ワーキングマザーの9割が正社員継続を希望も、夫婦間の働き方には依然として意識差 マイナビ調査
マイナビ(東京都千代田区)は5月21日、未就学児を育てている女性正社員の9割近くが、正社員としてのキャリア継続を望んでいるという調査結果を発表した。
調査は800人の子育て中の正社員を対象に、総合転職情報サイト「マイナビ転職」が実施。育児中のキャリアに関する男女の意識差が浮き彫りになった。
女性の希望は「正社員継続」が9割近く 夫の認識との20ポイント差
子育て中の理想の働き方を聞いたところ、女性の8割以上が正社員で働くことを希望している。フェーズごとに見ると「保育園・幼稚園入園後」で高く、その割合は88.5%に上る。
一方、男性に妻の理想の働き方を聞いたところ、正社員で働くことを望んでいる男性は7割程度で、特に「保育園・幼稚園入園後」では69.8%にとどまる。同時期の女性と比べると20ポイント近く差が開いており、夫婦間での理想にギャップが見られることが明らかになった。
育休取得後も社会参加を望む女性が多数 空白期間への不安も
育児休業の取得にあたって不安だったことについても、男女差が見られた。
「社会とのつながりが減ること」と答えた女性は22.3%だったのに対し、男性は8.0%と、約15ポイントの差がついた。女性では「仕事の空白期間ができること」も2割を超えている(20.7%)。
同調査では、女性が「子供や家族のために一旦仕事を離れるという決断をしつつも、いずれは正社員として社会復帰し、仕事を通した社会参加を望んでいる」と分析している。
「1人の時間がない」「給料が減る」育休の不満に男女で違い
育休への満足度が低い人に、その理由を聞いたところ、男女間に差が見られた。男性は育休期間の短さへの意見が挙がった一方、女性は育児への温度差を感じている回答が見られた。
自分の育休への満足度が低い人
・子供を可愛いと思う瞬間ももちろんあるけど、1人の時間はないし、早く仕事に復帰したいという気持ちが強かった(女性、20歳代)
・期間が短く、育休中もリモートで仕事をしていたため(男性、30歳代)
パートナーの育休への満足度が低い人
・職場の目を気にして短期しか取らなかったため、スキルが上がらなかった(女性、30歳代)
・働きやすいとは思うが、給料が減るのが嫌(男性、30歳代)
また、子育て中の正社員のうち約3人に1人が、育児との兼ね合いで退職、あるいは退職を検討した経験を持つことがわかった(35.0%)。特に育休経験がある女性では、その割合が4割を超えた(41.3%)。
調査結果を受けて「企業は、男女問わず子育てしている社員が働きやすいと思える環境を整えられるよう、どうサポートしていくかが重要になってくるのではないでしょうか」と「マイナビ転職」の瀧川さおり編集長はコメントしている。当メディアでは、4月に施行された改正育児・介護休業法を受けて、制度から、一歩進んだ取り組みをスタートさせた企業を紹介している。
「育児離職と育休の男女差実態調査(2025)」は、20歳代から40歳代の小学生未満の子ありの正社員・公務員800人(育休経験者600人、育休未経験者200人)を対象に、2月14日から2月17日の間、ウェブ調査で実施。発表の詳細は同社公式リリースにて確認できる。