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業績全国1位のブックオフ店長から27歳で脱サラ。バキ童「ぐんぴぃ」が芸人になった理由。

スタジオパーソル

スタジオパーソルが運営するYouTubeでは、さまざまなはたらく人の履歴書から「私らしいはたらき方」について深掘りインタビューを行っています。

今回密着したのは、“バキバキ童貞”として知られ、現在YouTubeチャンネル登録者数が180万人を超える芸人・ぐんぴぃさんです。ブックオフ店長を経て芸人になり、さらにYouTuberとしても活躍するぐんぴぃさんは、長年隠し続けてきたコンプレックスが偶然にも世間に知れ渡り、逃げ出したくなるほどの苦悩を味わったそうです。しかし、その痛みを乗り越え、今ではそのコンプレックスを武器に変えて独自のキャリアを築いています。

誰しもが持つ欠点を自分だけの強みに変えるには?ぐんぴぃさんに“自分らしくはたらく”ための秘訣について伺いました。

※本記事はYouTube『スタジオパーソル』の動画一部を抜粋・編集してお届けします

お笑いに目覚めたのは「防衛本能」からだった

2019年に受けた街頭インタビューでのやり取りがバズり、“バキバキ童貞”としての名が広く知られるようになったぐんぴぃさん。お笑いコンビ「春とヒコーキ」としても活動するぐんぴぃさんのお笑いの原点は、小学生時代にまでさかのぼります。

「父親がすごく厳しい人で、怒るとよく殴られていました」と当時を振り返ります。

「ある日、顔を腫らしたまま学校に行ったらクラスメイトに理由を聞かれたんです。『親父が金属バット持って追いかけてきて、“トムとジェリー”みたいだったよ』と大げさに話したら、みんな大笑いしてくれて。ひどい話なのにウケるなら、それはそれでいいかなと思いました。防衛本能というか、苦しい状況から自分を守るために笑いを取るようになったんです」

高校時代には松本人志さんの著書『遺書』に影響を受け、さらに大学時代は伊集院光さんにあこがれて落語研究会に入部したぐんぴぃさん。そこで本格的に落語や漫才に触れ、「お客さんを笑わせる喜び」を知ります。

しかし、大学生活でのある失恋体験が大きな転機となりました。

「『絶対に僕のことを好きだ』と思っていた相手に告白をしたら、『大嫌い』って言われたんです。僕の好意が相手にとっては迷惑だったんだ、自分に都合よく物事を解釈してしまう傾向があるんだ、とかなり落ち込みました」

この経験をきっかけに、「『触れない、触れられない』という心理的なバリアができてしまった」と本音を語るほどに、ぐんぴぃさんは異性との関わり方に悩むようになります。

そして大学卒業後、出版に関わる仕事を目指すも叶わず、別の道へ。そこで、思いがけないかたちで社会人としての才能を発揮することになるのです。

舐められていた店長が「全国1位」に。逆境を味方にするぐんぴぃ流の発想力

ぐんぴぃさんは中古書店チェーン・ブックオフに入社しました。入社後、短い研修期間を経て、すぐに店長職を任されることになります。

「店長といっても何もできない新人。周りには経験豊富なフリーターの部下がいて、めちゃくちゃ舐められていました。『何もできないとろいやつ、こんなやつが店長になったらおしまいだ』って言われて、それがめちゃくちゃ悔しくて」

その悔しさをバネに、ぐんぴぃさんは配属先の横浜の店舗で大胆な戦略を実行します。

「当時、横浜市ではオリンピック開催に向けた街のイメージアップのためか、新刊書店からアダルト本を撤去する動きがあったんです。そこで僕は『他の書店で手に入らなくなるなら、うちの店にアダルト本コーナーを作らせてください』と上司に提案しました。場所がないと言われましたが、『レジ横なら空いています』と食い下がって、そこに本をたくさん並べたんです」

この決断が思わぬ結果を生みました。

「サラリーマンのお客さんが何倍も増えて店は大繁盛。ブックオフは前年比で成績が評価されるんですが、他店では良くても105%程度のところを、僕の店だけ142%という数字を出して、全国1位になりました」

仕事での成功の陰で、ぐんぴぃさんは別の葛藤も抱えていたと言います。

「まったくモテないのに、休日の予定を聞かれると『デートだよ!』とスタッフに嘘をつき続けていたんです。自分は普段から『だからお前はモテねーんだよ』とスタッフに冗談を言ってからかっているのに……」

3年の勤務期間を経て、ぐんぴぃさんはブックオフを退職します。実は入社直後から、大学時代の落語研究会で出会った友人・土岡さんから芸人にならないかと誘われていたのです。

「ブックオフの仕事で周囲を見返したい気持ちがあったので、土岡の誘いをずっと先延ばしにしていました。でも3年が経ち、土岡から『もう待てない』と言われたんです。ちょうどブックオフでの目標も達成したと感じていたので、そのタイミングで芸人になる道を選びました」

こうして2017年に漫才コンビ「春とヒコーキ」が結成。ぐんぴぃさんが27歳の時でした。

「やりたいことをやっているという充実感があったので、不安はあまり感じませんでした。むしろ『きっとすぐに売れるだろう』なんて勘違いをしていましたね」

フリーの芸人になってからは、コールセンターでアルバイトをしながら生計を立てる日々が始まりました。まもなく自分の人生を大きく変える出来事が待ち受けているとは知らずに――。

“バキバキ童貞”爆誕!「隠していた弱み」が最大の武器になるまで

いくつかの事務所のオーディションを受けながら、最終的には芸能プロダクション・タイタンの養成所に入学することになったぐんぴぃさん。入学式前日に運命的な出来事が起きます。コールセンターのアルバイトを終えて新宿を歩いていたところ、ABEMA NEWSのキャスターからマイクを向けられたのです。

「性経験を聞かれて『バキバキ童貞です!』と答えたら、その日のうちにSNSで拡散されてしまったんです。『カメラ目線で“童貞”って言うやつが現れたぞ!』って。翌日の入学式では『昨日の童貞のやつがいるぞ』と話題になりました」

突然のバズ。社会人として長年隠し続けてきた“童貞”というコンプレックスが世間に知れ渡り、ぐんぴぃさんは恥ずかしさのあまり4週間ほど自宅から出られなくなったと言います。しかし――。

「ある日、セクシー女優の唯井まひろさんがYouTubeの撮影に呼んでくれたんです。その動画がすぐに100万回再生を超えて大ヒットしました」

この動画をきっかけに、タイタンのマネージャーからYouTubeチャンネル開設を勧められます。

「最初は断りました。街頭インタビューをきっかけに『バキバキ童貞』としてネットでバズった人間が、今度は自分からカメラの前に立つなんて恥ずかしかったんです。でも周囲が勝手にチャンネルを作って、気づいたら始まっていました」

さらに、セクシー男優・しみけんさんとのコラボも実現。「経験人数1万人 VS 0人」という企画が話題となり、セクシー業界の関係者から次々と声がかかるように。

「自分のYouTubeチャンネルなんて誰も見ないだろうと思っていたのに、どんどん登録者が増えていって。そのうち楽しくてしょうがなくなりました」

現在は登録者数100万人を超え、さらには友人や共演者たちも次々とYouTubeを始め、今ではぐんぴぃさんを中心とした“独自のコミュニティ”が形成されています。

「才能のある面白い人たちがたくさん集まって、一緒にYouTubeを盛り上げていける仲間ができました。いつか僕のチャンネルが視聴者に飽きられても、周りの人たちが食べていける環境をつくりたいですね」

「ありのまま」が最強。自分を偽らなければ楽しくはたらける

ブックオフ店長、お笑い芸人、YouTuberと、さまざまな場所で自分らしさを模索してきたぐんぴぃさん。今では“バキバキ童貞”という尖った個性が見出され、自分だけの居場所をつくり上げています。

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「欠点も、見方を変えれば自分だけの強みになるんだと思います。僕の場合は“バキバキ童貞”というコンプレックスが、思いがけず仕事のチャンスに変わりました。“童貞”という個性が仕事になるなら、それはもう、どんな個性だって仕事になるということなんじゃないかと。コンプレックスを隠すよりも、活かすほうが自分らしくはたらけるんだと今では思えています。きっとこれは僕だけの話ではありません。だって欠点って、誰もが持っているじゃないですか」

最後にぐんぴぃさんに楽しくはたらく秘訣を伺いました。

「やっぱり自分のやりたいことができていると楽しいですよね。なりたいと思っていた芸人になれましたし、一方でまだ叶っていない夢もあるので、ほどよい励みになっています。芸人の世界のことを何も知らずに、27歳でこの世界に飛び込むなんて、遅いですよね。でも、考えすぎずに飛び込んだからこそ夢を追えているんです。バカだから楽しくやれている気がします」

※今回お伝えし切れなかったフルバージョンの動画はYouTube『スタジオパーソル』にて公開中

(「スタジオパーソル」編集部/文:間宮まさかず 編集:おのまり )

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