【1皿120円】スシローやくら寿司が進出しても渋谷最強の回転寿司は「天下寿司」である理由
渋谷の回転寿司と言えば天下寿司。道玄坂の中腹という立地もさることながら、私(中澤)が上京してきた当時は回転寿司が渋谷にほとんどなかったので、来る度に通っていたものだ。職人が握る回転寿司屋でひと皿120円から。金がなかったのもありちょい高めに感じていたことを覚えている。
そう、当時はくら寿司やスシローは100円だった。だけど、そんな両社も今、渋谷店は150円。だとすると、天下寿司はどうなっているのか? 久しぶりに行ってみたところ衝撃を受けた。
・衝撃
そこにあったとしても意識外のものは意外と認識できないのが人間という生き物である。この10年くらい渋谷から足が遠のいていたこともあり、天下寿司が今どうなっているのかは全く分からない。まだある……よね?
微妙に不安を覚えながら行ってみたところ、ほっ。とりあえず店自体は存続しているようだ。っていうか……
今もひと皿130円からではないか! 確かに値上がりはしているのだが、他の回転寿司の値上げ幅を見ると「耐えている」と言っても過言ではないだろう。さらには……
平日ランチタイムは130円皿が120円になるだと……!?
耐えまくっている。そのひっそりと耐える姿にはもはや忍を感じた。刃の下に心あり。
・昔ながらのスタイル
言うまでもなく、これはスシロー渋谷駅前店やくら寿司渋谷駅前店よりも安い。渋谷の天下寿司がくら寿司やスシローよりも安くなる時代が来るなんて想像もしなかったな。
入店してみると、職人が握る昔ながらの回転寿司というところは変わっていない。今となってはこちらのスタイルの方がインバウンド客受けしそうですらある。
・良いところ
120円皿がかんぴょう巻と卵だけみたいな詐欺じみたこともなく、最安ラインナップには鯖、マグロ、イカ、えび、あじなど、メインで戦える面々が揃う。
卵がガッツリしているのも変わらず。質は、100円寿司全盛時代に120円で戦っていた回転寿司屋のそれである。
また、この日はワンランク上の190円皿にあん肝や生にしんがあった。ちょっと良いネタも極端に高くなるわけではないところも変わらず。
・オススメ
相変わらずなのが価格だけではなかったことに安心したので、私が個人的にオススメするネタを紹介しよう。それは、最安ラインナップにあるいなりだ。注文すると職人さんが「どんべえ!」とオーダーを通すこのいなり寿司。良さはそういうマニアックな楽しみだけではなく……
やたらと爆盛りなのである。
油揚げ多めなのが嬉しい。今回は色々食べたのでひと皿にしたけれど、これ2皿で結構お腹に溜まるので安く済ませたい時はオススメだ。今回のお会計は13皿で税込1700円だった。忍んでますなあああ。
・不器用ですから
そんなわけで、スシロー、くら寿司が進出してきた今においても、渋谷と言えば天下寿司という状況は変わらなかった。センター街の元祖寿司でさえ一皿税込138円からだし。
インフレが叫ばれる世の中で他店は値上げしまくりなだけにその姿勢は天晴だ。チェーンとしての天下寿司はいまいち地味に感じる人も多いかもしれないが、忍んでいることもまたガチ感がある。不器用ですから。久しぶりに食べた渋谷の天下寿司の寿司にそう言われた気がした。
参考リンク:天下寿司
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.