【袖ケ浦市】人気急上昇のご当地ラーメン「ホワイトガウラーメン」の秘密に迫る!
勝浦タンタンメン、竹岡式ラーメンと言った人気ご当地ラーメンが列挙する千葉県に、新勢力としてじわりと人気を伸ばしつつある袖ケ浦市の「ホワイトガウラーメン」をご存じでしょうか。
牛乳を使った新感覚のラーメンは、一度食べたらやみつきになると遠方からお客さんが訪れるほどなのだとか。
洋風のイメージがある牛乳。中華料理との相性はいかに…というわけで、ホワイトガウラーメンを深掘りしました!
ご当地ラーメン「ホワイトガウラーメン」とは
2011年、袖ケ浦市観光協会は新しいご当地グルメで市を盛り上げようと、袖ケ浦ご当地グルメ王座決定戦「袖-1グランプリ」を開催しました。
参加条件は、袖ケ浦市内産の農畜産物を活用していること。
大会には市内飲食店や市民から全41品の応募があり、その中から11品のレシピを選出。同年2月に東京ドイツ村で開催された決勝戦で、来場者の投票によりグランプリを受賞したのがホワイトガウラーメンなのです。
酪農発祥の地である千葉県の中でも、トップクラスに酪農が盛んな袖ケ浦市。ホワイトガウラーメンは、袖ケ浦市の特産品でもある牛乳を使用しているのが特徴です。2024年現在、市内の4店舗でそれぞれ工夫を凝らしたオリジナルのホワイトガウラーメンを食べることができます。
元祖ホワイトガウラーメン「大衆中華ホサナ」で聞く誕生秘話
ホワイトガウラーメンは、2024年で創業31年目を迎える「大衆中華ホサナ」店主の岩崎潔さんが、袖-1グランプリ出場のために考案したメニューです。
奧さまの美佐緒さんの実家は、袖ケ浦市内で酪農業を営んでいました。そのためか、出品メニューに使用するご当地食材として岩崎さんの頭に真っ先に浮かんだのが牛乳でした。
そこで「牛乳を使ったラーメンを作ろう」と決め、まずはお店で人気の野菜たっぷりのタンメンに牛乳を足してみました。ところが岩崎さんの家族や親戚に試食してもらったところ「味にまとまりがない」「味がぼやけている」「牛乳特有の匂いが気になる」と不評の嵐。
牛乳ラーメンには、具をたくさん入れ、ちゃんぽんのようになっていましたが、岩崎さんは「シンプル・イズ・ベスト」と原点に立ち返り、牛乳嫌いの人でもおいしく食べてもらえるラーメンを作ろう、と方向を定めました。
試行錯誤しながら試作を重ねていたある日、美佐緒さんのアイデアでスープにショウガを入れてみたところ牛乳のクセが消えて理想の味に。このスープにクリームチーズでまろやかさとコクを加え、ついに新しいラーメンは完成しました。
インパクトのあるその白いラーメンに、岩崎さんは袖ケ浦市のラーメン→ガウラーメンから「ホワイトガウラーメン」と命名しました。
「実は袖-1グランプリ開催の2011年ごろ、経営上の理由から店をたたもうか悩んでいたんです。袖-1グランプリは店を閉める覚悟で挑みました」と岩崎さん。
そしてついに、袖-1グランプリのレシピ審査を勝ち抜き、東京ドイツ村での決勝戦に駒を進めたホワイトガウラーメンに、結果発表の時が訪れます。
第3位、準グランプリと発表が進みますが、ホワイトガウラーメンはまだ呼ばれません。祈る思いでグランプリの発表を待つ岩崎さんの耳に飛び込んだのは、ダントツの票を集めたホワイトガウラーメンの名前でした。
「感無量でした。受賞の瞬間は覚えていないのですが、弟が撮っていた動画を見返したら雄たけびをあげていましたね。私も、弟も(笑)」。岩崎さんは、ちょっぴり恥ずかしそうに振り返ります。
ホワイトガウラーメンのレシピは、袖ケ浦市のご当地グルメとして飲食店に一般公開(登録制)され、現在、大衆中華ホサナを含める4店が各店の個性を生かしたホワイトガウラーメンを提供しています。
岩崎さんは「袖ケ浦のご当地ラーメンとして、ホワイトガウラーメンを広めたい。提供しているお店は仲間ではありますが、元祖として負けられないという気持ちもあります。唯一無二のラーメンを提供できるよう、これからも切磋琢磨(せっさたくま)していきます」と語りました。
ついに実食・ホワイトガウラーメン
大衆中華ホサナの一番人気はやはりガウラーメンシリーズ。
現在、受賞メニューであるオリジナルのホワイトガウラーメン(820円)の他に、のりとチーズをトッピングした「のりチーズガウラ」(920円)、タンタンメン風にアレンジした「ごまたんたんガウラ」(980円)、あさりのシーズンだけ登場する「あさりガウラ」(990円)など6種類のガウラーメンを提供しています。
しかし今回はやはり、シンプルな「ガウラーメン」をいただくことにしましょう。
早速スープをひとすすり。
ショウガの香りがさわやかな、すっきりした味わい!
こってりしたクリームスープを想像していたのでこれは意外。牛乳の臭みなどは一切なく、スープに入っているキャベツがベストマッチです。
使用する牛乳は、袖ケ浦産が入っているものを厳選しているのだとか。
ほろほろ崩れるお肉はしっかりめの味付けで、ラーメンにアクセントを添えています。ちなみにこのお肉の名前は「ガウラの肉」。原料は袖ケ浦市のマスコットキャラクターガウラ君…ではなく豚バラ肉。最初はもっと小さかったのに、リニューアルを繰り返すうちに大きくなっていったのだとか。
牛乳嫌いだというお客さんも「これなら食べられる。おいしい」と絶賛したというホワイトガウラーメン。
チーズ、キムチ、ガウラの肉の追加トッピングメニューもあり、ガウラーメンをオリジナルにアレンジして楽しむお客さんも増えているそうです。
大衆中華ホサナ
住所/千葉県袖ケ浦市蔵波台2-23-23
営業時間/午前11時30分~午後2時30分 午後5時~午後10時(ラストオーダー午後9時)
定休日/日曜日
駐車場/店前に4台
席数/カウンター4席、テーブル16席、座敷8席
アクセス/車の場合:館山自動車道姉崎袖ケ浦ICより車で約20分
電車の場合:JR内房線長浦駅より県道287号を木更津方面に向かい長浦駅前の信号を含めて3つ目の信号を左折し約500m先左側
電話番号/0438-63-4378
個性豊かなホワイトガウラーメンが食べられる、袖ケ浦市内の3店
袖ケ浦市内では、大衆中華ホサナの他に3店舗でホワイトガウラーメンを食べることができます。どれも個性豊かなので、全てのガウラーメンを食べ比べたくなっちゃうかも?!
麺処 霧笛
味噌ラーメン専門店の麺処霧笛。ホワイトガウラーメンも、もちろん味噌味がベースです。
味噌と牛乳の相性の良さはご存じの通り。しかし店長の島村さんは、メニューにホワイトガウラーメンを取り入れるのをちゅうちょしたのだとか。
「実は自分が牛乳が苦手で。それにラーメンに牛乳を入れるのにも抵抗があったんです」
ご当地グルメには協力したい。しかしおいしくない料理を、話題作りのためだけにお店で提供することはできない…。そう思った島村さんですが、ものは試しとオリジナルアレンジを加えたホワイトガウラーメンを作ってみました。
すると、今までになかった新しいラーメンの味に「これはいける」と実感。晴れて霧笛の新メニューに加えることとなったのです。
霧笛では、チャーシューにパプリカ、バジル、バターをトッピングした「霧笛ホワイトガウラーメン」、カレー風味の「カレーガウラーメン」(850円)、ピリ辛の「辣醤(ラージャン)ガウラーメン」(850円)を定番メニューとして提供。麺はスープがよく絡む中太麺を使用し、ショウガは使わず、牛乳が苦手な人もおいしく食べられる一品に仕上げました。
「定番メニューは誰が食べてもおいしい味を心がけていますが、今後は例えばトマト味やはちみつレモン味のホワイトガウラーメンといった、好きな人に刺さる、とがったメニューも開発したいですね」と語る島村さん。そのあくなき探求心が、おいしいラーメンの隠し味でもあるのです。
麺処 霧笛
住所/千葉県袖ケ浦市神納1-7-18
営業時間/午前11時~午後2時 午後6時~午後9時
休館日/不定休
駐車場/8台
座席数/5卓 16席
アクセス/袖ケ浦IC降りて左折。国道16号を真っすぐ上りガストの交差点を左折してすぐ右側。ガソリンスタンドENEOS隣
Instagram/ @mendokoromuteki
※お問い合わせはInstagramのDMよりお願いいたします
天然温泉湯舞音 袖ケ浦店
「天然温泉湯舞音 袖ケ浦店」は、8種類のお風呂とサウナを完備した袖ケ浦市初の天然温泉施設です。ホワイトガウラーメンは施設内にある「湯舞音‘s kitchen」で食べることができます。
白さが際立つ湯舞音袖ケ浦店のホワイトガウラーメンは塩味がベースになっています。隠し味にショウガとニンニクを入れて牛乳のクセを消し、あっさりしつつもコクのあるスープに仕上げました。
麺は細めのストレートで、トッピングはチャーシュー、わかめ、小口ネギに万能ねぎにのり。仕上げに牛乳との相性が良いゴマを振りました。
湯舞音袖ケ浦店の店長で時に熱波師として活動もされる「マイルドスギちゃん」(熱波師ネーム)こと杉山さんは、「湯舞音は他に龍ケ崎店、市原ちはら台店がありますが、ホワイトガウラーメンが食べられるのは袖ケ浦店のみ。袖ケ浦ならではの個性を出したくて、ご当地メニューのガウラーメンを取り入れました」と話します。
「ラーメン専門店に引けを取らない味を、いつでも提供できるように」と、試作を重ねて完成させたホワイトガウラーメンは、これ目当てに県外から訪れる人もいるほどの人気メニューに。
湯舞音袖ケ浦店では2021年のオープン以来、メニュー改訂を3回行いましたが、ホワイトガウラーメンだけがオリジナルレシピで残り続けているのだとか。
「ホワイトガウラーメンは、スープを飲み干すお客様が多いように感じます。牛乳とラーメンの相性を心配しているお客様にも、自信を持っておすすめできます」とマイルドスギちゃんが胸を張るホワイトガウラーメン。
お風呂で汗をかいた後には、よりおいしく感じられそう!
天然温泉湯舞音 袖ケ浦店
住所/千葉県袖ケ浦市袖ケ浦駅前1-39-15
営業時間/午前9時~午前0時(最終受付 午後11時30分)
※湯舞音’s kitchenは平日 午前11時~午後10時(ラストオーダー午後9時30分)、休日 午前11時~午後11時(ラストオーダー午後10時)
休館日/なし(※メンテナンス休館あり)
駐車場/無料500台(ゆりまち袖ケ浦駅前モールと共用)
座席数/約100席
アクセス/JR袖ケ浦駅北口より徒歩1分
電話番号/0438-38-6168
レストハウス菖蒲 (あやめ)
袖ケ浦公園内にある休憩所「レストハウス菖蒲」では、袖ケ浦の老舗ホテル割烹「鈴や」が食事を提供。ガウラーメンもこちらで食べることができます。
レストハウス菖蒲のガウラーメンは味噌ベース。トッピングはシャキシャキもやしにチャーシュー、わかめ、メンマ、なると、かまぼこ、ねぎ。味のアクセントに七味をきかせた、野菜たっぷり、栄養も満腹度も高い一杯です。
「母は毎日味噌汁を、具を変えながら作ってくれました。味噌は日本人に親しまれる母の味。ガウラーメンを味噌ベースにしたのはそんな思いからです」と語るのは、レシピを開発した鈴木英一さん。味噌の扱いを知り尽くす、日本料理のプロです。
鈴木さんは白みそ、日本酒、クリームチーズ、すりごま、玉ねぎ、ガラスープ、ショウガ、ニンニク、オリーブオイルと調味料を、2時間以上練り上げたオリジナルの「ガウみそ」を開発。ガウラーメンのスープはガウみそを牛乳に溶かし、専用のスープで割って作ります。牛乳は火を通しすぎると固まってしまうため、試作を繰り返して絶妙な時間と温度を見つけ出しました。
レストハウス菖蒲では、2月は梅、3~4月は桜、5~6月には菖蒲が楽しめ、建物内は車いすの方も安心して利用できるバリアフリー。
車いす用便器やおむつ交換台などを備えたトイレ棟も併設されており、袖ケ浦公園の散策の休憩所として、お子さん連れから車いすの方まで安心して利用できる施設です。
レストハウス菖蒲
住所/千葉県袖ケ浦市飯富2360
営業時間/食事提供は午前10時30分~午後4時(ラストオーダー午後3時30分)
休館日/水曜(荒天時は休み)、年末年始
駐車場/袖ケ浦公園無料100台
座席数/テラス席9卓36席 室内6卓24席
アクセス/JR袖ケ浦駅より車で15分
車の場合:東京湾アクアライン袖ケ浦ICより車で13分
館山自動車道姉崎袖ケ浦ICより車で25分
電話番号/0438-63-2118