TVアニメ『ゲーセン少女と異文化交流』キャストリレーインタビュー第2回:草壁葵衣役 小山内怜央さん|“ツッコミ上手”の葵衣からキャラを生かすボケとツッコミを学んだ
7月より放送がスタートした『ゲーセン少女と異文化交流』。イギリスからやってきたリリー・ベイカーと、ゲームセンターの店員・草壁蓮司の交流がどんどん深まる中、第4話ではリリーに思わぬライバルが出現!? ゲーセンを舞台に繰り広げられるコミカルでかわいらしい“異文化交流”がますます賑やかに!
本作をもっと楽しみたい方のために、アニメイトタイムズではキャスト陣によるリレーインタビューを実施中です。第2回は、蓮司の妹・草壁葵衣(あおい)を演じる小山内怜央さんが登場。リリーのよき友達であり、鋭いツッコミ役である葵衣にどう向き合っているのかをうかがいました。
【写真】『ゲーセン少女』小山内怜央インタビュー【連載第2回】
同じ状況に置かれたら、私もきっとリリーちゃんに声をかけていたと思います
──『ゲーセン少女と異文化交流』の原作に触れたときの印象はいかがでしたか?
小山内怜央さん(以下、小山内):とてもリアルな空気感のある作品だなと思いました。リリーちゃんが蓮司に対してどんなときに照れたり恥ずかしがったりするのか、そういった心の動きが細やかに描かれているんです。たとえば「今日の服、あんまりかわいくないから会いたくない」という描写。年齢や国が違っても恋する女の子の気持ちは同じなんだなと思いましたし、ずっと「かわいいなぁ!」と思いながら読んでいました。
──そういったリリーのかわいらしさや恋愛感情と、ゲーセンという舞台がうまく交差しているのが面白いですよね。
小山内:どのキャラクターも国や文化を超えて、自然に交流できているところが素敵だなと思いました。海外育ちのリリーちゃんに、ゲーセンという日本らしい文化……設定としてはてんこ盛りなはずなのに、それが違和感なく融合しているのも魅力的です。
──小山内さん演じる葵衣の第一印象はいかがでしたか?
小山内:蓮司に“お節介”と言われているように、かなり世話焼きなタイプです。私自身もお節介なところがあるので、日本に慣れていないリリーちゃんを見て助けてあげたくなる気持ちもよくわかりました。しかもリリーちゃんがかわいいので、「こんなにかわいいリリーちゃんだったら、いろいろ口出ししたくなっちゃうよな~」って(笑)。原作を読ませていただいたときも、リリーちゃんのかわいらしさに真っ先に心を奪われました。
──リリーには母性本能ではなく、“お姉さん本能”をくすぐる何かがあるのかもしれないですね(笑)。
小山内:わかります! リリーちゃんはゲームがうまくできなかったり、困っていたりすると、誰もが助けてあげたくなっちゃうタイプ。自然とこの子を助けたいと思わせる魅力があって、それが彼女のチャームポイントなんだなと思います。
──小山内さんはご自身を“お節介”とおっしゃっていましたが、小山内さんも初対面の人に積極的に話しかけられるタイプなんですか?
小山内:必要であればいけるタイプです。普段はわりと控えめなほうかもしれませんが、同じ状況に置かれたら、私もきっとリリーちゃんに声をかけていたと思います。もちろん緊張はしますが、相手が大統領とかじゃなければ大丈夫かなと(笑)。ただ、葵衣はもっとグイグイいけるタイプだと思うので、見習うべきところがたくさんあります。
──確かに葵衣はリリーとすぐに仲良くなって、すぐに遊び友達になりましたよね。
小山内:第3話の段階で自宅に呼んで勉強会をしているので、「距離の詰め方、早っ!」って驚きました。コミュニケーション能力が本当に高いんだと思います。
──葵衣はツッコミ役としても大活躍していますよね。
小山内:リリーちゃんや蓮司を見て、「これ、ツッコみたくなるよな~」という場面で自然と彼女がツッコミを入れてくれるんです。こちら側の心境とツッコミのタイミングがぴったりなので、いつも以心伝心しているなと感じます。
ただ、とにかくツッコミのバリエーションが多いので、演じるのはかなり苦労しました。演じているうちに自分のレパートリーが尽きかけてしまって……。どうしようもなくなったときに、音響監督のえびな(やすのり)さんが、状況や場面に沿って、ツッコミに込められた感情やそのニュアンスを説明してくださったんです。ただ「面白くツッコんで」ではなく、具体的に教えていただけて本当に助かりました。
──ツッコミにもバリエーションが必要なんですね。
小山内:そうなんです。相手によってツッコミの温度やトーンが変わるので。たとえば、ちょっと変な行動をした相手に引きながらツッコミを入れるシーンでは、 “軽く呆れる”のか、“ドン引きする”のかで、相手の印象が変わってしまうんです。蓮司役の千葉(翔也)さんからも、「引きすぎると相手が悪く見えるときがあるんだよ」とアドバイスをいただいて、リアクションひとつでボケとツッコミ両方の印象が変わるんだと意識するようになりました。
──ツッコミ、奥が深いですね!
小山内:私はどちらかというと、普段はボケたいタイプなので(笑)、最初の頃は「葵衣ちゃん役、ちゃんとハマるかな……寒くならないかな……」とちょっと不安でした。実際に難しかったので、もっとツッコミの幅を広げていけたらと思っています!
──リリーとの会話は、リリーは英語、葵衣は日本語でやりとりをしていますが、日本語同士の掛け合いとはやはり違うものなんですか?
小山内:そうですね。葵衣は難しい単語でもニュアンスで理解して反応する子なので、私も天城さんのお芝居のニュアンスやテンション、声のトーンから「これはポジティブな内容かな」「これは怒ってるのかも」と読み取って演じていました。最初は英語というだけで身構えていましたが、ちゃんと耳を傾ければ感情って伝わってくるんです。葵衣がそれをやっているので、私も自然とそうなっていたのかもしれません。
いつかどこかで『ゲーセン少女』ファンの皆さんの前で歌ってみたいです!
──第4話では、リリーが桃子に対して「私は彼とデートもしたし、家にも行ったわ!」と英語でまくしたてるシーンがありました。葵衣はその言葉を咄嗟に理解していましたよね。
小山内:しかも意図を汲み取ったうえで、あえてちゃんと通訳せず、丸く収まるように桃子さんに伝えるんです。短期間で理解できるようになるほど賢くて、なんて気の利く子なんだって、演じながら感心していました。
──その第4話は、桃子が登場したことで非常に賑やかなエピソードとなりました。
小山内:第4話は、恋愛面でいちばん火花が散った話数でした。だからこそ、リリーちゃんと葵衣の絆が深まり、リリーちゃんと桃子さんも仲良くなれた。後半にかけてキャラクター同士の関係性がより深まっていくための大切なイベントだったなと思います。
──では、小山内さんからご覧になった蓮司の魅力についてはいかがでしょう?
小山内:蓮司には“人たらし”のような魅力があると思っています。誰にでも手を差し伸べられるし、どことなく頼られている。それも面倒見がいい、お節介なところがあるからなんです。葵衣はそういう蓮司の背中を見て育ったので、人との関わり方も似てきているのかなと思います。
──桃子と知り合ったのも、彼が手助けしたことがきっかけでしたね。
小山内:そうなんです。だから、蓮司の優しさは恋愛的なものではないと思ったほうがいいんです(笑)。でも、いい人だからついつい惹かれちゃうんでしょうね。
──兄妹のやりとりについてはいかがでしたか?
小山内:あまり妹役を演じたことがなかったので、千葉さんが見せてくださるお兄ちゃんのお芝居にすごく助けられました。蓮司は、リリーやゲーセンの仲間に対する接し方と、妹の葵衣に対する態度が違うんです。葵衣に対してはどこか遠慮がないというか。それがとてもリアルで、「確かに兄妹ってこういう関係だよね」と気づかされましたし、とても勉強になりました。
──お芝居で引っ張ってもらえた、と。
小山内:はい。とても受け止めやすいお芝居を投げかけてくださるので、現場経験がそれほど多くない私としては、本当に助けられましたし、安心感がありました。
──そして、葵衣は “店員さん”が蓮司だと気づけるのでしょうか……。
小山内:店員さんのリリーちゃんへの接し方を見ているうちに、「見た目はチャラいけど、実は意外といい人なのかも?」という印象を持ち始めました。そこは「蓮司、さすがだな」と思いつつ、第2話で蓮司がリリーちゃんに告白した店員さんだったら縁を切るとまで言っていたので(笑)、蓮司から明かしてくれることはもうないと思うんです。なので、どんな形で正体を知るのか、そのときお互いにどんな反応をするのか、ぜひ楽しみにしていただきたいです。
──ところで、小山内さんは天城さんと一緒にOPテーマを歌われています。こちらの楽曲を歌唱された感想はいかがですか?
小山内:合いの手も入った、とてもかわいらしくテンションの高い楽曲です。リリーちゃんと葵衣がカラオケで熱唱しているようなイメージが浮かんだので、その楽しさをそのまま持っていってレコーディングしました。マイク前なのであまり動きすぎてはいけないのですが、つい身振り手振りが入ってしまったくらいです。
──合いの手を入れるのも楽しそうで、これは絶対に生で聴きたいです!
小山内:私もいつかどこかで『ゲーセン少女』ファンの皆さんの前で歌ってみたいです! 絶対に盛り上がると思います。
──そして、皆さんに共通でうかがっているのですが、何かゲームセンターの思い出を教えていただけますか?
小山内:中学生の頃は毎週末のように通っていました。田舎だったので遊ぶ場所が限られていて、ゲーセンくらいしか遊ぶところがなかったんです。友達とプリントシールを撮って、そのあとカフェでお茶して帰るというのが定番で。他校の友達とも交流があり、まさに青春の場になっていました。
──クレーンゲームなどはやっていましたか?
小山内:当時はお小遣いの都合もあって、プリントシールとカフェでいっぱいいっぱいでした。クレーンゲームは大人になってからですね。上京してから、おみくじ代わりに“運試し”としてやることが多いです。ついついお金を使ってしまうことがあり、それでも取れないことが多いのですが(笑)、その悔しさも含めて楽しんでいます。
──では最後に、第5話以降の注目ポイントを教えてください。
小山内:葵衣の視点になってしまいますが、リリーちゃんは本当に表情豊かで、感情表現も多彩です。ヒロインなのに「そんな顔して大丈夫!?」みたいな表情をすることもあって、それがすごくかわいいんです。リリーちゃんのリアクションが作品最大の魅力だと思うので、あえて注目ポイントをオススメしなくても自然と楽しんでいただけると思います。今後登場するキャラクターも個性が強く、より画面も賑やかになっていくので、ご期待ください!