野村万之丞が主宰、若者・初心者でも気軽に楽しめる『ふらっと狂言会♭4』が開催 ロビーに狂言の道具と装束を用いたフォトスポットを設置
2024年10月20日(日)国立能楽堂にて、『ふらっと狂言会♭4』が開催されることがわかった。
『ふらっと狂言会』とは、日本の伝統芸能である狂言に普段馴染みのない方々や若い人達に、“ふらっと”気軽に観にきて楽しんでもらうため、野村万蔵家の若手狂言師の三兄弟、野村万之丞、拳之介、眞之介を中心に開催している、敷居もフラットな新しい狂言会。
本公演の主宰は、27歳の狂言師・6世 野村万之丞。萬狂言に所属する若手狂言師によって半年に一度開催される狂言会で、今回で四回目を迎える。『ふらっと狂言会』では、若者や狂言初心者にも気軽に狂言を楽しんでもらうため、入場料は通常の狂言会より安い二千円(29歳以下)に設定している。
価格以外の面では、公演の最初には万之丞ほかによる演目解説コーナーを実施。若者や初心者にも分かりやすい言葉選び、雰囲気で、毎回客席から笑い声が聞こえる楽しい導入の時間となっている。公演の最後には万之丞・拳之介・眞之介の野村万蔵家三兄弟が観客からの質問に答える「三兄弟トーク」や、終演後にはロビーで来場者との写真撮影の時間を設けている。
また、本公演のために漫画家・東村アキコが描き下ろした『ふらっと狂言会』出演メンバーのイラストを使用した記念撮影用パネルをロビーに設置し、フォトスポットとして人気を博している。第三回からは本公演オリジナルとなる、ステッカーを製作し販売も行っている。
今回の試みとして、公演自体に一貫性のあるテーマを設けている。本公演の演目は、狂言ではよくある「お酒」がテーマとなっている二本。狂言は日常の中の人の失敗や人間らしさを描く喜劇だが、中でもお酒にまつわる話が多くある。お酒を呑んで面白おかしくしている。
そしてロビーでは、実際に狂言で使用されている道具を展示。披露される二つの演目『因幡堂(いなばどう)』『樋の酒(ひのさけ)』はいずれも「お酒」がテーマであることに因み、お酒にまつわる展示を予定。道具は実際に触ることも可能で、当日の演目に出てくるお酒を注ぐシーン、お酒を吞むシーンを模した形で記念写真を撮影することができる。
【演目】
■『因幡堂』いなばどう
大酒飲みの妻を持つ夫は、妻が里帰りをしている間に離縁状を送り、自分は新しい良い妻を授かろうと因幡堂で祈願をする。そこで「西門に立つ女を妻にするように」お告げがあり、喜んで西門へ向かい、頭から着物を被った新しい妻を家に連れて帰る。祝言の盃をかわし、被きを取ろうとすると……。
■『樋の酒』ひのさけ
主人は出かける用事ができ、家来の太郎冠者には米蔵を、次郎冠者には酒蔵の番をするように言いつける。二人の家来は蔵の窓越しに話をするなどしていたが、ふと気付くと次郎冠者が酒蔵の酒を飲み始める。うらやましがる太郎冠者に何とか酒を飲ませたいと次郎冠者が思いついたアイディアとは。
主宰・6世 野村万之丞 コメント
今回は四回目ということで、新たに演目にテーマを持たせ、お酒にまつわるものを選びました。実際の狂言の道具や装束に触れられる滅多にないフォトスポットを用意するので、お酒を飲む狂言の登場人物になりきってもらえたらと思います。
今回も、若者や初心者の方の笑顔が絶えない公演を作り、過去公演を超えていけるようなバージョンアップをしていきますのでお楽しみに!