イビサ島やマヨルカ島のリゾート地でアルコール規制が強化
美しいビーチ、ハイキングコースなど、たくさんの楽しいことがあるスペインのイビサ島。ここは、世界的に有名なパーティースポットとして、またそれを象徴するナイトクラブが多いことでもよく知られている。
だからといって、まだビールの栓を抜いてはいけない。2024年5月中旬から、同島の人気のナイトライフリゾートであるサン・アントニオや、マヨルカ島のリュグマジョー、パルマ・デ・マヨルカ、(マガルフがあるエリアである)カルビアの当局により、アルコールの販売と消費に関する規則が強化されたのだ。
こうした規制は2020年に初めて導入されたが、新しい規則は以前よりもはるかに厳しくなった。
まず、公共の場での飲酒は禁止。バーやレストランといった指定されたテラス席でカクテルやビールを飲むことは許されているが、次の場所やビーチへ向かう間など、歩きながら飲むことはできない。
その上、アルコールを販売する店は21時30分から翌朝8時の間は「閉店」しなければならなくなった。また、船上パーティーが楽しめるパーティーボートに対する規則もより厳しくなり、規制対象のリゾート地の海岸から1海里(1.85キロメートル)以内に船が入ることが禁止され、そのエリアでの乗客の送迎もできない。
パルマ・デ・マヨルカの市長であるハイメ・マルティネスは、イギリスのスカイニュースに対し、規制強化の主な目的の一つが「野蛮な態度を正す」ことで、当局は「過剰な観光」を抑制することに力を入れていると説明した。また、今回の規制強化に必要な追加の警備と検査には、約1600万ユーロ(約26億8276万円)の予算が充てられるという。
今後は、飲酒が「共存を乱し、群衆を巻き込み、環境の静けさを悪化させる」場合、750〜1500ユーロ(約12万5755〜約25万1509円)の罰金が科せられる可能性がある。さらに、違反が特に深刻とみなされた場合、罰金は最高3000ユーロ(約50万3018円)に達することもあり、違反者が属する国の大使館に報告されるという。この新規制を順守する意味は、かなりあるといえるかもしれない。
Liv Kelly / Time Out Tokyo Editors