吉田大八監督「監督としては最高に恵まれた体験」 『敵』第18回アジア・フィルム・アワード 最優秀監督賞受賞!
アジア全域版アカデミー賞「第18回アジア・フィルム・アワード(AFA)」の授賞式が3月16日(日)に香港の戯曲センターにて開催され、映画『敵』の吉田大八監督が最優秀監督賞を受賞した。
3年連続日本人監督受賞の快挙!
アジア・フィルム・アワードでの最優秀監督賞の受賞は、一昨年、昨年の是枝監督の受賞に続き、3年連続日本人監督受賞の快挙となった。アジア・フィルム・アワードは、2007 年から開催されている“アジア全域版アカデミー賞”とも言われており、これまで『パラサイト 半地下の家族』(19/ポン・ジュノ監督)や『ドライブ・マイ・カー』(21/濱口竜介監督)など、世界中の映画賞や賞レースを席巻した作品が受賞している。
『敵』については、第37回東京国際映画祭にて東京グランプリ/最優秀男優賞/最優秀監督賞の三冠を達成し、その後、昨年11月に開催された台北金馬映画祭の「Windows On Asia部門」に選出、12月には上海国際映画祭の「Japanese Week」に招待され、数千人の劇場が一瞬で埋まるなど、国内外の映画祭で絶賛の渦を巻き起こした。今回はアジア25の国と地域より30作品のノミネート(全16部門)があり、その中で『敵』は吉田大八監督が最優秀監督賞を受賞。2024年の東京国際映画祭での19年ぶりの日本映画3冠受賞に続き、高い評価はとどまることを知らず、海外へと波及していく。
最優秀監督賞を受賞し、審査委員長のサモ・ハンからトロフィーを授与された吉田監督は「皆さんと同じように僕も驚いています」と壇上でコメント。続けて、筒井康隆の原作を映画化したことについて「僕が若い時から愛読していた筒井康隆先生の小説を映画化するという幸運に恵まれ、それを信頼できるスタッフたち、素晴らしい俳優たちと一緒に作り上げるという、監督としては最高に恵まれた体験でした。その上でこんな素晴らしい賞までいただいて、これ以上の喜びはありません。」と話した。また受賞後の記者会見では「この映画に関わったすべてのスタッフとすべての俳優たちに感謝したい。皆で受賞を喜び合いたい」と感謝を述べ、今後の展望を問われると「せっかくこのような賞をいただいたので、アジアの皆さんに観ていただけるような映画をひとつでも多く作っていけたらいいなと思います。」と話し、共にレッドカーペットを歩いた、長塚京三(主演男優賞ノミネート)や瀧内公美(助演女優賞ノミネート)、宮本茉莉(衣装賞ノミネート)らと共に喜びを分かち合った。