刺身を洗うだけでこんなに違う!流水・塩水・ブライン液の違いを徹底比較
刺身の生臭さが気になる場合は洗うべし!
刺身はそのまま食べられるのが魅力ですが、生臭さが気になる場合はひと手間かけて洗って食べましょう。本記事では、刺身を洗う方法を三通り試し、味や食感の変化について検証します。
洗うことで臭みだけでなく、旨味や甘み、食感にも変化がでるので、刺身をよりおいしく食べたいと思っている方は参考にしてみてください。
手軽に変化!刺身を「流水」で洗う方法
流水で洗うと臭みの原因となる表面のぬめりが取れます。手軽で時間がかからず、生臭さのみが気になるときにおすすめの洗い方です。ただし、長時間流水に当てたり、直接強い流水に当てたりすると、旨味が抜けたり刺身が崩れたりするで注意しましょう。
さくを購入した場合は、刺身に切り分けずさくのまま表面をさっと流水で洗ってください。切り分けて洗うより水っぽくなるのを防げますよ。
材料
・刺身……適量
・水……適量
1. 流水に浸す
ボウルに流水を注ぎ入れ、水がたっぷりたまったら刺身を入れてボウルをひと混ぜし、すぐに取り出します。水に浸すのは3秒ほどにします。
2. 水気を拭く
キッチンペーパーで上下を包み、やさしく水気を拭いて完了です。
流水で洗った刺身の味わいは?
まぐろ、たい、サーモン、どれもやや味が薄まったような水っぽさを感じますが、臭みはほぼ気になりません。ただし、よく味わって風味を確かめると、まぐろは特有の酸味を含むクセが残りました。
たいやサーモンはクセがなく、臭みがなくなり水っぽくなったこと以外は、洗わないそのままの刺身と大きな差がないように感じます。刺身の食感はどれも水を含んで少しやわらかくなったような印象です。
食感が引き締まる。刺身を「塩水」で洗う方法
刺身を塩水で洗う方法は、流水で洗うより水っぽくならず、食感が引き締まって刺身のおいしさがアップするのが魅力。ただし、常温やぬるい塩水で洗うと、刺身の食感や旨味が損なわれやすいため、かならず冷たい塩水で洗ってください。
さくを購入した場合は切らずにそのまま塩水で洗いましょう。さくのままでも臭みが軽減し、食べる直前に切り分けるほうが刺身本来の旨味を味わえますよ。
材料
・刺身……適量
・氷水……(水400cc+氷100g)500cc
・塩……大さじ1杯
1. 塩水を用意する
氷水と塩を混ぜて、塩分濃度3%の冷たい塩水を作ります。塩の粒が消えるまでしっかり混ぜます。
2. 刺身を浸して水気を拭く
刺身を浸してやさしくボウルを3~4回混ぜてそのまま1分置き、キッチンペーパーで水気を拭いて完了です。
塩水で洗った刺身の味わいは?
まぐ、たい、サーモンすべてに塩水の塩味がほんのりとつきましたが、自然な塩味でしょうゆを少しつけるとちょうどいい塩梅です。ごく薄味がお好みであれば、たいとサーモンはそのままでおおいしく食べられます。
まぐろは特有の酸味や風味が残っているので、しょうゆをつけて食べるほうがおいしいです。たいは甘みが引き立ち、サーモンはねっとり濃厚な旨味を感じられます。食感はどれも少し引き締まっていました。
旨味が引き立つ。刺身を「ブライン液(水+砂糖+塩)」で洗う方法
食べるまでに少し時間がとれる場合は、ブライン液で洗う方法がおすすめです。ブライン液は砂糖と塩があればすぐに用意できます。10分程度浸けるだけで、刺身の旨味が濃厚に感じられ、食感の良さがアップするのが特徴。
ブライン液で洗う場合は、冷蔵庫に入れてしばらく冷やし、魚の旨味を引き出すのがポイントです。長く浸けすぎると塩と砂糖の味が染みるため、15分以上浸けるのは避けましょう。さくを購入した場合はそのまま浸けてください。
材料
・刺身……適量
・水……300c
・砂糖……大さじ1杯
・塩……大さじ1杯
1. ブライン液を用意する
水、砂糖、塩をよく混ぜます。
2. 刺身を浸して冷蔵庫に置く
刺身を浸してラップをかけ、冷蔵庫で10分置きます。キッチンペーパーで水気を拭いて完了です。
ブライン液で洗った刺身の味わいは?
まぐろ、たい、サーモンのどれにも砂糖の不自然な甘みはつかず、旨味が増して臭みも感じられません。まぐろは特有の酸味がほとんど気にならなくなり、しょうゆをつけなくてもおいしく食べられます。
たいとサーモンにもほどよい塩気がつき、甘みと旨味が引き立っていました。たいは淡泊な旨味が際立って食感が引き締まり、サーモンは自然な甘みともっちり濃厚な食感が絶妙です。
3つの方法で洗った刺身の特徴まとめ
流水 / 臭みは軽減するものの、やや水っぽさを感じる
塩水 / 薄い塩味がついて食感が少し引き締まる
ブライン液 / 旨味と甘みが引き立ってもっちり食感になる
三通りの洗い方を試してみると、それぞれの味や食感に大きな変化がでました。流水で洗うのは手軽ですが、水に浸しすぎると味が薄まるため、臭みのみが気になる場合は3秒ほどさっと洗うのがおすすめ。
塩水とブライン液を使うと、味が薄まらずに臭みが軽減して、おいしさが格段にアップします。時間を置かずにすぐ食べたい場合は流水、氷を用意していて1分だけ待てる場合は塩水、旨味をアップさせたい場合はブライン液で洗ってみてはいかがでしょう。
刺身を適切な方法で洗っておいしく食べましょう
買ってきた刺身の生臭さが気になるときは、ひと手間かけて洗ってみてください。臭みだけでなく、食感を引き締めたい場合は塩水、旨味を引き出したい場合はブライン液を使うのがおすすめです。刺身を洗う際は水に浸す時間や水温に気をつけ、魚の旨味や食感を活かしながら臭みを取りましょう。
ライター:Uli(フードコーディネーター/パンシェルジュ/薬膳アドバイザー/レシピライター)