保育園なのに強制参加!逃げたかった実行委員会、経験してみると…
10歳の男の子と3歳の女の子の2児の母で、フリーランスライターをしている小吉です。今から約5年前、長男が保育園に通っていたときに園行事の実行委員会活動で一波乱がありました。
恐怖の強制参加! 園行事の実行委員会
その当時、長男が通っていた保育園は、いわゆる「どろんこ系」の保育園で、市内でも子どもの教育に熱心なことで知られていました。私自身もそのような園だからこそ入園を決めた保護者のひとりなのですが、園の活動でひとつ、どうしても納得できないことがありました。
それは、保護者会の活動として行われる実行委員会への強制参加。物販や年中行事、バザーなどを運営するのですが、保護者は少なくとも必ずひとつ、どこかの実行委員会に入らなければならないというルールがありました。
保育園には、フルタイムやパートタイム、自営などさまざまな働き方をしている親たちが集まりますが、忙しさに関係なく一律で実行委員会に参加、というルールが自分の中でずっとモヤモヤしていました。
先輩ママに本当はどう思っているのかこっそり聞いて回ると、「みんなやっているからね…」という言葉が返ってくるばかりで、そこには明らかに「暗黙の了解」がありました。
専業主婦から一転してフルタイムに! 忙し過ぎる日々
私は、出産を機に正社員として勤めていた会社を辞め、そこから約3年間子育てに専念していました。そのため入園前の時点では専業主婦でしたが、そろそろまた仕事をしようと準備しているところでした。
当時の私にとっては、求職準備がなかなかの大仕事で、保育園への申し込み、仕事探し、久しぶりの履歴書作成、スーツの準備、面接など、慌ただしく過ごしていました。
何とか仕事が決まったものの、夫の仕事の都合上、子どもの送り迎えをするのは私でした。子ども1人を決まった時間までに家から連れ出すのも大変なのに、それを終えてから7時間半の仕事。
忙しい職場だったため、クタクタの状態で子どもを拾って帰宅し、そこから夕飯の準備や子どものお風呂、家事などやることが盛りだくさん…。ちょっと横になると、そのまま朝まで眠ってしまうことがよくありました。
休日もゆっくりしている時間はなく、溜まった家事や子どもの用事などであっという間に過ぎていきます。いつも疲れていて、「こんな状態なのに実行委員なんて無理だ」としか思えませんでした。
言い出せなかった「できない」が起こした消化不良
「今の生活で精いっぱいだから、実行委員会はとても無理です」と言い出す勇気があれば、また違ったのかもしれません。
結局私は、数ある委員会の中から渋々単発のものを選びました。通年の活動よりマシだろうと考えたからです。実行委員会には保護者と園の職員との両者が入るため、当然ながら委員会は平日夜や土日が多くなります。
さらに、職員のなかには、何かと理由をつけては委員会を欠席したり、連絡用のSNSも見ないという非協力的な態度の人もいて…。委員会に出席はしているものの、気持ちはどんどん後ろ向きになり、「私も逃げ出しちゃおうかな」という思いが自分の中でくすぶり続けていました。
ネガティブをポジティブに転じさせる先輩ママパワー
そのネガティブな気持ちが少しずつ変わってきたのは、園側の協力が望めない状況にもかかわらず、いかに効率的に作業を終わせるかに注力する先輩ママの姿を目の当たりにしていたからです。
きっと心のどこかで面倒臭いと思っているはずなのに、リーダーを買って出て話をまとめてくれる人、仕事帰りに必要な材料を買いに行くと手を挙げてくれる人、メモをとって素早くSNSで共有してくれる人などがいました。
「みんな忙しいんだから、早く終わらせよう!」という前向きな気持ちがひしひしと伝わってきました。そして、そのようなメンバーの中で与えられた状況に留まり、ただ腐っていただけの自分の姿に、ある日ふと気付きました。
せめて足手まといにならないようにと、何でもいいから何かひとつ自分にできることをやろうと気持ちを切り替えることができたのです。
最初、委員会の場に身を置いていただけの私でしたが、行事が終わった後に忙しくなる会計役になることを提案され、承諾。自分なりに最後までやり通しました。行事当日の仕事量も思ったほどではなく、参加者の楽しそうな笑顔や感謝の言葉に気持ちが弾んだことを覚えています。先輩ママには私の心情がよく見えていたのでしょう。それはきっと、彼女たちも同じような経験をしてきたからだと今は思えます。忙し過ぎて心を閉ざしていたとき、そんな私を責めるでもなく、その場にいること許してくれたのは、本当にありがたいことだと感じました。そのようにして差し伸べられた優しさは、私の心をじわじわと解きほぐし、いつかは自分がそうしてあげたいと思えるようになりました。そして今、私は園の保護者会の会長を務めています。
[小吉*プロフィール]
一男一女の母で、フリーランスWebライター。上の子(10歳男児)の傍若無人さやこらえ症のなさに振り回されるも、それを下の子(3歳女児)の愛らしさや無邪気さで埋め合わせ、なんだかんだ言いながらも楽しむ日々を送っています。
※この記事は個人の体験記です。記事に掲載の画像はイメージです。