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苦戦する【寝かしつけ】 「寝ない赤ちゃん」には「入眠前3つの温度」がカギ! 〔東大医学部卒3児のママ〕が対策を伝授

コクリコ

子どもの睡眠に関する悩みと向き合う東大医学部卒のママ医師であり、小児スリープコンサルタントの“もりたま先生”こと森田麻里子先生に、子どもの睡眠トラブルについてお聞きしました。1回目は赤ちゃんの寝かしつけについてです。全4回の1回目。

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産後からすぐに始まる頻回授乳や、赤ちゃんの夜泣き、寝かしつけがうまくいかない、寝起きの機嫌が悪い……など、子どもの睡眠に関する悩みは尽きません。

赤ちゃんの睡眠と健康をサポートする「Child Health Laboratory」代表の、医師で小児スリープコンサルタントの森田麻里子先生(通称・もりたま先生)に、よくある子どものねんねトラブルについてお話を聞きました。1回目は、赤ちゃんの寝かしつけについてのお悩みです。

赤ちゃんの睡眠サイクル 生後6ヵ月までは激動!

ご自身も3児のお子さんの子育て真っ最中の医師、森田麻里子先生(以下、もりたま先生)。長男の夜泣きに悩んだ経験から、小児スリープコンサルタントとしての活動を開始しました。

先生へ寄せられる子どもの睡眠についてのお悩みで最も多いのが、月齢3~4ヵ月ごろからの「寝てくれない」というもの。この時期の赤ちゃんの寝かしつけは特に難しく、それには子どもの発達が関係しています。

「生まれてすぐの赤ちゃんは、2~3時間ごとに起きて、寝て、飲んで、また寝て、を繰り返しています。それがだんだん、日中に起きている時間が長くなり、夜に寝ている時間が延びるのが生後1ヵ月半ぐらいから。その後、生後3ヵ月ぐらいまでには、昼夜の区別がついてきて、赤ちゃんの中で生活のリズムがついてきます。身体の成長とともに、睡眠も発達してくるんです」(もりたま先生)

ご自身のお子さんの睡眠トラブルについても話してくださいました(3回目に紹介)。

苦戦する「寝かしつけ」を解決するキーワードは?

なんとなく寝たり起きたりを細かく繰り返していた新生児期を過ぎると、必要になってくるのが「寝かしつけ」です。体調や日中の活動、お昼寝の長さによって、「夜、なかなか寝てくれない」や「布団に入ってからモゾモゾ動いて全然寝付かない」などの悩みが出てきます。

「寝かしつけの大変さは、本当によく分かります。私の元に寄せられるお悩みの中で最も多いのも、寝かしつけに関して。寝ない子どもが寝るようになる簡単なポイントは、寝室の環境調整。最も重視されるのが、“温度”なんです」(もりたま先生)

入眠前の3つの温度が、寝かしつけのキーワードになる、ともりたま先生。

「子どもの睡眠は、体温が大きく関係しているんですよ」(もりたま先生)

入眠前の3つの温度

「まずは子どもの“体温”を気にしてみて。子どもって、大人が思っているよりもすごく暑がりなんです。特に夏場は、夕飯の後にお風呂タイムで、そのまま布団に入ると、まだ身体が冷め切っていないために、暑くて寝苦しいということが頻発します。

特に夏は、『お風呂を先にして、そのあと夕飯にする』だけで入眠がスムーズにいく場合があります」(もりたま先生)

写真:アフロ

冬も、「思ったより薄着で寝かせて大丈夫」と、もりたま先生。1枚脱がせることをアドバイスするとスッと寝てくれるようになった、という親子もいました。

子どもの睡眠と体温は、眠りに入るときの身体のメカニズムにも関係があります。

「人間は眠るとき、脳や内臓を休息させるために、身体の深部体温を下げます。眠りにつくときには、体表面の皮膚の血管が広がって、外に熱を逃がすのです。眠たくなってきた子どもの手足や、身体がポカポカしてくるのは、こういったことが起こっているから。そのため、自分からも放熱しているのに、寝具や寝巻きでさらに温めてしまうと、暑くてなかなか寝付けないという状態になってしまいます」(もりたま先生)

子どもにどんなに布団をかけても剝ぎ続けるのには、そんな理由があったのですね。

掛け布団は使わない 赤ちゃんにベストな室温は?

さらにもりたま先生は、「子どもに掛け布団は不要」と言います。

「2024年10月にこども家庭庁から発信されたガイドライン(※22)には、しっかりと『掛け布団を使用しないこと』と明記されています。これまで文化的背景から掛け布団については軽いものを使いましょう、とあったのですが、窒息の危険を回避するとの理由から『乳児はベビーベッドに寝かせて掛け布団は使わない』とはっきり発信されました」(もりたま先生)

※2 こども家庭庁「乳幼児突然死症候群(SIDS)」の対策強化月間

こども家庭庁 SIDS 詳しく見る

防寒より室温調整が大切

夏場はパジャマだけでも良さそうですが、冬場の防寒はどうしたら?

「パジャマや寝具で調整する前に、“室温”の調整が大事です。夏は26度前後、湿度は60パーセントが目標。冬場は緩めに暖房をかけて、20度ぐらいをキープしましょう。ただ、温湿度計は必須ではありません。同じ温度や湿度でも、住環境によって体感が異なるので、親御さんの感覚を大切にして。それでも真冬はいくら部屋を暖めても寒いと思いますので、布団の代わりにスリーパーや、着るおくるみ(寝返りをする子は手が出せるもの)を使っていただければいいかなと思います」(もりたま先生)

お風呂の時間と入り方でも寝入りは大きく変わる

入眠には、お風呂の時間や入り方、そして“湯温”が関係していることもあります。

「特に肌の疾患を抱えていなくても、お風呂で身体があったまってしまうと、なんだか肌がかゆくなって落ち着かない、という状況になるケースも。布団でずっとモゾモゾしている子どもは、そういった理由があるのかもしれません。お風呂にはあまり長く浸かりすぎない、身体を温めすぎないこともポイント。湯温は38度か39度で、浸かる時間は数分でいいんです」(もりたま先生)

冬場であっても、「身体を芯まで温める必要性はあまりない」ともりたま先生。

「確かに身体をしっかり温めると深部体温が上がるので、そこから体温がすっと急降下することによって、眠気がより出てくるという効果はあります。ただ、その場合には、お風呂から就寝の間をしっかりあけないといけない。大人では就寝はお風呂から上がって1時間半後がベスト、とよく言われますが、子どもでは一体どのくらいがいいのかはわかっていません。また、夕飯の後にお風呂に入るとすると就寝まで1時間半あかないですよね。お風呂にしっかりつかりたい場合は、暑すぎて寝つきが悪くなるのを防ぐため、お風呂、夕飯、就寝の順番がおすすめです」(もりたま先生)

なかなか寝ない子へのアプローチには、これらの3つの温度の調整を試してみてもいいかもしれません。

───◆─────◆───

次回は、もう少し成長した“幼児の寝かしつけ”について。特にきょうだいがいる場合の寝かしつけは超大変! 小2、年少、2歳のお子さんがいる先生のご家庭のエピソードを伺いつつ、キッズの寝かしつけの工夫について伺います。

取材・文/遠藤るりこ
撮影/神谷美寛

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