豊富な研究データ地域に生かす、太陽化学と四日市市が健康増進など包括連携
三重県四日市市の太陽化学株式会社と市が5月20日、健康増進などに関する包括連携協定を結んだ。食や健康に関する研究データを蓄積してきた同社の専門的な知識を地域に役立てたいとのねらい。7月からは市の職員が協力して、あらたな健康に関する調査研究を始めるという。
協定締結式がこの日、市役所であり、太陽化学の山崎長宏代表取締役社長と森智広市長が署名を交わした。太陽化学からは山崎長俊執行役員コーポレート本部長、三ツ矢智美ウェルネス推進本部長、市側からは川口純史政策推進部長と市川和彦健康福祉部長が同席した。
協定に署名する山崎長宏社長(右)と森智広市長
森市長は「健康はこれからの市にとって重要なテーマで、多くの人が関心をもっている。様々な研究からの知見で協力いただきたい」、山崎社長は「さまざまな食品を研究し、データを蓄積してきた。これらを地域のために生かしたいと考えていた時に、このような機会をいただいた」などと話した。
両者は今後、①健康づくりや健康寿命の延伸に関すること②「健康経営」に関すること③災害時の対応に関すること④地域経済や産業振興に関すること⑤その他、両者が協議し、必要と認める事項、について連携する。セミナーなどの形で地域に健康に関する新しい情報を提供したり、災害時には被災者の健康維持を目的に同社の製品などを提供したりするという。
7月からは、市職員約20人の協力を得て、腕時計型の計測器(ヘルステックデバイス)をつけて仕事をしてもらい、食事の内容との関係をリアルタイムで計測、そこから、健康に役立つデータを集めたいという。
太陽化学は四日市市山田町に本社があり、伝統的な天然素材から最先端技術を応用した新規素材までを扱っている。7月からの調査にも用いる高発酵性の水溶性食物繊維の製品「サンファイバー」は通信販売などで扱っているほか、病院や介護施設などでも利用されているという。