コッポラ問題作『メガロポリス』舞台裏ドキュメンタリー『メガドック』米公開決定
フランシス・フォード・コッポラ監督による今世紀最大の問題作『メガロポリス』の制作過程を追ったドキュメンタリー作品『メガドック(原題)』が製作されることがわかった。米が伝えた。
『メガロポリス』は巨匠コッポラが1980年代より構想していた企画。約300回にも及ぶ脚本の書き直しを経て、自身のワイナリーの一部を手放し、私財1億2000万ドル(約186億円)を投じた作品で、まさに人生を賭けた映画だ。ところが米公開後は賛否両論、現在まで世界累計興収はわずか1,400万ドルという状況。コッポラはラジー賞で最低監督賞にも選ばれた。
『メガドック』は、物議を醸したこの映画の舞台裏を追う。監督は『リービング・ラスベガス』(1995)などのマイク・フィギス。なかなか配給先が決まらなかった『メガロポリス』を支援したユートピア社による配給で、2025年秋に米公開される。
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フィギスは旧友コッポラからの偶然のメールがきっかけで、『メガロポリス』主要撮影の初日から現場で製作過程を映像記録していた。製作中の出来事に関するさまざまな解釈が映像に収められているといい、『メガロポリス』を美化するのではなく、良い面と悪い面の両方を掘り下げる切り口だという。
『メガロポリス』の舞台裏では、コッポラによる女性エキストラに対するや、虚偽の映画評論家コメントを使用したの取り下げなど騒動もあった。これらの話題がどれだけ言及されるかは不明だ。
『ハート・オブ・ダークネス コッポラの黙示録』(1991)では、やはりコッポラが多額の私財を投じて製作した『地獄の黙示録』(1979)の舞台裏を追ったドキュメンタリーとして、作品に新たな価値を与えた。『メガロポリス』における『メガドック」も「それと同等の作品になるでしょう」と、ユートピア社のロバート・シュワルツマンは語っている。「観客は、最も偉大なフィルムメーカーの40年にもわたる旅の舞台裏を見ることができるのです」。
『メガロポリス』は2025年6月20日、いよいよ日本でIMAX全国上映。