studioFLAT 三井物件にパラアート 廃材利用した作品を設置
知的障害のある人たちのアート活動の支援を行うNPO法人「studioFLAT(スタジオフラット)」(幸区北加瀬/大平暁理事長)の作品が、三井不動産レジデンシャル(本社/東京都中央区)が分譲・賃貸するマンション共用部に設置される。第一弾は首都圏12物件を中心とした全17物件の共用部に約30点設置する。
フラットと同社は2021年から武蔵小杉のマンション「コスギサードアヴェニューザ・レジデンス」のパラアートサブスクリプションサービスで協業する。以来、本社応接室に作品を展示するなどしてきた。
今回の取り組みは同社が掲げるSDGsの一環として行われ、今後、新築分譲・賃貸する原則全てのマンションにパラアートを設置するというもの。フラットの大平理事長は「マンションの標準設計ということに驚いた。今後のモデルとしてもなり得るので、とても価値のあること」と口にする。在庫の作品が多数売れていくことで、メンバーの意欲も上がっているという。
4者が連携
両者のほか、スポーツチームのウェアやのぼりなどの印刷や会場装飾を手掛けるサプティー、反物加工などを担う三井デザインテックの4者が連携して行う。
サプティーが廃棄予定となったウェアやのぼりを回収し、フラットがさをり織りにより反物に生まれ変わらせ、三井デザインテックが加工する流れ。完成品は館内のごみの分別などを知らせるサインやアートとして、三井不動産レジデンシャルの新築分譲・賃貸マンションに展示される。絵画には廃棄予定の化粧品が絵具として使用されている。三井不動産レジデンシャルの担当者は「才能豊かなアーティストが多数在籍されていて、多数の企業や団体と連携し新しい作品や取り組みを積極的に生み出している」と評する。
大平理事長は「機能を伴うサインとして使われるので、生活の一部としてアートを楽しんでもらえれば。日々、『パラアート』という垣根を越えた素晴らしい作品ができあがっているので、多くの人に知ってもらいたい」と話した。