藤井恵さんの絶品キーマカレーレシピ【きょうの料理7月号より】
料理研究家の藤井恵さんが長い年月をかけてやっとたどりついた、絶品キーマカレーのレシピを公開。スパイスの香りが何層にも重なり合った奥行きのある味をぜひお試しください。
(『きょうの料理』7月号より)
藤井恵さん
料理研究家、管理栄養士。家庭でつくりやすく、体にやさしいレシピを提案している。2人の娘を育て上げ、現在は東京と長野の二拠点生活を満喫中。
試作を重ねたキーマカレー
料理研究家の仕事は、華やかそうに見えて実は地道な試作の連続。一度うまくできたからといって、すぐにその料理がOKとはなりません。
「もっとおいしく、つくりやすいレシピになるのでは?」
「どうしたら自分もみんなも納得できる味になるだろう」
などと、あれこれ考えながらキッチンに立ち続けています。もともと、物事をとことん突き詰めることに燃えるタイプなので、この仕事には向いていたのかもしれません。
そんな私が鬼のように試作を重ねて、ようやく最終レシピにたどりついた料理の一つが「キーマカレー」です。まだ料理研究家になりたてのころ、スパイスを使ったカレーをつくりたいと思い立ち、インド料理の本を見てスパイスについて一から勉強しました。
カレーは使うスパイスの量や組み合わせによって、味わいがガラリと変わります。その違いをいろいろ試してみたくて、撮影のまかないに何度キーマカレーが登場したことでしょう。スタッフのみなさんにさんざん食べてもらったおかげで、今やキーマカレーは藤井家のカレーの代名詞ともいえるメニューになりました。
つくり方
材料(つくりやすい分量)
豚ひき肉…500g
たまねぎ…1コ
A (シナモンスティック…1本
ローリエ…1枚
赤とうがらし…1本)
トマトピュレ…400g
B (にんにく・しょうが(各すりおろす) …各3かけ分)
C (クミン(粉)・コリアンダー(粉) …各大さじ1
ターメリック(粉)…小さじ1
チリパウダー…小さじ1/2)
グリンピース(冷凍)…250g
ターメリックライス (米…360㎖(2合)
ターメリック(粉)…小さじ1
塩…小さじ1/3)
パクチー…適宜
●サラダ油・塩
◎2720kcal(全量)◎塩分20.5g(全量)◎1時間50分
1 たまねぎはみじん切りにする。鍋にサラダ油大さじ1とAを入れて弱火にかけ、ピチピチと音がしてきたらたまねぎを加え、うすく色づくまで中火で炒める。
2 ひき肉を加えてさらに炒め、肉の色が変わったらBを加えて炒め合わせる。Cを加えて全体になじませ、トマトピュレ、凍ったままのグリンピース、水カップ2を加えて煮る。
3 煮立ったらアクを取り、ふたをして弱火で1時間~1時間30分間、赤い脂が浮いてくるまで煮る。塩大さじ1を加えて味を調え、Aを取り除く。
4 カレーを煮ている間にターメリックライスを炊く。米は洗って炊飯器の内釜に入れ、2合の目盛りまで水を注いで30分間おく。ターメリック、塩を加えて混ぜ、炊く。
5 器にターメリックライス適量を盛って3のカレー適量をかけ、好みでパクチーを添える。
[キーマカレーの保存]冷蔵庫で3日間、冷凍庫で2週間
■NHKテキスト『きょうの料理』2025年7月号より抜粋
■撮影・竹内章雄/スタイリング・大畑純子