掛川西の26年ぶり優勝で脚光浴びる“最強タッグ”、再び甲子園へ<全国高校野球選手権静岡大会>
第106回全国高校野球選手権静岡大会は7月29日、掛川西の26年ぶりの優勝で幕を閉じました。その26年前に主将として甲子園に出場したのが大石卓哉監督(44)です。甲子園との〝縁〟を感じさせる巡り合わせが注目されていますが、もう一人、縁のある人物の存在がひそかに話題になっています。
掛川西高野球部の父母会長を務める栗林俊輔さん(51)=県教委=。2008年から13年間、静岡高野球部の監督を務め、春夏通算7度の甲子園に導きました。
当時、栗林監督のもとで2014年から4年間、静岡の副部長、部長を担ったのが大石監督です。2人が“タッグ”を組んだ4年間で春夏通算5度の甲子園出場を果たしました。一枚岩の指導体制は当時、県内で“最強タッグ”と恐れられていました。
2人が最初にコンビを組んだのは2005年。栗林さんが監督を務めていた浜松工高に大石監督が理科の実習助手として赴任したのを機に、野球部コーチを2年間務めました。その後、大石監督は三ケ日高の監督を経て2014年に再び栗林さんの“右腕”となり、2018年に母校・掛川西高の監督に就きました。
今夏の掛川西のベンチ入りメンバーには栗林さんの長男・毅知選手がいます。昨秋から父母会長となった栗林さんは、今度は大石監督を支える立場になりました。「せっかくのご縁。大石先生に恩返しができたら」と引き受けたそうです。
甲子園出場を決めた掛川西は7月31日、県庁に増井浩二副知事、池上重弘教育長を訪問。県教委の栗林さんがセレモニーの進行を担当しました。大石監督は「何か変な感じですね」と不思議な巡り合わせを実感しつつ、「栗林先生のおかげでたくさん経験をさせてもらった。(甲子園での)流れが分かっているので落ち着いてできます」と、監督としては初の甲子園ですが臆せず臨みます。