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「害虫を正しく怖がって」アース製薬研究員が講演

赤穂民報

アース製薬研究員から害虫の生態などを学んだ講演会

 「害虫」とされる生き物について正しく知ろうと、専門の研究者による講演会が17日、鷏和の赤穂西公民館であり、アース製薬の研究員がダニや蚊などの生態や、咬まれないための防御方法などを語った。

 高齢者大学赤穂西校と福浦校の合同講座で、赤穂西小学校の5・6年生児童24人も参加した。坂越のアース製薬研究所に25年間勤め、『きらいになれない害虫図鑑』の著書がある有吉立(りつ)さんと、入社4年目の奥澤菜弥さんを講師に招いた。

 2人は、ゴキブリは体に付着した病原菌を持ち運び、ダニに人がかまれて死に至る場合もあるなど「害虫」と扱わざるを得ない理由を説明。マラリアや日本脳炎、デング熱などの感染症を媒介する蚊は「地球上で最も人の命を奪っている生物」だという。その一方、蚊の幼虫は水中の有機物を分解し、花の蜜を吸う成虫は植物の受粉を助けるなど「益虫」としての側面も紹介した。

 1匹が卵を産むと、チャバネゴキブリは半年で2万匹、アカイエカは1か月半で6万5000匹に増えるという繁殖力の強さや、ダニや蚊は動物が息をした二酸化炭素を察知して刺しにくることなど、それぞれの特性を解説。「刺されないのが一番。長袖長ズボン、肌が露出する部分には虫除け剤をむらなく塗って」と身を守る方法を述べ、家の周りで蚊を減らすためには「植木鉢などの水たまりや身を潜める雑草をなくすことが有効」と話した。

 「害虫に興味を持ち、正しく嫌って、正しく怖がって」と有吉さん。この日は、森林性ゴキブリの中で世界最大のマダガスカルオオゴキブリ、鮮やかな緑色のグリーンバナナゴキブリなど研究所で飼育している個体を会場に展示した。手で触れられるほど人に慣れており、恐る恐るタッチする児童も。5年の山田彩葉(いろは)さん(10)は「見るのも嫌だったけど、楽しく勉強できた。でも、触るのはちょっと無理」と複雑な表情だった。

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