スノボ菊地原さん 冬季アジア大会で銀 ハーフパイプ種目 市長に報告
今年2月に中国で行われたアジア冬季競技大会スノーボード・ハーフパイプ種目で銀メダルを獲得した菊地原小弥汰選手が5月16日、八王子市役所を訪れ初宿和夫市長に報告を行った。菊地原選手は今大会を振り返ると共に、来年開催予定のミラノ・コルティナ冬季五輪について、「開催まで1年を切っている。死に物狂いでやっていきたい」と出場への意欲を見せた。
菊地原選手は、市内在住の21歳。山梨県にあるカムイみさかスキー場のクラブであるネクストアムゼスノーボードクラブに所属している。小5の時に母親に連れられて始めたスノーボードに魅せられ、中学2年生の時にプロのスノーボーダーに。現在は町田市にある法政大学多摩キャンパスに通いながら、オンシーズンはスイスやアメリカなどの海外や国内に遠征し、オフシーズンは埼玉県や愛知県の施設で練習を重ねる。
急な出番重責に耐え
ハーフパイプとは、円筒を切り落とした半円筒状のコースを滑り、ジャンプや空中での技で点数を競う競技。
2月12日に中国・ハルビンで行われた第9回アジア冬季競技大会には、34カ国から1000人を超えるアスリートが参加。スキーやスケート、アイスホッケー、カーリング、バイアスロンなどの種目でアジアの頂点を競い合った。
菊地原選手は当初、ハーフパイプ種目の補欠メンバーだったが、怪我をした選手の交代要員として出場することに。メンバーに選ばれた時は「気持ちは準備していたが、(いざ出場するとなると)自分に結果が出せるのか」と不安に襲われたという。
菊地原選手によると、試合当日の会場の気温はマイナス30度。予測できない強い横風も吹きさらす中、他の選手たちが体勢を崩すのを見て「自分は安定した滑りを目指そう」と落ち着いたパフォーマンスを2回披露。悪天候で決勝が中止となり、高得点を獲得していた菊地原選手の2位が確定した。
迫るミラノ意気込みは
16日に市役所を訪れた菊地原選手は、市長に大会結果の報告や、表彰式で授与された銀メダルを披露。「緊張したが、努力が実ってアジア2位になれた」と総括した。初宿市長から学生生活と競技生活との両立方法を聞かれると、高校時代、出席日数を減らさぬようできるだけ授業に出席した後で急いで練習会場に向かったエピソードなどを披露。大学で現在学んでいることや得意な科目、大学4年生であることから進路についても話題が広がった。
イタリアのミラノとコルティナ・ダンペッツォで行われる冬季五輪は2026年2月に開催予定。今回の銀メダル取得で勢いに乗る菊地原選手は、話が五輪に及ぶと「開催まで1年を切っているため、死に物狂いで出場を目指したい」と目標を表明。初宿市長も「期待している。常に上を目指していると思うので、本番で後悔しないよう結果をつかみ取ってほしい」と激励した。