区内在住伊藤良馬さん 火災現場から男性救助 保土ケ谷消防から感謝状
保土ケ谷区在住の伊藤良馬さん(19)に7月19日、共同住宅の火災現場から逃げ遅れた男性を救出したとして、保土ケ谷消防署(森屋司署長)から感謝状が贈られた。
火災は5月10日午後11時ごろ、伊藤さんが住んでいる共同住宅で発生。伊藤さんは部屋にいたところ、外から叫び声が聞こえて火災に気付いた。
伊藤さんは住民らと共に消防署に通報。家族に避難するように伝えた後、共同住宅の敷地内を駆け回り、部屋に残る住民にも直ちに避難するように呼び掛けた。「お年寄りもたくさん住んでいる共同住宅なので、若くて体力がある自分が何とかしないといけないと思った」と振り返り、使命感に駆られたという。
炎と煙が上がる中、伊藤さんは2階のベランダで身動きが取れずにいる男性を発見。消火器を男性のもとに投げ入れ、それでベランダを仕切る柵を破って隣りのベランダに逃げるように指示したが、男性はパニック状態に陥っており、説明を理解できなかったという。
伊藤さんは「火や煙が怖かったが体が動いた」といい、自らの危険を顧みずにフェンスを足場にして男性のいるベランダに上った。優しい言葉で男性を落ち着かせた後、安全な場所へと避難させた。男性は病院で治療を受け、現在は社会復帰できるまでに回復したという。
森屋署長は「伊藤さんの勇気ある行動に感謝と敬意を表したい」と感謝状を手渡した。伊藤さんは「男性が無事で良かった。電化製品のコンセントを挿しっぱなしにしないことなど、火災のリスクを減らす行動を続けていきたい」と話した。
迅速・的確な救助活動を行ったとして、保土ケ谷第2消防隊と西消防署浅間町特別救助隊には表彰状が贈られた。