東京八王子RC 戦地の現実に理解深め 報道写真家が特別講演
東京八王子ロータリークラブ(内田栄会長)が4月25日から27日まで、旭町の学園都市センターギャラリーホールで2024-25年度のロータリーデーを開催した。同クラブの歴史や奉仕活動を紹介するパネル展示やビデオ上映、書道や写真などの各同好会による作品展示が行われたほか、フォトジャーナリストの久保田弘信さんを招いた特別講演が催され、多くの来場者が訪れた。
久保田さんは1998年からアフガニスタンを取材し、2003年のイラク戦争では戦火のバグダッドから日本のテレビ局に向けてレポートを届け続けた。危険を顧みず戦地へ赴き難民キャンプに通い、その悲惨な現実と戦争に巻き込まれてしまった罪なき人々の姿を追い続けてきた。
特別講演では自身の撮影した写真をスクリーンに映しながら、時折ジョークを交えつつ現地での貴重な経験談を語った。久保田さんは「カメラを向けることが辛い瞬間もあったが、撮らなければ伝えられない。一枚の写真によって国連が動き、難民の支援につながったこともあった」と振り返り、「足腰が立つ限り、取材を続けていきたい」と力強く語った。質疑応答の時間も設けられ「戦地や難民の写真なのに笑顔の写真を撮るのはなぜ」という質問に、「悲惨なものをそのまま写すよりも、人々が笑顔であるほど却って悲惨さが伝わる」と答えた。
講演後、あいさつに立った内田会長は久保田さんに感謝を述べ、「世界の今を知ることができた。国際RCが進めているポリオ根絶もあと少し。これからも活動に尽力していきたい」と思いを語った。