ボッシュホールまもなく開館・特別インタビュー かかし座×アートステージサン 「るる島の秘密」6年ぶり共演「うれしい」「楽しみ」 3月28・29日 ボッシュホール劇団かかし座×アートステージサン
いよいよ開館が来月に迫った都筑区民文化センター「ボッシュホール」。開館記念公演の一つとして、地元・都筑の影絵専門劇団「かかし座」と韓国の人形劇団「アートステージサン」によるコラボレーション『るる島の秘密』が上演される。初演以来、6年ぶりとなる共演を前に、両劇団にインタビューを行った。
共通する美意識
両劇団の出会いは、2012年に招待され、ブラジルで開催されたフェスティバル。互いの舞台を鑑賞しあう中、交流が生まれ、日韓両国で公演を行うようになった。
人形も影絵も表情は無い。にも関わらず、最小限のセリフと動きや間で観客の想像力を掻き立て、言語の壁を越え、観ているものに喜怒哀楽が伝わる。「サン」代表のチョ・ヒョンサンさんは「余白を作る美意識が共通している」と分析する。2〜3年に及ぶ準備期間を経て、19年、言語の壁を越え、少ないセリフで大人も子どもも楽しめるコラボ作品『るる島の秘密』が完成した。
言語の壁越え
作品は、都会に住む主人公の少女・ハルが、祖父の住む島『るる島』へ出かけるところから始まる。スマホの電波も届かないような島で不安だったハルが、祖父の飼い猫や島の動物たちと仲良くなり元気を取り戻し、祖父から見聞きした島の不思議な伝説や秘密に直面する冒険の物語。
日韓両国で延べ31日間56回公演が行われ、約9千人もの観客を集めた。かかし座代表の後藤圭さんは「公演前は心配だったが、日韓両国の観客に期待以上に楽しんでもらえた」と初演当時を振り返った。出演した菊本香代さん、飯田周一さんも「互いに言葉や距離の問題に加え、不慣れなコラボで難しい面もあったが、新しい気づきもあり、楽しくできた」と笑顔を見せた。
継続的なコラボ公演は、コロナ禍で叶わなかったが、今年6年ぶりの再演が決定。東京、山梨での公演後、満を持して、ボッシュホールの開館記念公演として上演されることになった。
「サン」は、3月12日に来日し、本番に備える。代表のチョさんは「日本の観客に会うことが何よりも楽しみ。自分たちのメッセージを受け取って、どんな反応をしてくれるのか」と期待を寄せた。
かかし座×アートステージサン「るる島の秘密」3月28・29日ボッシュホール
ボッシュホール開館記念公演「るる島の秘密」は、3月28日(金)が午後2時30分、29日(土)が午前11時と午後2時30分の計3回公演。チケットは全席指定で大人2500円、小学生以下1500円。購入は電話での予約(045・530・5084)またはLINEチケットサービスから。問合せも同番号へ。