中学生だった私が白杖のおばあさんを助けたら 「30年以上経っても忘れられない」あの日の記憶
兵庫県在住の40代女性・チコさんは中学生の時、一人の高齢女性を助けたという。
白杖を持ち、バス停の前で困っている様子の女性を見つけたチコさんは、とっさに彼女のもとへ駆け寄ると......。
<チコさんからのおたより>
中学生の頃、両親と一緒に奈良へ遊びに行った時のことです。
バス停の前で、白杖を持ったおばあさまが困った様子でウロウロしているのが目に入りました。停まっていたバスの運転手さんも周りもおばあさまに気付いていないようでした。
私は両親に「ちょっと待ってて」と言っておばあさまの元へ行き、「こんにちは。どちらに行かれるんですか?」と尋ねました。
無事にバスに乗り込むまで、言葉を尽くして
地名を言われましたが、奈良は地元ではないため分からなくて、タラップからバスの中に向かって「このバス、○○に行きますか?」と大声で運転手さんに聞きました。
運転手さんから「行きますよー」と返事があったので、「おばあちゃん、このバスで大丈夫みたいですよ」と伝え、運転手さんにも「○○で降りたいそうです。白杖持たれてるので、補助お願い出来ますか?」と声を掛け、ドアステップを上がりきるまで「あと○歩で階段です。1段目高さ30センチくらいあります。気を付けてください」とサポートし、無事にバスに乗り込むまで見届けました。
中学の学習で、目隠しして歩いたり、目隠しした人の手を引いたり、車椅子で自走したり、車椅子を押したりといった、障害のある人と介助者の両方の立場を疑似体験しており、障害のある人の不自由さや不安を体感していたので、自分なりに精一杯言葉を尽くしてサポートしました。
おばあさまには、何度も「ありがとうねぇ」とお礼を言われました。
両親の元に戻ると、父が満面の笑顔で「良うやった!さすが俺の自慢の娘や」と頭を撫でくり回され、凄く誇らしかったです。
衝動的に動いたことでしたが、30年以上経っても忘れられない記憶です。
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