犬の寿命が縮む危険な『ダイエット方法』3選 病気の悪化やリバウンドを招くNG行為とは
犬の寿命が縮む危険なダイエット方法は?
一般的に、犬は適正体重を15%超えると肥満と判断されます。愛犬を上から見て腰にくびれがなかったり、肋骨部分を触っても骨の感触がなかったりする場合は、肥満の可能性があります。肥満は、椎間板ヘルニアや関節炎、糖尿病、膵炎、心臓病など、さまざまな病気の原因となります。
そのため、愛犬の肥満に気づいたら早めにダイエットを始めることが大切です。しかし、間違ったダイエット方法は愛犬の健康を損ない、寿命を縮めてしまう恐れがあるため注意が必要です。以下では、犬の寿命が縮む危険なダイエット方法を3つご紹介します。
1.過度な食事制限
愛犬のダイエットを始める際、まず食事量を減らそうと考える飼い主さんは多いでしょう。確かに、ダイエットには食事制限が必要になります。
しかし、食事量を大幅に減らしたり、食事を抜いたりする過度な食事制限は危険です。栄養不足により、免疫力や内臓機能の低下、脱毛、皮膚病など、犬の健康にさまざまな悪影響を及ぼす可能性があります。
また、過度な食事制限は、脂肪だけでなく筋肉も減らしてしまうため、基礎代謝が低下し、リバウンドしやすくなります。さらに、空腹感によるストレスが無駄吠えや破壊行動などの問題行動につながることも考えられます。
愛犬にダイエットさせる際は、愛犬に合った適切な食事量を把握し、段階的に与える食事の量を減らしていくことが大切です。
2.過度な運動
ダイエットでは、運動によってカロリーを消費することも大切ですが、過度な運動は犬の体に大きな負担をかけます。長時間の運動や激しい運動は、関節や心臓に負担をかけ、寿命を縮めることにもなりかねません。すでに関節や心臓に疾患がある場合は、症状を悪化させてしまう恐れがあります。
運動は、愛犬の年齢や体力、健康状態などに合わせて、無理のない範囲で行うようにしましょう。
3.短期間での急激な減量
愛犬のダイエットに取り組むと、短期間で結果を出したい気持ちになるかもしません。しかし、急激な減量は犬の体に大きな負担をかけるだけでなく、ストレスにもなります。また、リバウンドのリスクも高めてしまいます。
犬のダイエットは、焦らずに長期的に取り組むことが重要です。1週間に体重の1〜2%減を目安に、半年から1年ほどの期間をかけて、少しずつ目標体重を目指しましょう。そうすることで、心身ともに健康的に痩せることができ、リバウンドを防ぐこともできます。
犬を安全にダイエットさせるには?
愛犬を安全にダイエットさせる最善の方法は、獣医師に相談することです。犬の年齢や健康状態などを考慮した上で、個々の犬に合ったダイエットプランを立ててもらえます。無理のない目標体重やダイエット期間の設定はもちろん、適切な食事の内容や量、運動メニューについても専門的なアドバイスを受けられるのです。
そして、ダイエット中の体重や健康状態を定期的にチェックしてもらうことで、安全にダイエットを進めることができます。
また、クッシング症候群(副腎皮質機能亢進症)や甲状腺機能低下症などの病気が原因で肥満になっている場合や、肥満が原因で病気を抱えている場合、飼い主さんの自己流のダイエットは病気を悪化させる可能性があります。それを防ぐためにも、獣医師に相談するのが一番です。
まとめ
愛犬のダイエットは、飼い主さんが知識なく自己流で行うのは危険です。特に、過度な食事制限や運動、短期間での急激な減量は、愛犬の健康を損ない、寿命を縮める可能性があるため、避けるべきです。これらのダイエット方法は、病気の悪化やリバウンドも招きます。
愛犬を安全にダイエットさせるためには、獣医師に相談することが大切です。獣医師のアドバイスに従って、計画的にダイエットを進めていきましょう。
(獣医師監修:寺脇寛子)