老舗喫茶店の面影が色濃く残る、天神地下の喫茶店「cafeコットン」【福岡市中央区】
いつの時代でも「カフェ」という存在は人々をトリコにします。近年のSNS人気も相まって、おしゃれなカフェ巡りを楽しむ女性も多い中、脚光を浴びているのが「昭和レトロな喫茶店」や「ネオ喫茶」と呼ばれるお店。中年以上の方はノスタルジックを感じ、若者にとってはおしゃれなカフェにないレトロ感が斬新だと感じるんだそうです。この記事では福岡にあるそんな「昭和レトロを感じられる喫茶店」や「ネオ喫茶」をご紹介していきたいと思います。
天神ビル地下のレトロな商店街「天神よかまち」の一角にある「cafeコットン」
今回ご紹介する「cafeコットン」の場所は、福岡市中央区天神2丁目。
昭和通りと明治通りの間にある「天神ビル」の地下にあります。
天神ビルは1960年に竣工した地下3階・地上11階建てのビル。
今年でなんと築65年になるんだそうです!
「天神ビッグバン」で近隣ビルの建て替え工事が着々と進行している中、この天神ビルは昔と変わらないレトロなビジュアルのまま佇んでいます。
そんな天神ビルの南側にまわると、地下商店街「天神よかまち」への入り口があります。
そのまま階段を降りていくと・・・
数店舗の飲食店が連なる「天神よかまち」の一角に「cafeコットン」を見つけました。
入り口ドア上にはシーグラスアートの看板があり、なんとも良い味わいを醸し出しています。
ドア横のショーケースには年代物のカップや抽出器具が並びます。
店頭には手書きのメニューボードもあります。
手作りスイーツが気になりますね。メニューをチェックして、いざ店内へ!
旧店舗の雰囲気を引き継いだ、クラシカルな雰囲気が漂う店内空間
後述しますが、この「cafeコットン」は元々この場所で40年ほど営業していた喫茶店の跡地に開業されました。
イスやテーブルは新しく入れ替えたそうですが、他はほとんど手を加えていないそうです。
椅子はイギリスのヴィンテージチェアを採用。クラシカルな形がレトロな雰囲気にマッチしています。
壁面に飾られているのはオーナー夫妻お気に入りの版画アートです。
年季の入った一枚板のカウンター。
その形状や膝元のタイルといった造作に、古き良き時代の喫茶店の面影を感じられます。
棚にズラリと並んだ絵皿はロイヤルコペンハーゲンのイヤープレート。
オーナー夫妻の記念の年の年号が記された絵皿を、長年コツコツと買い集めてきたものなんだとか。
「cafeコットン」誕生にいたるまで
オーナーの藤原美保さん(右)と敦さんご夫妻。お揃いのハンチングとエプロンがお似合いです!
元々、この場所には「麻里邑 (マリムラ)」という喫茶店が40年ほど営業をしており、cafeコットンのオーナー・藤原美保さんもお客さんとして通っていたんだそうです。
しかし2020年3月、ちょうど新型コロナウイルスが広がりを見せる中、「麻里邑 」は40年の歴史に幕を下ろすことになりました。
前年の2019年に勤めていた会社を退職し、自ら喫茶店をはじめようと準備をしていた藤原美保さんが「麻里邑 」閉店の話を聞きつけて店主さんと話をし、「お店の雰囲気をできるだけ変えないこと」を条件に居抜きで譲り受けることに。
それから5ヶ月後の2020年8月、屋号を「cafeコットン」としてオープンされました。
オープン当初は美保さんと娘さんの二人で営業をされていましたが、2年後の2022年からは夫の敦さんが娘さんと入れ替わる形で入店され、現在はご夫婦をメインにお店を切り盛りされています。
ちなみに「cafeコットン」という屋号に決めたのは、いろんなネーミングを考えていた中で、たまたま自宅にあった私物のガラスアートに書いてあった「cotton」という文字を見つけ、それにヒントを得たことから。
「お店をはじめる時、屋号は『ン』という文字で終わるのが縁起が良い」という言い伝えもあって名付けたんだそうです。
店名の由来となったガラスアートは店内の棚に飾られており、お店のロゴにもなっています。
体にやさしい、手作りのメニューたち
フードメニューは看板商品の「焼きチーズカレー」「絶品チーズハンバーグ」の2トップをはじめ、フレンチトーストやハニートーストなどのライトミール、ケーキやパフェなどのスイーツ、アルコールまでバリエーション豊かな構成となっています。
メニューはいずれもできるだけ体にやさしく、手作りを心がけているそうですよ。
また、火曜日と金曜日限定でランチメニューも提供中。
「スパイスキーマカレー」か「煮込みハンバーグ」の2種類がオーダーできます。
但し、どちらも限定15食なので、食べてみたい!という方は早めの来店が良さそうです。
今回は人気No.1メニューの「焼きチーズカレー」をオーダーしてみました。
写真のものはサラダ・ドリンク付きで税込1,630円。
アツアツのスキレットで提供されるので、ヤケドしないようお気をつけください。
焼きチーズカレーはグルテンフリー&オイルフリーで作られているので、ヘルシーな仕上がりになっているのが特徴。
スパイスキーマカレーと、トッピングされたとろとろのチーズを絡めながらいただきます。
食後のセットドリンクは直下式焙煎機で焙煎したオリジナルブレンドコーヒーをチョイス。
コーヒーは、飲みやすいながらもしっかりとした味わいの「コットンブレンド」と、しっかりと苦味を感じつつほのかな酸味を残した飲み応えのある「こくまろブレンド」から選べます。
その他、デザートメニューも豊富にラインナップされています。
特にいちおしなのが、ベイクドチーズケーキとガトーショコラ。
写真のベイクドチーズケーキ(ドリンクセットで税込1,380円)はフランス産クリームチーズ「Kiri」と国産純生クリームを贅沢に使った一品。
また、ガトーショコラ(同税込1,380円)はカカオ生産地の環境や人権に配慮したサスティナブルチョコレートを使用し、グルテンを極力少なくして作られています。
「cafeコットン」は天神地下街からも入店できます!
最後に、cafeコットンが入居している天神ビルは天神地下街に直結しています。
地下鉄を利用されている方は、天神地下街からのアクセスが便利ですよ。
オープンから今年でまだ5年ながらも、老舗喫茶店の面影が色濃く残る「cafeコットン」。
天神に行かれた際には、ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
cafeコットン
■住所:福岡市中央区天神2丁目12−1 天神ビル地下1階
■営業時間:平日 10:30~L.O19:00/土日祝 11:00~L.O18:00
■定休日:なし
■喫煙:NG
■公式サイト:https://cafecotton0801.com/
■Instagram:https://www.instagram.com/cafecotton.0801/
合わせて読みたい
昭和56年創業。オフィス街の一角に佇むレトロな喫茶店「コーヒー&キッチンひろまりこ」【福岡市博多区】
https://fukuoka-leapup.jp/gourmet/202502.46691
糸島の自然が一望できる喫茶店「田園喫茶ワイルドベリー」【福岡県糸島市】
https://fukuoka-leapup.jp/gourmet/202501.45445
昭和レトログッズに囲まれた癒しの空間「ルスカフェ」【福岡県久留米市】
https://fukuoka-leapup.jp/gourmet/202412.44286