コレって沼にはめる罠? 三島食品「だしひろし」コラボカップ麺を〝おすすめ〟の方法で食べた結果
マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界
第百六十一回 エースコック「三島のだしひろし使用 だし醤油味焼うどん」と「三島のゆかり使用 塩焼そば」
文・写真:オサーン
カップ麺ブロガーのオサーンです。
「ご当地カップ麺」連載の第百六十一回目となる今回は、エースコックのカップ麺「三島のだしひろし使用 だし醤油味焼うどん」と「三島のゆかり使用 塩焼そば」を紹介します。
広島のふりかけメーカー「三島食品」とエースコックのコラボカップ麺です。
広島「三島食品」とエースコックのコラボカップ麺
広島の三島食品は、ふりかけや混ぜご飯の素などを製造販売する企業で、全国のスーパーなどの店頭に商品に並んでいます。
中でも、赤しそを使った「ゆかり」は三島食品の看板商品で、丸美屋の「のりたま」や永谷園の「おとなのふりかけ」と並ぶ大定番。大体のお店で取り扱われているように思います。
さて、今回紹介するカップ麺2品は、そんな「ゆかり」と、ゆかりの〝弟分〟である混ぜご飯の素「だしひろし」を使用した汁なしタイプのカップ麺です。
「だしひろし」は広島菜を用いた混ぜご飯の素「ひろし」に、かつおや昆布の旨みを加えた2025年1月に新登場したフレーバー。
2023年には広島菜の混ぜご飯の素「ひろし」を使ったカップ焼きそばが出ていましたが、「だしひろし」ではどんな味わいなのでしょうか。
「三島のだしひろし使用 だし醤油味焼うどん」食べてみた
まずは「三島のだしひろし使用 だし醤油味焼うどん」。
「だしひろし」を使用した〝だし感〟の強いカップ焼うどんとなっています。
たれは、かつおや昆布といった和風だしにごま油の風味をほのかに効かせた醤油味で、比較的やさしい味。その中にだしの旨みや甘みが感じられ、焼うどんらしい味わいとなっていました。
ほのかにごま油が香ることで、香ばしさに加えて焼うどんらしく焼いた雰囲気が感じられ、調理感、臨場感がありました。
ふりかけには、「だしひろし」に入っている広島菜に加えて粒ごまが入っており、粒ごまの自然な甘みや香ばしさが感じられます。
本来「だしひろし」に入っている削り節は入っていませんが、たれのだしの旨みとの合わせ技で「だしひろし」の味を再現していました。
「追い『だしひろし』」してみた
パッケージでは「追いだしひろし」が推奨されているので、やってみようと思います。
ひろしさんを追い出すわけではく、自分で「だしひろし」を用意して追加で振りかけるというものです。
ただ、これまでの「ゆかり」など三島食品コラボのカップ麺はみんなそうなのですが、もともと塩気がしっかり強いので、正直「追い」の必要性をあまり感じません。「追い」をすると塩気が過剰になってしまうのです。
今回の「追いだしひろし」はどうでしょうか。
たれの味と「だしひろし」入りのふりかけによって塩気は十分に足りているため、「だしひろし」を追加することで塩気がさらに増してしまい、塩辛いものが苦手だと少し食べるのが大変かもしれません。
せっかくのだしの甘みも吹っとんでしまい、正直「追いだしひろし」の必要性は感じませんでした。
こうなると「追いだしひろし」の麺をおかずにご飯を食べてしまいたくなりかねず、しかもご飯と「だしひろし」の相性が最高なので、炭水化物と塩分摂取のスパイラルに注意しなければなりません。
ただ、「だしひろし」はご飯と混ぜると本当もおいしいので、もし「追いだしひろし」が失敗だと思っても、後々ごはんと一緒に食べれば幸せになれます。買ったことを後悔することはないのではないでしょうか。
「三島のゆかり使用 塩焼そば」
続いては、「三島のゆかり使用 塩焼そば」。
三島食品とのコラボカップ麺は毎年2品同時発売されるのですが、そのうちの1品が「ゆかり使用 塩焼そば」で固定されており、毎年発売される恒例商品。
さすが「ゆかり」は看板商品なので、他とは別格の扱いがされています。
かつおだしにごま油の風味を効かせた塩だれは控えめ。ゆかりの塩気や赤しその風味を引き立てています。
また、ソースの油脂から炒めたような雰囲気が感じられ、調理感があるのも特徴でした。
ふりかけには「ゆかり」の赤しそに加えて粒ごま、ネギが入っています。
ソースの旨みを後ろ盾に、赤しその風味や粒ごまの香ばしさが主役として君臨。
基本的には「ゆかり」の魅力が前面に出ていますが、ソースのかつおだしや油脂、さらにふりかけに入った粒ごまやネギによって、「ゆかり」のおいしさにさらに厚みが加えられていました。
ただ、普段から混ぜご飯の素やふりかけとして「ゆかり」を食べ慣れていると、麺よりもご飯が恋しくなってしまうかもしれません。
三島食品の沼にハマる可能性も
どちらの商品も、「だしひろし」と「ゆかり」のおいしさを堪能できるカップ麺で、三島食品の混ぜご飯の素やふりかけの魅力に触れる導入として最適でした。
一方で、推奨される「追い」についてはそれほど必要性を感じません。
ただ、「追い」をすることで塩辛くなるがゆえにご飯を食べてしまい、さらに「だしひろし」や「ゆかり」のおいしさの沼にハマる可能性も秘めていました。
三島食品の商品は種類が多くて沼が深いため、食べ過ぎにはくれぐれも注意が必要です。
筆者:オサーン
カップ麺ブロガー。十数年前に出会った「日清麺職人」のおいしさに感激したことがきっかけでブログを開設。「カップ麺をひたすら食いまくるブログ」で毎週発売される新商品を食べて毎日レビューしています。豚骨スープとノンフライ麺の組み合わせがお気に入りですが、実はスープにごはんを入れて食べるのが最も至福の時です。 X(@ossern)