独居高齢者 どう支える 50年に県内86万人超
国立社会保障・人口問題研究所が昨年11月に公表した将来推計によると、神奈川県内でひとり暮らしをする65歳以上の高齢世帯が2050年に約86・7万世帯(総世帯のうち21%)になる。20年時点から1・7倍の増加で、全国の1・5倍と比べると増加率が高い。地域の高齢者の生活を支援する体制づくりの必要性が高まっている。
相模原市中央区の小山地区では市民ボランティア団体「おやま一歩の会」が高齢者の暮らしを支える活動を8年ほど前から行っている。2月末、活動現場を取材した。
「自分が元気に」
この日は地区内に一人で暮らしている高齢者から依頼を受け、会員の小室セキ子さんと吉澤幸子さんがシーツ交換やゴミ出しなどを行った。
利用者はケアマネージャーからの紹介で同会の存在を知り、週に一回程度シーツ交換などを手伝ってもらっているという。「足が悪くなってから一人でやるのが大変なので助かっています」と話す。
小室さんと吉澤さんは「自分がいることによって誰かの役に立つ。自分が元気でいられる」と笑顔を見せた。
会員の不足・高齢化
2人はほぼ毎日様々な依頼に対応しており、この日も2件の活動を行った。同会は現在、30人ほどの会員で年間200件の依頼に対応している状況で、人手が足りなくなる場面もある。同会ができてからの8年間で会員が新しく入ることはほとんどなく、会員の高齢化により力仕事の難しさも感じ始めている。
代表の宍戸佳子さんによると、会員が増えない理由は地域住民の繋がりの希薄化やそれぞれの生活など様々だという。
単発のみの団体も
地域の高齢者を支えるためには同会のように毎週のゴミ出しなどにも対応する必要があるが、他地区のボランティア団体の中には継続的な依頼を受けていない団体もある。宍戸代表は「(高齢者支援について)地域全体で考えていく必要がある」と話す。