敗者の涙 春の高校バレー県予選 王者と真っ向勝負し、互角の戦い演じた大分商業 【大分県】
春の高校バレー県予選女子決勝。大分商業は優勝した東九州龍谷(東龍)に真っ向勝負を挑んだ。結果は1-3で初優勝の夢を打ち砕かれた。森栄一郎監督は「イメージ通りの試合ができた。ただ、4セット目を取り、フルセットまで持ち込めば勝機はあったのだが」と悔しがった。
セットカウント1-2と追い込まれた第4セットでは、安藤美空、小田原明日香の1年生コンビが躍動し、相手の高いブロックと粘り強いレシーブに応戦する。安藤は鋭角、広角にキレのあるスパイクを放ち、小田原は緩急をつけてスパイクを打ち分け、流れを呼び込んだ。最大5点のリードを追い上げ、20-20で迎えた終盤、もう一段階ギアを上げたかったが、連続ポイントを与えて逃げ切られた。
得点源となった安藤美空
試合が終わった瞬間、昨年も決勝の舞台に立った3年生たちは大粒の涙を流した。森監督は「成長著しい1年生が思い切ってプレーに集中できたのは3年生がいたからこそ。この年代は昨年から主力として活躍した選手が多く、力があった。東龍を相手に一度もひるむことなく戦えた。負けはしたが頼もしかった」とねぎらった。
大会後は3年生が引退し、2月の県高校新人大会に向けて新チームがスタートした。3年生の穴を埋めるのは大変な作業だが、安藤や小田原が決勝の舞台を経験したことは一筋の光明となっている。安藤は「(東龍との決勝戦で)最後は自分がスパイクをふかして終わってしまった。最後まで狙ったコースを打ち切れるようにならなければいけない。3年生を勝って送り出せず、申し訳ない気持ちでいっぱい。先輩たちの思いを背負って、これからはプレーをしたい」とエースとしての覚悟を示した。小田原は「昨年、テレビで見ていた決勝に立てた。想像していた以上に東龍の気迫を感じてしまったが、頭を柔軟にし、コースを狙えたと思う。先輩たちのおかげで、東龍と対等に戦える位置まで来た。来年、再来年で追い越したい」と再起を誓った。
勝負が決まり涙がこぼれた
(甲斐理恵)