横浜労災病院 中学生に命の大切さ伝え 産婦人科医の出張授業
横浜労災病院による出張授業が3月4日、城郷中学校で行われ、同病院産婦人科副部長の大井由佳さんが、3年生約210人を前に講演した。
これは市が行う横浜市産科拠点病院事業の一環として、地域に向けた教育・啓発活動として行うもので、横浜労災病院が実施主体となり、市教育委員会や医療局と協働し、区内4中学校の協力のもと実施。「いのちの大切さや尊さ」などを中学校卒業前の生徒に伝え、今後の人生に役立ててもらう狙いがある。
大井さんはスライドを活用し、産婦人科の説明から、月経(生理)についてや妊娠のメカニズムなどをイラストやデータを見せながら解説。流産や妊産婦死亡率などにも触れ、「自分も周りの人たちも、どんな人も命を懸けて生まれてきた」と語り、「周りの人を大切にしてください」と伝えた。また、人間関係や性的接触、避妊、性暴力・ハラスメントなどについても言及し、「自分の行動に責任を持つこと」を強く訴えた。
授業後、生徒代表として大井さんにお礼を伝え、「帰ったら母に感謝を伝えようと思う」と感想を述べた女子生徒は、「初めて聞くことも多く、『知ることの大切さ』を感じた。今は感じていないが、月経のトラブルなど、困ったら頼るところがあると聞けて良かった」と話した。大井さんは「未来を担う中学生たちに、自分がいかに大切な存在であるかを伝えたかった。知識を得て、大人になるにあたって、場面場面で反射的に正しく動けるようになってもらえたら」としている。
同授業はほかに、日吉台西中、大綱中、新羽中でも実施された。