犬が水を飲まなくなったときの5つの原因 病気が隠れている可能性から適切な対処法まで解説
犬が水を飲まなくなったときの原因
1.体内の水分量が保たれている
犬が水を飲まなくなったのは、体内の水分量が保たれているからなのではないか、と考えることができます。
単純に考えると、暑いときは体内の水分が奪われやすく、水を飲む量が増えます。寒いときは体内の水分が奪われにくく、水を飲む量が減ります。
暑い時期、冷房の効いた涼しい部屋で過ごす時間が長くなると、それほど水を飲まないことがあります。逆に寒い時期は、暖房の効いた暖かい部屋で過ごす時間が長くなると、暑さや乾燥から水を飲む量が増えることがあります。
体内の水分量によって、水を飲む量も自然と調整されているということです。もしくは、水分の多い野菜や果物を食べた、水分の多いおやつを食べたなど水を飲むこと以外にも水分を補給する機会があったのではないでしょうか。
2.水が気に入らない
犬が水を飲まなくなったのは、水が気に入らないからなのではないか、と考えることができます。
ニオイや味に極度に敏感な犬がいます。このような犬は、ほんの少しでも嫌なニオイや味がする水は飲みません。
犬が水を飲んだ後、食器の水をそのままにしていると、細菌が繁殖します。これが原因でニオイや味に微妙な変化が生じているのかもしれません。
朝起きたときやお散歩や運動の後、食事の後は犬が水を飲むタイミングです。飲み終えたなと思ったら、食器をキレイに洗った後で、水も新鮮なものに入れ替えてあげると良いでしょう。
3.水を入れてある食器が気に入らない
犬が水を飲まなくなったのは、水を入れてある食器が気に入らないからなのではないか、と考えることができます。
筆者の愛犬はステンレスの食器が大の苦手です。鏡のように映しだされることや光が反射することが気に入らないのではないかと考えています。
また、食器を新しくしたタイミングで水を飲まなくなる犬もいます。以前使っていた食器に戻してみて、水を飲んでくれるようであれば、原因は明らかに食器にあるでしょう。
現在ではきれいな水を常に飲める循環型の自動給水機も登場していますが、機械が作動する音やモーターの音に不安や恐怖を感じ、水を飲まなくなってしまう犬もいます。
4.水を置いてある場所が気に入らない
犬が水を飲まなくなったのは、水を置いてある場所が気に入らないからなのではないか、と考えることができます。
水を飲みやすくするために犬用のテーブルなどで高い場所に水を置くと、逆に飲みづらくなってしまい、水を飲まなくなってしまうことがあります。
また、トイレと水飲み場が隣同士にあるのは嫌だ、という犬もいます。
部屋の模様替えをするなど以前と水を置く場所を変えてしまったのであれば、元に戻して様子を見てみましょう。
5.痛みや不調がある
犬が水を飲まなくなったのは、痛みや不調があるからなのではないか、と考えることができます。
歯周病や口腔内腫瘍などによって口の中に痛みがある場合、水を飲まなくなることがあります。歯石や口臭がひどいと感じるときは、歯科検診を受けなければならない状態です。
また、脱臼・骨折・椎間板ヘルニア・関節炎などによって痛みがあるとき、水を飲む体勢をすることで痛みが増すため、水を飲めずにいることがあります。
痛みがあるとき、触れようとすると嫌がったり威嚇したり、痛みで体が震えるなどすることがあります。愛犬にいつもと違う様子はありませんか?
このような場合、ごはんを食べることもできずにいるかと思います。
まとめ
犬が水を飲まなくなったときの原因を5つ解説しました。
✔体内の水分量が保たれている
✔水が気に入らない
✔水を入れてある食器が気に入らない
✔水を置いてある場所が気に入らない
✔痛みや不調がある
水を飲まないこと以外に、元気がない、食欲がない、ぐったりしている、下痢や嘔吐をしている、痛みを訴えている、呼吸が荒いなどの症状の有無を確認しましょう。
健康な犬に1日必要な水分摂取量は、体重1kgあたり50mlくらいです。愛犬に1日に必要な水分摂取量を計算し、不足しているかどうかを知ることも大事です。
(獣医師監修:葛野宗)