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スタート直後の飛び出し、花の2区区間新、「山の名探偵」…第101回箱根駅伝を盛り上げた“助演男優走”

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イメージ画像,ⒸPavel1964/Shutterstock.com

古豪中大が見せ場つくる

青学大の圧勝で幕を閉じた第101回箱根駅伝だが、大会を盛り上げたのは青学大だけではない。その走りや戦略で注目を浴びたチーム、選手を取り上げる。

序盤を盛り上げたのは間違いなく中大だった。1区にエースの3年生・吉居駿恭を投入。通常、互いを牽制し、区間終盤まで動きがない1区だが、吉居がわずか300メートル地点で飛び出し、独走態勢を築いた。その姿は3年前に1区序盤で飛び出した吉居の兄・大和と重なるものだった。

さらに、エース格を2、3区に集める戦略も功を奏し、5区途中まで首位を守った。最終的には層の薄さも出て5位に終わったが、史上最多14度の優勝を誇る古豪が見せ場をつくった。

名門早大に「山の名探偵」降臨

名門早大も4位と健闘を見せた。そのきっかけをつくったのは、山上りの5区を走った2年生の工藤慎作だった。

名探偵コナンの本名(工藤新一)と似ていることから、「山の名探偵」と呼ばれる工藤が区間2位の走りで、チームを6位から3位に浮上させた。昨年も5区で区間6位と山上りの適性は十分で、来年以降は5区の主役になることは間違いないだろう。

2区区関新、看板に偽りなし

エースが集まる花の2区で区間賞を獲得したのは、5000メートル、1万メートル、ハーフマラソンの学生最高記録を持ち、「史上最強留学生」とも呼ばれる東京国際大の2年生リチャード・エティーリだった。

14位でたすきを受けると、序盤から飛ばして12人を抜いて2位に浮上した。タイムは1時間5分31秒で区間新記録もマークし、駒大の篠原倖太朗、国学院大の平林清澄という日本学生陸上界屈指のランナーを寄せつけなかった。

2区では創価大の4年生・吉田響の走りも見逃せなかった。区間2位の走りで13人を抜き(関東学生連合を除く)、4位にチームを押し上げた。タイムはエティーリに12秒及ばなかったものの、こちらも区間記録を更新。創価大にいい流れをもたらした。

来年は箱根の主役に

取り上げた選手のうち、4年生は吉田だけ。ほかの選手はケガや体調不良がなければ来年も箱根を走るだろう。今回はどちらかというと「脇役」に回ったが、102回大会では箱根の主役になれるだろうか。

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記事:鰐淵恭市

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