量子力学は“小さな世界のふしぎ”を書いたルールブック?【眠れなくなるほど面白い 図解 量子の話】
量子力学は小さな世界のふしぎを書いたルールブック!
小さな量子の世界にはたくさんの住人がいます。わたしたちの体や物質はすべて原子でできていて、原子の中には電子や陽子や中性子が住んでいます。原子がつながると分子になりますが、これらはみな量子です。それ以外にも「光」は量子の世界で「光子 (こうし)」と呼ばれたり、あまり聞き慣れないクオークやニュートリノ、ミュー粒子、タウ粒子といった名前のものもいます。これら多くの量子の名前には「子」が付いていますが、それには小さいという意味が込められています。
量子の世界では、物質が小さくなって極小世界の住人になっているだけではありません。ここの日常はわたしたちの世界の日常と全然違うのです。それは「物理の法則」が違うということです。
物理を高校などで習った人は、「ニュートンの法則」を聞いたことがあるかと思います。日常の中で起こる物理現象、たとえばボールが飛んでいって落ちてくる、ボールを壁にぶつけると跳ね返ってくる、タイヤが転がって摩擦で止まるなどの現象はニュートンの法則に従います。これらはニュートンの法則通りで当たり前に見えます。
ところが、わたしたちが生きている世界では「当たり前」だと思っていることが、量子の世界では当たり前ではありません。反対に量子の世界でふつうのことが、わたしたちの世界では「ふしぎ」にしか思えない現象がたくさんあります。この小さな世界のふしぎを詳述したルールブック、それこそが「量子力学」と呼ぶものです。
量子力学は1900年ごろから多くの物理学者の手によって記述されてきた、小さな世界のルー ルブックです。ルールブックには多くの聞き慣れない言葉が登場します。電子や原子などの量子の名前もそうですが、「重ね合わせの状態」「もつれ合った状態」「不確定性原理」「量子トンネリング」「量子テレポーテーション」など、各種の法則やふしぎな現象がさまざま登場します。そんな変わった日常のあるところが量子の世界なのです。
小さな世界の住人、さまざまな量子たち
ふしぎな世界のルールブック= 量子力学
量子の世界は「ニュートンの法則」とはまるで違う世界だよ。物質をつくっている原子、その原子をつくっている電子・陽子・中性子やニュートリノなどの素粒子も量子に含まれるんだね。サイズは前項で記したように1mの10億分の1。もしかするとそれよりも小さい世界もしれない。そんな世界ではニュートン力学は通用しない代わりに、想像を超えた「量子力学」の法則に従っているというんだ。
【出典】『眠れなくなるほど面白い 図解 量子の話』著:久富隆佑、やまざき れきしゅう