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【眠れない原因は?】「悩んでいても」「睡眠時間が少なくても」快眠できるトレーニング

こそだてまっぷ

眠れない理由は、最終的にメンタルの原因に行き着きます。

眠れない理由は、そもそも疲れていないことや睡眠環境が明るすぎるなどを除くと、最終的にメンタルの原因に行き着きます。
15万人以上の日本人の睡眠改善をサポートし、医師や学会で最新の知識を集めてきた「上級睡眠健康指導士」角谷リョウ氏の著書『超熟睡トレーニング』(Gakken)から、快眠体質を手に入れるための「メンタルトレーニング」について、一部抜粋してご紹介します。

睡眠不調は環境や肉体的な理由じゃなければ、メンタルの問題

眠れない理由は、そもそも疲れていないことや睡眠環境が明るすぎるなどを除くと、最終的にメンタルの原因に行き着きます。

① 頭の中がごちゃごちゃして整理できていないこと

② 寝る前にストレスによってお酒を飲みたい、スマホをいじりたいという衝動が抑えられないこと

③ 不安な感情や思いが繰り返されること

この3点が非常に多いでしょう。
このうち、①と②の2点を抑えるためのトレーニングをご紹介していきます。

この際に一気に、頭の中のごちゃつきを吹き飛ばす

頭の中の整理整頓の方法として、デビッド・アレン氏が開発したGTD(GettingThings Done)というものがあります。直訳すると「仕事を成し遂げる」という意味になりますが、具体的には効率よく物事を成し遂げることができる手法のことです。

以下は私がGTDを参考にして作成した、頭の中のごちゃつきを解消するプログラム
す。

【第1ステップ】気になっていることを全部書き出す

最初は「収集」をします。これはどういうことかというと、気になっていることを全部1カ所に集めることを指します。

まずは、トリガーリストに従って、頭の中にあることをどんどん出していきます。トリガーとは「物事が動く引き金になった事柄=きっかけ」を意味する言葉です。

頭の中には、いろいろな「気がかり」が詰まっています。たとえば「返事をしていないメール」「処理しなくてはいけない書類」「使っていないクレジットカードの退会届を出すこと」などなど… …。
重要なことから軽微なことまで、頭の中にこんがらかって存在しているものを全部可視化しようというわけです。

次のトリガーリストに従って、書き出してみてください。また、このリストから導かれたこと以外でも、気になることがあればどんどん書き出していきましょう。

トリガーリスト 

※本編から一部を抜粋したものです

【プライベート編】
▪自分が利用しているサービスのうち、不要で解約したいものはありませんか?
▪お直しや修理、粗大ゴミ出しなどで、やり残していることはないですか?
▪お金やもので借りっぱなし、貸しっぱなしになっているものはないですか?
▪約束して実行できていないことはありませんか?
▪行きたい場所、会いたい人、やってみたいこと、行きたい場所などはないですか?

【仕事編】
▪まだ手を付けられていない仕事はありますか?
▪仕事のアイテム(カバンや手帳)で改善したいものはありませんか?
▪ガジェット(スマホなど便利アイテム)で改善したいものはありませんか?
▪机の上や下、引き出しの中で改善したいことはありませんか?
▪整理されてない名刺はありませんか?

【第2ステップ】書き出したことを仕分けする

次はこれを「すぐにアクションを起こすべきこと」と「すぐにする必要はないけれども、いずれすること」、さらには「する必要のないもの」に分けていきましょう。

仕分けしてみると、気にはなっていたけれども、実は行動する必要はないものや、冷静に考えてみたら「もうこれ、終わっている」というものも混じっていることが多く、自分にとっての重要度がはっきりします。

また行動が必要なものの中には、単発で終わるものと複数回にわたるものがあるでしょう。私はそれを「タスク(単発で終わる)」と「プロジェクト(複数回にわたる)」に分けるようにしています。

さらにタスクの中で、5分以内に完了することはなるべく早く、たとえば「明日の午後は空いているので、そこで集中的に済ませる」など、まとめて終わらせられるようスケジューリングしてしまいます。Amazonで何かを購入するとか、支払いを済ませるといったことなどです。

こまごましたことを全部済ませようとすると何時間もかかることがありますが、頭の中で「あー、あれやってなかったな。いつやろうかな。明日は忙しいから無理だし… …」などと考え込むくらいなら、一気にやっつけたほうが精神的にはラクになります。

またタスクの中には、自分でなくてもできることが混じっている場合もあります。そんなときは自分でやることにこだわらず、人に頼んでしまいます。

プロジェクトや「後回しにできるもの」はいつ何をするか、その場でカレンダーに書き込み、リスト化していきます。あとはそれに従って進めていけばOK。きちんとやるべきことが終わるような仕組みができ上がります。

定期的にチェックを行い、自分のメンテナンスをする

私は週1回、このGTDを参考にしたチェックで自分の頭の中身のメンテナンスをするようにしています。これを始めてから、頭の中のごちゃつきがかなり軽減されました。

寝る前に「あれはどうだっけ?」とか「これ、いつまでにやればいいんだっけ?」と不安になることもなくなり、寝付きもよくなっています。特に会社でリーダー的な立場の人ほどすることが多いので、「これを始めて本当によかったです」と言ってくださいます。

なお、私は週1回の頻度で行っていますが、ご自分のペースでやってくださってかまいません。寝る前に頭にいろいろなことがよぎって眠れないクライアントさんには、最低月に1回はしていただいています。週1回が理想ですが、月1回でもかなりの改善効果が出る方がほとんどです。

デジタル依存から脱却する簡単なトレーニング

寝る前のデジタルは快眠の大敵ですが、それをいきなりやめるのは非常に困難です。なぜならば夜は疲れて意志力が弱っている状態なので、そんなときにスマホやパソコンを見てはいけないというのは、ハードルが高いからです。

そこで私がご提案したいのが、最初は「土曜日の午前10時から30分間はデジタルにさわらない」など、休日の昼間、短時間のデジタル断ちから始める方法です。休日でしたら、仕事で追い立てられることもないので、すぐに確認したり返事をしたりということも基本はありません。平日よりも、デジタル断ちがしやすいでしょう。

1時間2時間と時間が長くなっていくにつれて、デジタルから解放された快さを感じられるようになっていきます。
このトレーニングを重ねるうちに、夜、寝る直前まで見ていたスマホを5分前からやめられるようになり、やがてそれが10分前からになり、30分前からになり… …、と段階を踏んで早めに切り上げられるようになっていきます。

休日に半日デジタルに触れずにいられるようになってくると、「ぐっすり眠れるようになりました」と言う人が多いです。

意識も大きく変わります。デジタル断ちをする前は、「今、スマホが手元にないと落ち着きません」とか「何かあったときに連絡が取れなくなったらどうすればいいですか?」などと言っていた人が、「スマホがないと大変!」という思い込みが取れて気持ちが安定し、落ち着いてくるのです。

その精神的な落ち着きが、快眠につながっていきます。

悪しき習慣を断ち切る「エモーションシフト」

エモーションシフトとは、「感情の書き換え」のことを指します。悪習慣のほとんどは、「昔、好きだったもの」に関連しています。

たとえばお酒が好きでしょうがない人がいるとしましょう。なぜ好きかと言うと、お酒に感情が紐ひもづいているからです。
具体的には、「お酒を飲んでみんなとワイワイして楽しかったな」とか「恋人にプロポーズしたとき乾杯した」とか、そこにいい感情が紐づいているのです。
だから「今も好きでやめることができない」と思い込んでしまっています。これを客観的に見ていき、その事柄に対する「今の感情」を知ることで、イメージを書き換えようというわけです。

〈例〉

「お酒にはいい思い出があるけれども、冷静に考えてみると最近でいい思い出は1割ぐらいになってしまっている」「若いときは楽しいのが8割ぐらいで、翌日もつらくなかったけれども、今はお酒を飲んだ次の日はしんどいことが多い」

すると「若いときの楽しかった思い出があるから、自分はお酒を好きだと思ってきたけれども、今はそうではなくなっている」という事実にぶつかる。

このようにあなたの睡眠を妨げる悪習慣について、「どうして好きだったのか」「今の自分にとって、本当はどうなのか」を考えてみましょう。

以前、好きだったものがそうでもなくなっていたり、実は惰性で続けていただけだったということに気づくことができれば、自然にエモーションシフトができ、悪習慣を断つことができるようになっていきます。

睡眠で医療に頼るのを最小限にしたい

本書は、私が毎日数十人から数百人の方々の睡眠改善を実際に成功させている、最新の認知行動療法を元にしていると言えます。

不眠や睡眠についての間違った常識を解消し、優れた「睡眠スキル」というより「熟睡スキル」が、体にしっかりと自然に身に付くトレーニングを紹介しています。「『睡眠は深ければいい、睡眠時間は長ければいい』は、疑ったほうがいい」なんて話もしています。

日本は医療制度が発展している弊害で、誰でも簡単に睡眠薬を処方してもらい、飲み続けても保険が適用されます。海外では日本と違い、まず睡眠薬ではなく認知行動療法によって睡眠について学び、生活を変えることに取り組むことを、医療機関がサポートするのが常識です。

そんな背景から、自力で医療のサポートを最小限にできることを目指して、本書を活用していただくこともできるのではないかと、心から願っております。

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