「見えない力」が息づく神域 西宮市の『越木岩神社』で本来の自分を取り戻す 西宮市
西宮市甑岩町に位置する『越木岩神社』は、私にとって「整えたいときに足が向く場所」。
阪急・苦楽園口駅から北へ、北夙川小学校と豊楽公園を抜ける神社までに道のりは、季節の彩りを感じながら心がゆっくりほどけていくような道のりです。
境内に一歩足を踏み入れると、空気がふっと変わるのを感じます。葉の音、木の香り、鳥の声、足音までもが心地よく響いて、五感が自然と開いていく感覚。進むほどに呼吸が深くなり、自分の内側に戻っていくような静けさが広がっていきます。
本殿で手を合わせたあとは、左手の小道を進んでみてください。
道を進んだ先には、同神社の御神体である「甑岩(こしきいわ)」が鎮座しています。
周囲40m、高さ10mを超えるこの巨岩は、古来より神が宿る霊岩とされてきました。かつて白蛇が棲んでいたという伝承のほか、大阪城築城のために切り出そうとした際、裂け目から火花と蒸気が吹き出し、人々が倒れたという言い伝えも残ります。その圧倒的な力に、役人たちは逃げ去り、村人たちはこの岩に宿る“見えない力”を確信したとか。
今も岩肌には当時のノミの跡が残され、静かにその歴史と神秘を語り続けています。この神社が「気の流れを整える場所」として長きにわたり大切にされてきたのは、きっとそうした力を私たち自身が感じ取れるからなのかもしれません。
落ち込んでいる時、悩んでいる時、嬉しい時。そのたびに、見える景色が少しずつ違って見えるのも不思議です。不安をそっと受けとめてくれる日もあれば、前を向く元気をくれる日もある。越木岩神社は、静かに「今のままでいいよ」と語りかけながら、ほんの少し、次の一歩を照らしてくれる場所なのかもしれません。
私はこれからも、自分らしくいたいと願う日に、何度でもここを訪れたいと思います。
住所
越木岩神社(こしきいわじんじゃ)
(西宮市甑岩町5-4)