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厚木市 日本語指導クラス設置 外国籍の小中学生を支援

タウンニュース

時計の読み方を学ぶ子どもたち

厚木市は、外国籍の小中学生に向けた日本語指導プレクラス「あぷれ」を厚木中学校内に設置した。日本の学校に編入したばかりで日本語がほとんど話せない子どもを対象に言葉の初期指導を集中的に支援することで、円滑な学校生活へとつなげる。

「あぷれ」は、厚木中学校の敷地にある建物内に設置。子どもたちは午前中の時間を使い、常勤の専任教諭と支援員から日常会話や学校生活に関係した日本語などを約1カ月かけて学ぶ。市によると、日本語指導に特化した環境下に専任の常勤教諭を配置するケースは県内初という。

2023年度に市内の小中学校に在籍した外国籍の児童生徒は584人で、政令市を除くと県内最多だった。そのうち、日本語の指導が必要とされる数は約300人と半数を超えていた。

外国籍の児童生徒が増加する中、市では日本語を指導する「国際教室」を各校に設けるなどして対応している。しかし学校側からは、来日直後などで日本語がほどんど話せない子どもたちに対し、より早期に集中的な指導を求める声も寄せられているという。

インクルーシブ目指し

「起立、気を付け、おはようございます―」あぷれの運営が始まった4月21日からは、中国とフィリピン籍の中学3年生男子と、ネパール籍の小学6年生女児の3人が通っている。25日にあぷれを訪れた3人は、緊張した面持ちで教諭の言葉に耳を傾けた。

この日は、タブレット端末に表示されたイラストを見ながら「こんにちは」「おやすみなさい」「いただきます」などの言葉を学んだり、頭や足、腕など体の部位を答えたりしながら身近な日本語を学習。時計の読み方では、「7(なな・しち)」「10(じゅう・じゅっ)」「分(ふん・ぷん)」など、日本語特有の使い分けに悩みながら時刻を読み上げた。

市教育指導課の堀江洋輔さんは「全ての子どもが平等に教育を受けられるインクルーシブという理念に基づき、外国籍の子どもたちが学校生活に早期に適応できるようサポートしていきたい」と話した。

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