Task(タスク):その状況下で、あなたが担当した具体的な役割や目標を述べます。
•Action(行動):目標達成のためにとった具体的な行動を詳しく説明します。
•Result(結果):その行動によって得られた具体的な成果や学びを示します。

強化・習得したいスキルを特定する

スキルを身に付ける方向性として、主に以下の2つが挙げられます。

個人の目標達成に直結するスキルを強化する

個人の目標達成のためには、現在の職務において即座に成果を出せるスキルを優先的に強化することが重要です。これらのスキルは、日々の業務パフォーマンスを向上させ、短期的な評価アップにつながります。

<例>


•営業職:交渉スキル、プレゼンテーションスキル
•マーケティング職:データ分析スキル、コンテンツ制作スキル
•エンジニア:特定のプログラミング言語、問題解決力

スキルの掛け算を意識し、新しい専門性を獲得する

複数のスキルを組み合わせれば市場価値を高められます。異なる分野のスキルを掛け合わせ、独自の強みを作り出しましょう。

<例>


•「財務分析」と「事業戦略立案」両方のスキルを持つ経理担当者
•「プログラミングスキル」と「デザインスキル」を併せ持つフロントエンドエンジニア
•「マーケティングスキル」と「心理学の知識」を持つコンテンツマーケター

このような複合的なスキルの組み合わせは、特定の問題解決に強みを発揮し、転職において他の候補者との差別化が図れます。ただし、いずれも年収アップにつなげるためには「市場価値の高いスキル」であることが重要です。「年収が高い業界で通用するスキルか」「今後、企業のニーズが増す、希少価値の高い人材になれるスキルか」という視点も忘れずに、戦略的に習得するスキルを選択しましょう。

自分に合ったスキルアップを実践する

スキルアップにはさまざまな手段があり、それぞれメリットとデメリットがあります。自分の学習スタイルや目標に合わせて、適切な手段を講じましょう。

研修・講座


•メリット:体系的な学習が可能、講師から直接指導を受けられる
•デメリット:コストがかかる、スケジュールの制約がある

新しい分野に集中的に取り組みたい場合や、受講生同士で切磋琢磨して学びたい方に適しています。

書籍


•メリット:低コストでインターネット環境がないところでも学習可能
•デメリット:あくまでも知識のインプットであり、実践的なスキルの習得には限界がある

基礎知識を体系的に学びたい場合や、じっくりと深く理解したい場合に適しています。自己学習の習慣がある人にもお勧めです。

オンラインセミナー・eラーニング


•メリット:インターネット環境があれば、自宅から受講が可能、比較的低コスト
•デメリット:継続には自己管理が必要

忙しい社会人や、遠隔地にいる人が最新のスキルを学びたい場合に適しています。自分のペースで学習を進めたい人に有効です。

資格取得


•メリット:客観的な指標となる、体系的な知識の習得ができる
•デメリット:取得に時間とコストがかかる、実務スキルとの乖離がある場合も

キャリアアップや転職を考えている人、または特定の業界で認知度の高い資格が必要な場合に適しています。自身のスキルを客観的に証明したい場合にも効果的です。

副業の開始


•メリット:実践的なスキル習得ができる、新たなネットワークが構築できる
•デメリット:時間管理が難しい、本業との両立に注意が必要

実践的なスキルを身に付けたい場合や、将来の独立を視野に入れている場合に適しています。現在の仕事とは異なる分野でのスキルアップを目指したい人にも有効です。

異動希望の提出や社内公募制度の活用


•メリット:社内で新しいスキルが習得できる、キャリアの幅が広げられる
•デメリット:環境が変わるため一時的にパフォーマンスが低下する可能性がある、希望する部署に異動できるとは限らない

社内の他部署の業務を理解し、幅広いスキルを身に付けたい場合に適しています。将来的に管理職を目指す人にとっても有効な手段です。
個人の学習スタイル、時間の制約などを考慮しながら、自分に合った方法を選択することが重要です。

スキルアップの前提となる「適職」の視点

スキルアップと年収アップの関係を考えるうえで必要なのは、まず自分の適性や強みを正確に把握することです。自分の強みを最大限に生かせる職種こそが適職であり、その環境で力を発揮することができれば、スキルアップと年収アップにつながります。

現在の職種や環境が自分にマッチしていない場合、スキルアップに努めても十分な結果が出ず、年収アップにつながりにくい傾向があります。

適職の見極め方

一般的な適職の見極め方には、以下のような3つのアプローチがあります。


•自己分析:自分の興味・関心、価値観、スキル、強みを言語化します。
•職業研究:さまざまな職種や業界について情報を集め、各職種で必要とされるスキルや資質を理解します。
•フィードバックを生かす:信頼できる職場の同僚や上司から、あなたの強みや弱み、適性について意見をもらいます。

これらのアプローチを試しても、なかなか自分に合う仕事が見つからない場合もあります。そんな時は、適職診断ツールを活用するのも一つの方法です。
適職診断ツールの結果を参考にしつつ、実際の仕事経験や他者からのフィードバックも組み合わせることで、より確かな適職の見極めができるでしょう。

適職診断 ‐適職をディグる!ジョブリシャス診断‐ | 適職診断はマイナビ転職( https://tenshoku.mynavi.jp/opt/joblicious//?src=mtc )

まとめ

スキルアップを年収アップにつなげるには、計画的なアプローチが必要です。

まずは、アップスキリングとリスキリングというスキルアップの種類を理解し、意識的にスキル向上を図りましょう。そのうえで現職で高い評価を得るか、転職するかを慎重に検討し行動することで、年収アップを実現できる可能性が高まります。

最も大切なのは、目的から逆算して何を身に付けるべきかを考えること。AI活用により今後ニーズが減っていくであろうスキルや、年収アップに結びつきづらい仕事のスキルを習得したとしても、望んだ成果を得ることは難しいでしょう。年収アップを叶えるためには、キャリアの目標を立て、そこから必要なスキルを見極めていくアプローチが効果的です。

キャリアは長い道のりですから、焦らず、自分なりのペースで着実に前進しましょう。スキルアップを通じて、あなたのキャリアの可能性は大きく広がっていくはずです。

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