ガラス越しに酒づくりを体感!東灘区・魚崎の『浜福鶴 吟醸工房』潜入レポ 神戸市
灘五郷のひとつ『浜福鶴(はまふくつる) 吟醸工房』(神戸市東灘区)では、酒造りの全工程がガラス越しに見学可能!タイミングが合えば麴づくりの様子を見ることができるそうで、“発酵文化の体感空間”に潜入してきました。入館は無料です。
入館時間は10時から17時で、10名以下であれば事前予約は不要。10名以上の団体の場合は、同蔵のスタッフさんが案内してくれるようですよ。
外には酒造りの「生命の泉」があり、1995年の阪神・淡路大震災の際にもこちらの井戸は枯れることなく湧き続けていたのだとか。そのため近隣の人の生活用水としても使われたそうです。ぜひ井戸の中ものぞいてみてくださいね。
同館に入ってまずは2階の見学コーナーへ。1階には売店や無料の試飲コーナーもあり、そちらは最後のお楽しみ♪
階段には著名人のサインや灘五郷の歴史について紹介されています。灘の酒造りは1330年頃の室町時代にはすでに始まっていたのだとか!
まずは「酒造りのパネル」や「VTRコーナー」が登場。約20席あり座って鑑賞することができます。
映像は約10分。オリジナルキャラクターの「浜じい」や「福ちゃん」たちが登場し、子どもでも分かりやすそうなアニメーションで学ぶことができました。
奥へと進むと「浸漬室」や「蒸米室」「酒母室」といった各工程の部屋がガラス張りの見学通路から眺めることができます。筆者が訪れたのはお昼過ぎだったのでスタッフの方はまばらな状況。午前中などタイミングが合えば仕込み風景や麹づくりなどが間近で見られるかもしれませんね。
純粋培養された酒母はこの“発酵タンク”に移されて蒸米、麹米、仕込み水を4日間にわたって仕上げていきます。距離が近くて迫力満点です!
数ある酒蔵テーマ館のなかでも「もろみ仕込み」を体感できるのは同館ならでは。こちらの「麹づくり体感コーナー」では、醪(もろみ)の“音”と“香り”を身近に感じることができます。
ボタンを押すと、ぷちぷち・ぽこぽこと泡が弾けるような音とともに、日本酒特有の落ち着いた米の香りがふわっと広がります。
江戸時代から使われている「飯試」や「にない桶」など、酒造道具も展示されていました。
1階へ戻ってくると売店のスタッフさんが「無料の試飲はいかがですか?」と声を掛けてくれました。
4種類試すことができる太っ腹なサービス!貴重な「限定しぼりたて」や、春限定の「空蔵(くぞう)」、キレが抜群の「灘の生一本」、果実感たっぷり「柚子日和」を試飲しました。
米や製法の違いによって生まれる日本酒の個性が分かりやすく、お気に入りは春限定の「空蔵(くぞう)」。
阪神・淡路大震災により同蔵は全壊されたそうですが、辺り一面の瓦礫の山を見回して、杜氏は「蔵もつぶれて空しか見えない」とつぶやいたのだそう。
その情景が由来となり、1996年春に再建することができた際、『“空 ゼロ”からの再出発』の思いを込めてこのお酒が誕生したのだとか。大量生産せず、1年を通じて新鮮なお酒が楽しめるのもポイントです!
もっと試したいときは「有料きき酒処」もおすすめ。事前にレジにてチケットを購入したうえで利用することが可能です。
同蔵の最高峰の逸品「浜福鶴 アルティメット」(720ml、10,000円)が800円で特別試飲できたり、飲み比べセットや、おつまみ3種盛もありました。深酒を避けるために、各自水などの持ち込みはOK!オープンな空間なので気軽に立ち寄れるのがいいですね。
大人気「ソフトクリーム」は、1パーセント未満ですが大吟醸「六甲の雫」が使われているのだとか。六甲牧場から直送されているミルクの濃厚な旨みに、ほんのりとお酒の風味が楽しめます。
売店には『浜福鶴』オリジナル商品の「甘酒キャラメル」や「空蔵ゼリー」「空蔵ケーキ」などもずらり。ちょっぴり大人なスイーツはお土産にもぴったりです。
造る・見せる・販売するの三拍子がそろった見学酒蔵。時間帯や季節ならではの変化もあるので、地元民こそ何度も通って、お気に入りの日本酒を見つけてみてはいかがでしょうか。
場所
浜福鶴 吟醸工房
(神戸市東灘区魚崎南町4-4-6)
営業時間
10:00~17:00
生酒試飲コーナー 10:00~16:50
有料きき酒処 10:00~16:45(L.O.16:15)
休業日
月曜日(祝祭日は営業)
TEL
078-411-8339